太陽少女は知ったのだ
お待たせしました。
ブクマ110件、もういい俺は生きるんだ……。
さあ、試験が終わった。レポートも終わった。だがお盆だから更新用のパソコンから離れなければならない。そんな学生。だからいっぱいポイしていきます。
ソル視点です
「やっほー、アルトリア様~!」
「ソル様、御機嫌よう」
私は今日、アルトリア様と一緒にギルドへ向かっている。
冒険者ギルドだ。
ロキは既に登録終わっているし、そもそも、今日はロキはもう実家に帰らねばならずその準備でバタバタしている。転移魔術ですぐ飛べるには飛べるが、そんなもの使えると知れたらカル殿下の傍に置かれること間違いなし。
放浪癖のある子だし、縛られるのは嫌かもね。
貴族は普通、表立ってギルドに顔は出さない。
けれど、せっかくイミドラの世界観でもあるのだから、何かジョブを考えておきたい、というのが私たちの考えだ。
そうすれば、少なくとも貴族の云々は関係ないのだ。
冒険者ギルドは自立をモットーとしている。貴族からの献金なんて受け取らないのだ。
王都、下町中央広場。
ここの正面にギルドはある。
私とアルトリア様が中央広場へ着いた時、そこにアウルムとセト様を見つけた。
「あらッ」
「お?」
アウルムと目が合った。セト様が気付いてこっちを見る。
「ソル嬢、それに、アルトリア」
「せ、セト様……」
あー、なぜこうなった。
アルトリアが顔真っ赤、アウルムと私は顔を見合わせて笑った。
「セト様もギルドに?」
「ああ、登録と、ついでに腕試しもできるらしい」
冒険者ギルドの登録者にもランクがある。金属で表す。ちなみに、造りは大きな建物だ。王都は、ね。他のところだと神殿だったり教会だったりの破棄されたものを借り受けているところもあるらしい。
今ロキは確か、黒鉄級。学校で授業を受けつつ依頼をこなしていることを考えるとアホみたいな昇格速度になる。
青銅級、黒鉄級、赤銅級、白銀級、黄金級、白金級、狼金級、霊銀級、緋金級と上がっていくのだ。
「行きましょう」
「だな」
4人で連れ立ってギルドに入る。右手に集会場的なモノ、左手に受付カウンター、奥に売店、売店の左にクエスト受注掲示板。
集会場には大人、髭面のおっさんたちが集まっていた。
「お? 新人か?」
「おい、あの黒髪のガキ、奴隷だ」
「やめとけ、アイツめっちゃつえーぞ」
アウルムめっちゃ有名みたいだなーと思ってアウルムを見やったら、私の視線に気づいてにかっと笑って見せた。
あーあー、魅力的な笑顔しちゃってもう。
顔が赤くなるかって?
なりません。
アウルムは誰にでもこの表情を見せるしね。いちいち反応するだけ無駄だ。
しかも彼、想い人いるそうじゃないですかぁ!
美味しいですよふふふふ腐( *´艸`)
受付カウンターへ向かうと、受付のおばちゃんがにっこりと笑いかけてくれた。
「おやおや、最近はちっちゃな新規参入者が多いねえ。シド、この子たちは?」
「俺の主人のダチっスよ。俺にも偏見なく接してくれる」
そうかい、とおばちゃんは言って、いきなり魔術をぶっぱしてきた。
まあ、足元の土が私の足を絡めとろうとしただけだったんだけど、焼いて砂にしてやったわ。
セトは一先ず避け、アルトリアは水で流したようだ。
「うんうん、この反応速度なら問題ないよ。いきなり悪いねえ」
「これが小手調べか……!」
「はい、ここに名前書いて」
差し出された紙とペンで名前を書いて渡すと、おや、とおばちゃんはちょっと目を見開いた。
「セーリス? セーリス男爵領の?」
「あ、はい」
「……そうかい……まだこんな小さかったんだねえ……」
おばちゃんはそう言ってちょっと笑い、すぐにタグを持って来た。青銅製だ。
「登録は完了だ。そこのドアから訓練場に行ける。そこであんたたちのランクを調べるよ。詳しいことはシドから聞きな」
「はい!」
「「ありがとうございます」」
私たちはアウルムがこっちだと言って案内してくれる後をついて行って、地下の訓練場へと入った。
♢
「お前らが新人か」
訓練場の中央では筋肉ゴリラの若々しいお兄さんが待っていた。見た感じ、片手剣だけ、魔術も多少は使えそう、強化とかに振ってる感じかしら。
「ソルです。よろしくお願いします」
「セトです。よろしくお願いします」
「アルトリアです。よろしくお願いします」
3人とも名乗ったら、小さくうなずかれて、向こうも名乗った。
「ギルド長のダイク。ロキとアウルム、あとハンジの知り合いだってな? 3人ともまとめてかかってきていいぞ」
「ロキにいつもお世話になってます。後、ロキが迷惑かけてないですか」
「そこは大丈夫だ、アイツいっつも男で来てっから」
あ、それならいっか。
セトとアルトリア様が驚いているが、アウルムの反応が普通なので、おそらく、ロキが自分の友人と紹介されたら口調を崩せと言っているのだろう、私にはありがたい。
「では、早速行かせていただきますね」
「おう、いつでもいいぞ」
私は現状、手ぶら。武装しているのはセトのみだ。セトも剣を構える。アルトリア様はすぐに下がる準備をした。
「始めっ」
アウルムの声で、セトと私は走り出す。私は白いブラウスととスカートにブーツのみなので、走りやすくはない。
でも、ね?
