表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Imitation  作者: ヴィラノ・エンヴィオ
中等部1年生 後期編
66/154

上位世界の面々(土)

久々の生産――の、はずがどうしてこうなった


工房に籠って遊んでいたら、足元にコードが浮かんでいた。

これ召喚魔術じゃん、と思ってそこから退いた。


そしたら、なんか湧いた。


「いや~、ありがとう、お茶まで出してもらっちゃって」

「いえいえ、こんななんもないところへご苦労様です」


なんか湧いた、ってのは5人の少年少女と言えばいいだろうか。

髪の色はまちまち――それこそ黒、茶だけなのだが、目の色が。


黒髪紅眼の少年、黒髪藍眼の少女、黒髪翠眼の少年、黒髪青銀目の少年、茶髪黄目の少女の組み合わせだが、うーん。

見覚えあるんだよな、何か。この雰囲気。


「それにしても、ここは過ごしやすい理を流してますね。工房だけで一つ世界創った人なんて初めて会いました」

「そうですか。なんで知ってんです?」

「ああ、女将と言えばわかりますか? 彼女の紹介です」


デ ル ち ゃ ん か


「えっと。じゃあ改めまして、ロキ・フォンブラウと申します」

「えっと、フルネームは勘弁してください。契約になっちゃうので」

「ああ、お気になさらず」


よく喋るのはこの黒髪紅眼の少年だ。他のメンツは口下手なのか緊張しているのか、まだガチガチである。


「えーと。ルビー、と申します」

「アウルムの親戚ですかね」

「いいえ、僕らインゴット族じゃないので」


宝石生成と金属生成は別だと熱く語られてしまった。


「……サファイア、です」

「エメラルド」

「トパーズです……」

「ダイヤモンドだよ~」


ですよね。

五大宝石だろうと思ったわ。


「まあ、ここで会うようにデルちゃんが言ってたんでしょう?」

「はい。捕まると僕ら、確実に死ぬんで」

「カナト兄ちゃん、俺たちの中でも一番力が強かったから……」


あー、上が潰されたからその下は確実に巻き込まれる、っていう考え方か。

スポーツだったらそうじゃないと言ってやることができるが、どうにも魔術関係はその辺が魔力の絶対量と技術面を考えると、上を下が越えることはまずないといっていい。


「アウルムそんな強かったのか。カナトってあいつの名前?」

「あの人の通称です。僕らの代表格の人だったので、この名を使ってましたね」


そういやラーもアウルムのことカナトって呼ぶんだよな。


「俺らの種族、金人(かなびと)族とか、メタリカ族とか呼ばれるんです~」

「あー、それでカナト(金人)か。なるほど」


漢字文化圏だったんですかね。


「今回ここに来たのは、単純な話、カナトさんの監視のためなんです」

「アウルムを監視?」

「はい。もうわかっていらっしゃると思いますが、あの人は無茶をしやすい上に強力な力を持ってます。あなたの知らないところで絶対何かやってます。女将たちもそのきらいがあるので、女将たちに育てられたあの人は確実に何かしてます」


暗躍家かよ。

俺らのためなんだろーな……。


「あの人、生成できるってバレたら確実にとっ捕まって隷属させられる未来しかないんで」

「作らせるなってアレか」

「話聞いてるなら隠す必要ないですね。あの人、オーロなんだから金で止まってりゃいいのに、ミスリルもオリハルコンもヒヒイロカネも作れるんですよ。最初は隠してただけで、奴隷になったときとかにうっかりバレて使い潰されたことがあったので、それ以来警戒してるみたいですけど」


