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Imitation  作者: ヴィラノ・エンヴィオ
中等部1年生 前期編
57/154

第1王子の成人パーティ

お久しぶりです。

もう、修正せずに書いてるところまでポイポイする気になりました。

リメイク版の方がしっかり話を組めてきたので←

こちらは中等部3年くらいまでは行くと思います。


第1王子アル視点です


「アル兄上がもう成人か……」

「兄上、すぐに追いつきますからね」

「はは、待ってるよ、エリオ、カル」


私は弟たちと一緒に着替えて控室にいた。

私の目は黄色、髪は青である。

光と水の混じり、なのだが、混じったのがいけなかったのだろう。私は幼少期、目の色を青に変えさせられて過ごした。王族は、混じりものは嫌われる。嫌われるだけならばまだいいが、殺される可能性もあった。父上はそんな私の事を危ぶんで守ってくださった。


私の王位継承権は低い。それを恨んだことはない。

守ってもらったのだ、国のためにできることをしたい。


――しかし、パーティ最近多くないか?


「それ言ったら終わりです兄上」

「ザイセーナンって程でもねーんでしょ?」

「そうだけど。そうなんだけどね」


ここ最近魔物の中でも魔獣の発生率上がってるんだよう。

なんでかは分からない。

ほんのここ数年の話だ。

父上は、セーリス男爵が亡くなったことがかなりの痛手だと仰っていた。


たかが男爵と侮るなかれ。

セーリス男爵家は、辺境大公ドラクルと友好関係を結んでいた数少ない貴族の1つだったのだ。


転生者たちの持ってきた話によると、本来はバルフォット家が荒らされるはずだったという半年前のはぐれ死徒の件。

帝国側とはとりあえず交渉の結果、死徒を追い払ったという少年をこちら側に引き取り、ひとまず様子見。使えそうならば騎士科に入れて魔術と剣術等を学ばせ、帝国及び人類に敵対行動を見せている死徒列強への対抗手段として育てることが決定している。


死徒なんかと戦ったって何も得られないのに、得るのは列強の下にいる死徒たちの恨みだけだ。そんな虚しい結果を、想像できないわけではないだろうに、帝国内の教会が暴走を始めているらしい。

まったく、嫌な流れだ。


「では、我々は先に行きます」

「じゃーなーアル兄上ー」

「ああ」


まったく……それにしても、エリオ。

お前、とりあえず王位継承権第2位なんだけど……大丈夫?





最後の入場は私で、父上が堂々と声を張り上げて皆に私の成人を祝う言葉を聞かせ、私は恐縮してしまう。

才能があった、属性は運が悪かった、国のために働こうと思った、それで私が出来上がった。


私は年頃の令嬢のいる公爵家に降ろされることになるだろう。ソキサニスの令嬢などになるのではなかろうかと思っている。


公爵家と言えば。

私は周囲を見回し、銀色の髪を見つけた。

そして、目を見開いた。


銀髪の少年なんて、公爵家にはいないはずだ。

私の視線が彼に留まったのを見た父上もそちらを見て目を見開いていた。


銀髪とラズベリルの瞳。

髪は長めだが男子らしく後ろ髪以外しっかりと短く刈ってある。

だがあのカラーリングは、ロキ嬢ではなかったのか?

ロキ嬢がとうとうその色で変身して公の場に現れたのか?


カルがそれに気付いて話をしてくると言い、令嬢たちから逃げれて一石二鳥、なんてエリオが言った。


黒地に銀と青の刺繍の入った服は上品で美しく、その左胸にはスカーフ、その下に隠されているようにつけられているのは――死徒の庇護下にあることの証明。

前回会った時6つぐらいじゃなかったっけ。10個に見えるよ。


巻いているベルトに3つ下がっている。

カルが話しかけに行って動いたときに髪留めが見えた。

薄い白の手袋をはめていて分かり辛かったがその手首に2本のブレスレット。

片方に2本か、と思っていたが、両方に2本ずつらしく。


――計、18か。


死徒列強全てに会ったのか、彼は!

よく見れば、どうやらあの手袋、銀糸で刺繍が入っている。これ以上眺めているとあの庇護者の多さに頭がどうにかなりそうだ。


黒い髪の金目少年と目が合った。


ダ イ ジ ョ ウ ブ


彼は口の動きだけでそう言った。


エリオが私の側に寄ってきて、令嬢の猛攻に耐えられんと私の後ろに隠れてしまった。私は仕方なし、彼らから目を離し、令嬢たちの相手をすることになった。


さあ、うまく躱すスキルを発動するときだ。

目が遠い?

そんなことはないさ(´_ゝ`)


令嬢たちとのダンスは1回ずつのみ、躍っているとじきに、銀髪の彼と同じ曲で躍るタイミングができた。

ああそうだと思い立ち、ロゼ嬢が上手くこっちへ来てくれたので連戦を強行する。


「ロゼ嬢」

「はい、何でしょうアル殿下」


義務的に返してくるロゼ嬢、流石である。

私が聞きたいことも分かったうえで、こちらに来てくれたのだろう。カルが行けと言ったのかもしれないが、それでもありがたいことだ。


「私が聞きたいことは、もうご存知だと思うが」

「……ええ、銀髪の彼のことでしょう」


ロゼ嬢は少し表情を暗くした。


「……転生者の中で、何かあったんだね」

「……はい。私も今朝聞かされたばかりで、うまく整理はついておりません」


そう言いつつも、ロゼ嬢は教えてくれた。

要約すれば、こう。


ロキ嬢が、転生者だった。

ロキ嬢自身が、という意味で、我々に男装してみせていたのとは、別の人格の“ロキ”という少女が、居たのだという。


そして彼女は何度も人生を繰り返し、繰り返し、そして疲れ果て、“リョウ”だった彼に、この世界を全て託した。現在も彼の中に居座っているそうだ。


「――それは、また」

「私たちも、なんでリョウがあそこまで国のために動くのかよくわかってなかったんです。でも、はっきりとわかりましたわ――彼は、もう1人の影響を受けていたんですの。国を守りたい、家族も皆守りたいと願って走り続けたもう1人の思いを、どこかで受け継いでいたようです。先週、魔王と鉢合わせてから、死徒との会合を強行したらしいですわ」


驚愕の事実。

魔王と鉢合わせたって何だ、魔王は普通にこちらの国に出入りしてるのかと問えば、結構奴隷市なんぞに入り浸っているらしいと分かった。

奴隷を、買って、国民にしているそうである。


死徒への対策を練っている大臣たちに知らせねばならない事実等がゴロゴロ出てきた気がする。


「もう1人の魂に別の肉体を与え、自由に生きさせてあげたいと、彼は願っているようです。……それと、おそらく教会潰しに動くでしょう」


ダンスを終え、ロゼ嬢は去っていった。

……言葉に妙な間を感じたが。

フォンブラウ公爵だったら片手間に教会潰しそうだと思ってしまったのは俺だけじゃないはずだ。


恐らくさっきの話は、軍部で留められている魔導人形(オートマタ)の話だろう。

魂を付与して、操縦者なし、か。

せめてフォンブラウだけでも通せるようにした準備しておくか。


パーティの終了後、カルが戻ってきて紙を渡してきた。

内容は、フォンブラウ家の息子を紹介する、というもの。

なるほど。


令嬢で生まれながら、令息としての道を歩むことに決めたのだと。


銀髪の彼が、そう言った気がした。


もういいんだ言い訳しない←


読んでくださってありがとうございました

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