なめんな。
魔術、というのは、化学を理解していると多少は威力が上がるのだと、ラー……ラックゼートが教えてくれた。
転生者は総じて魔術の威力が高いらしい。ただし、それと同じ理由から、アストとアウルムだけは敵に回すなと言われた。そんなことを言うから敵に回るんですよと返したら、いいや、死徒は何より中毒を苦手としているので仕方あるまい、と返ってきた。
金属イオンによる中毒が一番痛いらしい。
金もイオン化したら中毒起こすって聞いたことあるなあ、くらいにしかその時は思わなかったけど。
ダイクさんの正面から切りかかるセトを、軽く盾で流して片手剣の腹で腹に一撃。セトは吹っ飛んだけれどすぐに体勢を立て直す。
私が近付けばそのまま盾でタックルをかまして来たので爆発を起こして上へ逃げた。腰に差されていたダガーがいきなり抜けてこっちに向かってきた。
魔力と気って何が違うんでしょうね。
違いなんてございません。
ロキ曰く、「“闘”属性の魔力」だそうだ。
で、簡単に言うと、誰でも扱える、人間という種族の保有属性の一種であるとのことだ。この辺の知識はセトナからのだけど。死徒は生まれついての死徒でない限り基本闘属性を持っているとのこと。
こんな感じの微妙な属性の魔力、大量にあるそうだ。
変化魔術が使えない人間はそもそも、変化属性を全く持っていないということ。
ロキは単純にそれが一個の属性として表に出るくらい強力だったってだけだもの。
魔術のコードを破壊するのは破壊属性。
皆やってる、ちょっとずつ持っている力。レジストもこれに近いんだよね、実は。
私は皮膚の硬質化と共に身体に炎を纏わせる。
蹴り飛ばそうとしたけどダイクさんも闘属性で身体強化したわね、炎が燃え移ってくれない。
「ほう?」
「ああん、残念です」
鎧の上までがっちり守りやがって!
すぐに体勢を立て直して突っ込んでくるセトに蒼い光がまとわりついている。どうやらアルトリア様が回復魔術を掛け、身体強化までやっているようだ。
光属性が回復のすべてだったら、平民たちガンガン死んでるって話である。水と風も少しは回復魔術がある。土属性然り。何故火には無いのだ。こんちくしょう。
セトとほぼ同時に殴り込んだのだけれど、セトに盾を、私に剣の切っ先を向けて来て、そのまま突っ込んで思いっきり肩を切られてしまった。セトの方は盾に顔面叩かれちゃってるし。
「わはははは! そんな勢い余って殺しに来なくてもいいだろ( ´∀` )」
「いっでぇ……」
「うわー、痛いよ~(´;ω;`)」
「きゃあああああ、セト様、ソル様ぁぁぁ!」
アルトリア様が慌てて私たちに回復魔術を使う。と、そこに、唐突に。
青い髪の竜人が現れた。
竜人とわかるのは、その角と尖った耳、竜の尻尾と翼による。槍で武装している。金色の目だ。
「よう、リオ」
「や」
「早速でわりーけど、ソルの方治してやってくれ」
「うん。ロキからも頼まれてるよ~」
「わりーな、リオ」
アウルムともダイクさんとも知り合いらしい。
あ、こいつがロキの言ってた“いつも見当たらないヤツ”か。
確かリオって呼んでた。
セトは顔を打っただけだけれど、私は出血多量だもんね。
リオというらしい彼は「リオだよ」とだけ自己紹介をして、ぱちんと指を鳴らした。それだけで私の傷口に淡い光が集まって傷を癒していった。
「貴族って感じの反応してるのはアルトリア、だったっけか。つーことは、ソルちゃんの方が転生者だな?」
「はい」
「えっ、ソル様転生者だったのですか!?」
「そうですよ~」
傷が完全に塞がったので着替えの服をアイテムボックスから取り出して着替え、会話に参加する。
「セト様は知っていらしたのですか?」
「ああ。でも、なんか、あんまバラすなって言われてな」
「だって情報の塊よ、転生者なんて。情報吐かされて終わりそう」
「その手の貴族は先にウチで潰したから平気だよ」
リオがさらっと物騒なことを言った気がするよ!!