ヘビーな過去持ってんな畜生。


「その上も作るんよ」

「俺は何も聞かなかった!」

「ありがとうございます!」


一瞬でルビー君との間に友情が生まれた気がしたわ。

サファイア何抜かしとるんじゃ。俺は何も聞いてない。うん、聞いてない。

――デジャヴを感じる。


とにかく、それを作らせたくない――ミスリル、オリハルコン、ヒヒイロカネ、まさか全部あるのか。

上位世界は俺たちの知っているものはほとんどないらしいので、その上と呼ばれたものがおそらく彼らの世界のデフォルトだろう。

鉄の代替品がミスリルよりはるか上だと呆れを通り越して乾いた笑いが零れます。


宝石は普通のしかないそうだ。

恐らく、謎の関係で物理法則が働いたのだろう。

貴金属はイオン化しにくいので酸化物になったりはあまりしない。


ルビーを酸化アルミニウムの塊だと宣った俺の担当の地学教師……でも何となくわかる。要は、金はイオン化しにくいので別の形になって産出することはほぼない。

それは、どこの世界でも一緒なのだろう。


「で、俺は何をしてやればいいんだ?」

「僕らがこの身体のままで出てしまうと精霊だと即バレします。なので、身体をください」

「ああ、憑依人形か」


ロキに使ってる魔導人形(オートマタ)のことである。でもあれ軍事関連なんだよね。

軍事関連。

どこが作ってたかな。


―――ウチですね。

はい。


魔導人形はウチことフォンブラウとセーリス男爵家とカイゼル伯爵家の祖父の代が趣味の範囲でつつき回していたものらしい。


「いろんな機構がない方がいいです。僕らの容量だとぶっ壊れるので」

「魔力を流せるように回路を引いておいて、循環できる方がいいか?」

「はい。トパーズさんはちょっと出力が低いので機動力重視でお願いします」

「おう。他に注文は」


紙にメモを取っていく。未だに日本語で書いた方が早いってどうなのよ。

いや、俺スペル間違うから。早く書くし英語じゃないし無理ぽよ


「ダイヤモンドは熱と粉砕属性耐性をお願いします」

「炭素の塊ステータスでもつくのか」


燃えるのかよ。

流石炭素。


「エメラルドは風属性の魔術補助をお願いします」

「その辺は宝石魔術と変わらないのな」

「色と属性の相性は強烈ですからね」


元々俺たちも知っている宝石を使った魔術では、ルビーやガーネットは火属性を、サファイアやラピスラズリは水属性を、エメラルドやペリドット、翡翠は風属性を、トパーズやスモーキークォーツ、タイガーアイは土属性を、ムーンストーンやホワイトオニキスは光属性を、モリオンやブラックオニキスは闇属性を強化する傾向が強いとされている。


ちなみにアメジストは雷属性。アクアマリンは水の中でも氷と相性が良い。

透明な水晶はどの属性に使っても同じだという。


「お前は?」

「僕はとにかく耐火をお願いします」

「お前ももれなく火を噴くタイプか」

「カナトさんに言われたくない!」


よくわかったな!

アウルムも火を噴くタイプだそうである。

意味はよくわからないが、火属性魔術を扱うのが上手いということだと理解している。


「よし、んじゃこの調整をした人形が用意できたらまた会うってことになるのか?」

「あー、それなんですけど」

「?」


エメラルドが口を開いた。


「女将、俺らを帰す気ないぞ」

「「「ええーっ!?」」」


風属性だから空間魔術に属性範囲的には結構近い分、感知しやすかったんだろうな。


「でもここじゃ飯ないし、フォンブラウに来るか? 送るぞ?」

「……はい。お願いします」


ルビーがしばらく逡巡してからうなずいた。

ま、そのお前らを帰す気がないデルちゃんはフォンブラウ領に居るからな。会ってたっぷり文句言って来い。


こうして俺は上位世界の民と仲間になりました。


ルビーを酸化アルミニウムの塊だと宣ったのは私の高校3年の時の担任の地学の先生でした。ネタにしたくてどこかで使えないかなと思ってたらポンと湧いた。よきかな。


ここまで読んでくださりありがとうございました。


本日からリメイク版を投稿させていただきます。リメイクといいつつほとんど違う話になってしまってるのでこちらの話を気にせず読んでいただけると幸いです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