もふもふ会
の、はずだった。
仕方がない。だってロキのやつモフじゃないから。
「今日は以前告知したとおり、高等部の学生に中等部を解放してあります。たぶん皆ここに来ますよ」
ハインドフット教授の言葉に俺たちは魔物宿舎を見上げる。
あらためて見ると、本当にでかいことが分かる。
ちなみに、高等部でも一番広い敷地をとっているのは魔物使い科だそうである。生徒の数は10人前後。魔物はわんさかいるんだとか。
中等部の魔物宿舎は高等部と比べるとかなり小さいらしい、これでかよ。俺が行ったの小学校も中学校も高校も大体800人前後いたけど、それでもここまで大きくなかったぞ。高等部どうなってんだ。
まあ、酷い時はヨルムンガンドにリヴァイアサン、ベヒモス、バハムートと巨躯を誇る魔物が大量に湧いた時期があったらしい、その時の名残だとか。
ベヒモスとバハムート同じものじゃなかったんかと思っていたら、やっぱり形で呼び分けているそうです。獣型がベヒモス、ドラゴン型がバハムートで、その間にはちゃんと卵ができるとか。
卵ができるかどうかで同じ形かどうかを見極めるらしい。つまり、同じ形態にならないと卵はできないということで。
魔物って不思議だなあ、とカルと話した。
ところで、最近セトは魔物の聖域にいたあの巨躯の茶色いグリフォンから3日に一度はランデブーのお誘いを受けているようだ。
攫われそう。
そう思った俺は悪くないと思うぞ!
攫ってもいいのよ、アルトリアを乗せてくれるようなグリフォン連れてこなければな!
一緒に乗せてやれやそこまで理解してるなら!
たぶん、アルトリアが彼にとって大事な人であるのは分かっているが、自分が彼の中で確固たる位置を得るまでは邪魔なので退けておきたい、といったところだろう。
ちなみに俺たちは今日、総勢59名の魔物学基礎受講生、という括りでここに居る。
大学生になった気分っつーか。
59の内の17名は俺たち前期で基礎を受講し、後期で発展に進んだ生徒。他の42名は後期で基礎をとって2年前期で発展をとる生徒だ。
ちなみに、今日エリオもがっつり来る予定である。
スライムちゃん(女の子でした)との関係も改善したようで何より。
ちなみに今俺は会話相手がいない。
理由は単純だ。
ソルを見やる。アンフィスバエナに絡みつかれ、エサをねだられている真最中。
ルナ。アルミラージが膝の上に陣取ったため動けなくなっている。
エリス。コボルドをモフり倒し中、迷惑そうな顔してるぞオイ。
ナタリア、こいつもコボルドモフり倒し中。
クルミ、ラドンに絡まれて姿が見えない。
カル、大きくなってきた白蛇に巻き付かれていて重たそう、動けないようだ。
セト、鋼竜の幼体はなぜああも走るのが好きなのか、セトを背に乗せて走りに行った。
アレクセイ、ワイバーンに構い倒している、あんまり様子を見に来れないからスキンシップ過多。
リヒト、構いすぎてうざがられた模様。アイツのなんだっけ? 喋れそうにないです。
ゼロ、ドラゴンにめっちゃ遊ばれてる。
アルトリア、ケットシーをモフり中、女子ってモフるの好きなのか?
ターニャもケットシーをモフっている……。
俺。いやね、皆が触れあってるから分かると思うけどね。
俺も一応触れあいはしてるんですよ?
一方的すぎるだけで。
「なあナイト、苦しい!! お前の巨大で巻き疲れたら潰れて死ぬ! ちょ、誰か助けて( ;∀;)」
「ヨルムンガンドに巻き付かれるとか初めて見たわ~」
「めっちゃラブってるじゃん、ナイトってホントにお前のこと好きなんだな」
見てるだけじゃなく助けてって言ってんの!
え、アウルム?
アイツは後期の生徒で卵から孵ったばっかりのベビーたちに集られてますが。
ほらもー頭に小さいワイバーン乗ってるやん!
って、こっち来とる。
「苦しそう」
「分かってるなら傍観は無しだろ」
「いやいやいや、ヨルムンガンドとか傍観に徹するだろ普通( ´∀` )」
「そこを何とか! なんで巻きつかれてんの俺! 上に乗るとかでもいいじゃん!」
圧殺されそうや。
「まー、それもそうだな。ちょっと降りててくれるかい」
アウルムが声を掛けると、しぶしぶ離れていったベビーたちといやいやと頭を左右に振って離れなかったベビーとに分かれた。
しゃーねーな、と言いつつアウルムはナイトに声を掛ける。
「おーいナイト、ちょっと来い」
ナイトがアウルムに顔を近づける。アウルムはナイトを撫で始めた。
「なあ、ロキを放してやってくれ。ロキはお前が何してほしいのかちゃんとわかってるからよ」
いくらヨルムンガンドで巨大だといっても、まだ卵から孵って半年程度。人間でいうところの5歳頃に当たる精神年齢だという。
つまり、まだまだガキなわけで。
ここに来るときは皆撫でていくが、スーは4年、ミィは1年、俺と過ごしている。つまり、甘やかし度が足りないと、ナイトは主張しているのだ。
いいだろう、たっぷりと甘やかしてやろうではないか。その為には――。
しゅるり、と俺の身体からナイトが離れる。一旦そこを退いてスーとミィに無事であることを伝えに行く。
『主、御無事ですか』
『潰れてない? 治すとこない?』
いつの間に念話使えるようになったんや……。
「大丈夫だ。心配してくれてありがとう。ちょっとあの5歳児と遊んでくる」
『はぁい』
『お怪我の無きよう』
スーが執事みたいになってますよ。
俺はナイトの許へ戻り、その頭によじ登った。
「あー、考えたな!」
「だろ?」
ヨルムンガンドはドラゴン系ではあるが、頭のてっぺんが平べったい。なのでそこに乗ることにしたのだ。
どうだナイト、ここはお前にしかないぞ。( ´∀` )
ミィは抱える。
スーは背に乗る。
じゃあナイトは頭に乗る。
完璧じゃね?(`・ω・´)
テンション上がったナイトが尻尾で壁をぶち抜くまであと少し。
どちらかというとひんやりつるつる回だった気がする
ここまで読んでいただきありがとうございます。