「え、潰した?」
ギョッとしたセトがリオを見やった。アルトリア様も同じような感じだ。
アウルムが口を開いた。
「防音」
「はいよ」
いきなり防音魔術を使うとは、何を言う気かね。
あ、コレ魔術じゃねー魔法だわ。
あー、そういうことね。
息をするように魔法を使ったリオのことが、分かった。
「え、魔法……まさか、竜種ですか」
「ちーと違うぜ、アルトリア様。リオは」
間の取り方上手いな、と思いつつ。
「――闇精霊の長だ」
アルトリアはセトを見た。セトはリオを凝視している。そういえば、セトは闇属性も持っていたのだったか。
「……どう、しよ」
「やだなあ、13歳の子供を虐める趣味はないよ(´・ω・`)」
闇精霊の長と聞いて私はとっさに脳内検索を掛け、1つの名前に辿り着く。
ドルバロムだ。
こいつ確か、すっごい気紛れな竜だって話――竜って、竜人かよ!
イミドラにちょっと名前出るけど某カードゲームの御方並みの性能誇ってるよ!
てかアレより酷いよ!!
こいつの加護ついた時点で魔術全部効かなくなる謎チートだよ!?
どっから湧いたし!
「ソルの百面相に答えてやる。ドルバロムは闇っつっても、属性的には混沌だ。混沌の中に秩序が入ってるっつーワケで、この世界だと全属性だっけか」
「全属性!! 味方にいないのに敵につくんですね!」
「イミドラ2の主人公全属性だけどな」
私たちの話について来れなくなったアルトリア様がセトに寄り添っている。かわゆい。
それは置いておくとして。
「そんな4年後のことは後よ。ドルバロム、ね。あなたとアウルムって付き合い長いのかしら」
「アウルムのことなーんにも知らずに祝福したのが俺」
「おかげで余計人間に狙われてたんだがなんか弁明は?」
「ない」
「よろしいそこに正座だ、椅子にしてやるよ」
「いいよ~」
反応見てわかる、この人上手い、自分はMじゃないぜっていう主張をサラッとしている。
しかし、祝福を掛けれるのか。
上位世界の存在はこの世界の神よりなぜか絶大な力を持っている。理由は、文明的な力ではないからだろう。
純粋な、そこにあるモノそのものに宿っているようなレベルの方々である。
つまるところ、闇、と言い表すなら、強烈な光、光を反射するもの、この2つが揃っていなければ彼を退けることはできない。
闇なんて不確定的なモノで言うから分からないのだが、上位世界は光も闇も関係ない。すべての事象にそれを支配する者が宿っている。
終わり。
「……ねえ、ドルバロム」
「うん?」
「あなたに、師事することはできるかしら」
私はとあるイベントを思い出した。
今からやらなきゃ、今からやっても怪しいけど、これ以上遅くなったらもう確実に間に合わない。
「……どうしたの?」
「3年と半年後。私は瀕死の重傷を負うかもしれない」
「「!?」」
ドルバロムは目を細めた。上に乗っているアウルムもこっちを見ている。
「私は、少しでも自分の身を守る力が欲しい。だって、光属性の子はもっと怖い思いするし、学校にいるであろう火属性の生徒皆死ぬ可能性だってある。それを回避したい。今からでも遅すぎるくらいだわ。でも、力を貸してください」
私は頼み込むことにした。
ドルバロムは小さく笑って、うん、いいよと答えた。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました




