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Imitation  作者: ヴィラノ・エンヴィオ
中等部1年生 後期編
71/154

モフりたいかい

これでモフったつもりです←

『ロキ、あなたって人は……』

「わー、ごめんなさい」


皆の前で正座してる俺、公開処刑中です。

何でって?

ナイトが魔物宿舎をちょっとばかり破壊したせいです。

シオンによるお説教中である。


『アウルム様! あなたもわざわざ手伝わなくていいのですよ! 全部この子がヨルムンガンドのテンションを上げたせいですから!』

「いや、俺の考えと同じことしてっからな? つーかこれ躾けが出来てないとかの問題以前にナイトがガキすぎるんだけど」

「駄洒落?」

『お だ ま り』


アウルムが壁を土魔術で直してくれている。無論魔力は俺持ちで。

そろそろ、正座がきつくなってまいりました……!


つらい、つらいお(´・ω・`)

俺たちは毎日こんな座り方をしていたのか(居間に卓袱台)


「自主的にやりだしたのロキだけどね」

「椅子文化の人間が正座知ってるわけないじゃん(笑)」

「ある意味拷問だよね。自重のせいで(笑)」


ソルとエリスとルナの会話に棘を感じる。いつの間にかナタリアとシオンは仲良くなってるし、アウルムは最近ずっとらしくない考え事ばっかりしてるし、会話の相手が居なくて寂しいのにこの状況この仕打ち。

酷い!


断じて俺はいじられ役のキャラじゃないはずなんですがね!


やがて先輩たちが現れ、ハインドフット教授がその辺でやめようかと声を掛けてくれたので解放された。


「皆酷くね?」

「そんだけ弄られる愛されたキャラ(人格)だってことにしときなさい」


ソルにはそんなフォローを貰った。

まあ、実際壊したのナイトだしな。


アウルムが修繕してくれた壁、ピッカピカや……。結構古い建物だったから、レンガとか新しいもん合成したせいでめっちゃ赤い。赤れんが。


「ところでコンゴウが見当たらないんだが」

「コンゴウならアウルムの肩だぞ」

「は?」


いや、コンゴウはもう人間の肩に乗るサイズじゃないはずだが。

そう思ってアウルムを見やったら、アウルムに肩車されてる状態だった。そう乗ることにしたのね。


コンゴウは確実に魔術を行使して人間に化ける練習をしている。ポテンシャル高すぎて笑えないけどな。

――ハクの泊まる場所がなくなっている気がする。つつかれるぞお前。


「誰かー」


セトの声がする。見やったらセトが相変わらずコウの背中に乗ってその辺を走り回っているところ。本当にコウは走るの好きだよなあ。

何が嬉しくてあんなにはしゃいでんのかしら。


ちなみにコウは俺しかいない時は俺によじ登ってくる。最近顔と角と翼がはっきりしてきたところだ。

まだ飛べないけどな。


先輩たちの相手はハインドフット教授がやっているので俺たちはただ魔物たちが暴れないように見ているだけでいいのだが、まあ、先輩方の中には魔物に嫌われるタイプがいるらしく、驚いたことにアンフィに思い切り威嚇の態勢に入られた人がいた。


「ちょ、アンフィどうしたの~」


ソルもおっかなびっくりといった風なのだが、アンフィ――どっちがアンでどっちがフィかは知らんが、若干目が吊っている方が威嚇したまま、若干目が垂れてる方がソルの服を咥えて自分の後ろに隠そうとした。

それを見て、俺はアンフィがその人を怖がっていることに気が付いた。


というか、よく見てみりゃスレイ、ミッドも同じように警戒してるじゃねーの。

アウルムが俺の側にやってきて、ちょっと話がしたいと言って来たのでついて行く。


「――ロキ、アレ気付いたか」

「ああ、アンフィが先輩を怖がってるな」

「コウもだ」

「……マジか?」


コウには気付かなかった。あ、いや、めっちゃ走ってるなとは思ってたけど――あ、こっちに近付いて来なくなったのか?


「やばい、結構ヤバい」

「そんなにか」

「この話後でお前の工房でさせてくれね?」

「ああ、分かった」


この授業ちゃんと参加しないとだめですから。


戻るとなんぞ、コンゴウまで先輩を威嚇してる。

この先輩何なんだろう。

髪は緑、瞳も緑と典型的な風の色を呈していらっしゃる。


「先輩、どうしたんですか」

「……わからない。彼らの飼い主は君たちなのかい?」

「いいえ、自分ではありません」


名前は、ロベルト・フルド。高等部の2年だそうである。

そうしてちょっと話を聞いていると、俺の名を呼ぶ声がした。


「ロキ!」

「!」


俺は振り返った。そこには、プルトス兄上とフレイ兄上がいた。

アル殿下いらっしゃる。


「お久しぶりです、プルトス兄上、フレイ兄上」

「あはは、久しぶりだな、ロキ」

「!」


フレイ兄上に頭を撫でられた。プルトス兄上がそのままフルド先輩に話しかける。


「また随分と嫌われてるな」

「ああ、なんでだろうな。シェンは俺をすごく慕ってくれるのに」

「なんかロキたちのやつにばっかり嫌われてね?」

「スーもナイトも何も言ってないけどな」


兄上たちの会話を聞きつつ、俺は俺に擦り寄ってきたスーの頭を撫でる。

アウルムが話しかけてきたことといい、何かあるのは間違いなさそうだ。


「カル、調子はどうだい」

「兄上」


カルとアル殿下は白蛇を抱えて談笑を始めた。アルミラージが辺りを飛び跳ね、コボルトたちがキャンキャン騒ぎ、ケットシーやゴブリンたちが大勢やってきた美女に見惚れているという状況が出来ている……。カオスだ。

あ、ゴブリンは元々この中等部で飼われていた魔物である。


流石は乙女ゲームっつーか、ね。

うん、皆美人よ、今更だけど。


「ふにゃぁっ!」

「!?」


突然声がして、俺に向かって突っ込んできたのは、ナタリア。

こいつ、俺は攻略対象じゃねーはずなのになぜ俺に向かってイベントを起こした!?


俺はナイトのとぐろの中央に押し倒され、ナタリアが俺に馬乗り状態。

顔近いっス。

何があってナイトの上にまですっ飛んで来たんだこやつは。


「ごめんなさい~( ;∀;)」

「悪いと思うならはよ退け(-_-;)」


慌てて体を起こしたナタリアはそのままナイトの体表を滑って落ちそうになり、慌てて俺がその手を掴んでゆっくり降ろすというイベントになった。


「……今の何? うちの(魂的な)弟とイベントなんて冗談じゃないわよ?(#^ω^)」

「それはそこの風精霊に言ってよ~( ;∀;)」


振り回されてイベントを起こすヒロイン体質、哀れなもんだ。

今のが俺が男だから起こったのだとしたら、令嬢の姿なら俺はイベントに巻き込まれなくて済むということにならないか?

ならないね。

令嬢のイベントあるわな。


「にしてもドラゴン多いな」

「リンドヴルムは流石にいないか」

「お前の研究だろそれ」





高等部の先輩方は皆思い思いに魔物たちを触っていかれました。

一部ものすごく嫌われていた先輩もいはしたが。


「無事に終わりましたね」

「ええ。では、皆さん、今日はこれで解散です」


ここまで読んでくださりありがとうございます。

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