サロン
お久しぶりです。生きてます。
「さあ、サロン発表ですよ!!」
ソルの元気な声、俺たちは揃って中庭にいた。いい加減俺がこっちにから動かないから皆移動してきた。
そしていつの間にかセトとリヒトが婚約者連れてくるようになったんだよ。何があったし。
ああ、ちなみにアルトリアの方だが、彼女は結局俺たちの授業があってなおかつ自分は何もない日を頑張って訓練に当てているようだ。女の子なのに痣だらけになっているそうで、相手しているアウルムもどうかと思うが、真剣に男のサポートしたい女の子ってこう無茶するそうである。
下手に放置して自分のペースも分からず突っ走って死ぬより、分かっている奴が傍についている方が安全とのことだったので、俺もアウルムにアルトリアを任せていた。
サロン発表は校内誌でやってるので、それをわざわざソルたちが買って来たらしかった。
皆で覗き込む。
サロンは、一番上が王薔薇の間、次が桜の間、紅梅の間、白梅の間と花の名前になっている。これは中等部仕様で、高等部になると金属系になる。
王薔薇の間は王子とその側近たちとして有能な者を一緒に突っ込んでおいて仲良くさせるところである。
1年生の時点でこれが出るのはちょっと、と思わなくもないが。
本来はこれ、王族を含む、将来の重鎮が入るのが王薔薇の間である。
いつの間にシステム変わったのかは知らないが、今じゃすっかり“有能な”人材のみを入れるようになっている。
で、その王薔薇の間。
1年カル・ハード・リガルディア
1年セト・バルフォット
2年カーナス・クィンズ
2年セルヴォ・ナイア
3年スカジ・フォンブラウ
3年エミリオ・ソキサニス
「あー、別れた」
「まあ仕方なくね」
「リヒト様、姉上に負けたんですの」
「スカジ嬢がどれだけ強いか知ってる?」
リヒトドンマイ、知ってるよ、スカジ姉上に勝てる魔術師なんて死徒にしかいねーよ。よく知ってます。
桜の間、紅梅の間、白梅の間と見て、2年と3年で埋め尽くされていた。うん、まあそうだろうな。
鈴蘭の間、ここに俺たちの名前はあった。
1年ロキ・フォンブラウ
1年ロゼ・ロッティ
1年ゼロ・クラッフォン
1年シド・メタルカ
1年ソル・セーリス
1年クルミ・カイゼル
「見事に1年で固まったな」
「なんでまたこんな……」
「俺の首輪もあるんじゃね。流石にいくら身を守るためにやってるとはいえ、外見上は奴隷だし」
「なんでこうしないと守れねーんだよ。いっそ作るか、サイレン。俺たちの召喚魔術作ってさ」
アウルム、奴隷だからって入れないとこめっちゃ多いし。本人はあんまり気にしてないって言ってるが、こっちが嫌なんだよ!
見てるだけでも不快だからな。
鈴蘭の間はものすごく低い、一般、平民でも入っちゃえるんだぜ☆って感じの部屋なので、ここにロゼと俺を入れるのはかなり勇気が要ったはずだ。
そして、これだけ知り合いで固まってるのは、恐らくアウルムを守るためだ。アウルムへの暴言の数々、食堂で起こした問題も、最初の酸をぶっかけられたのがかなり効いてるらしく、上層部を悩ませたのかもしれない。
彼がもし、もしもだ、金属化が出来なかったら?
今頃ここにはデルちゃんたちが抗議という名を殺戮に来ていることだろう。
まあ、リオのせいでバレてるっぽいんだけどな。隠す?
無理無理、ここリオの腹の中らしいから無理だろ。
「まあ、いいんじゃないかしら。でも、ルナとエリスと別れちゃったのはかなり痛いわね」
「秋桜の間です~」
「私蒲公英の間だよ~」
コスモス、タンポポ。
こんな可愛らしい花の名ばかりだが、中には曼殊沙華もある。
まー皆盛大にばらけましたな。
しゃーない。
「まあ、招待とかもできるし、今はいいんじゃね」
「そうね、いろいろ考えるのは後にしましょ。これでやっとロキ様もゆっくりお食事ができますね」
「本当にね」
ちなみに、もう発表されはしたが、サロンの利用は後期に入ってからである。
前期終了!
大学形式なので式とかもそんなにないのである!
でも、パーティはあるのだ。
パーティかー。
ちなみに明日です。
「明日のパーティどうする」
「あー、うん、何も考えてなかったからドレス新調してない」
「やーい俺と同レベル」
「あー、お前らのドレスならもう頼んだぞ?」
「「――は?」」
俺とソルが低レベルの小突き合いをしだしたらアウルムが爆弾を投げてきた。
もう頼んだ?
どういうこと?
「待て、どういうことだ」
「フォンブラウ公爵から直接、2人はあまりドレスに関心がないので采配を振るえ、と」
「私も後押ししましてよ」
「ロゼ様の所為か!」
ロゼがアウルムのデザインセンス云々を聞き出して父上に言ったのだろう。
「今夜届くはずだ。でもまあ、先にアクセサリを選ぶってのも悪かぁねえだろ」
「よしお前が俺を令嬢にしたいってのはよくわかった。で、手前はどうなんだ」
「やだもーいわないで。タキシード用意されかけた俺の気持ちも察して」
「タキシードておま( ´∀` )」
父上、何かやらかした模様。
顔を覆って俯いたアウルムに俺たちは爆笑した。
タキシードか、白タキシードなんじゃね。チャラいし。
つかこいつマジで、着てる服によって雰囲気がガラッと変わる。
制服だと不良系だし(おそらく着崩すせいだろうが)、シャツ系を着ているとただのイケメンである。
ああ、こいつ結構顔は整っている。
もっと整ってる奴が傍に居たからあんまなんとも思ってなかった節はあったが、前世でもこんな顔してたな。
ちなみに、変化魔術でこいつの目の色を変えてやることもできるが、やらない。理由は、単純に、その目が綺麗だというのと、もう一つ。
こっちはつい最近精霊学を取っているリヒトから聞いた話(精霊学は2年からだ)だが、どうやら精霊は身体の一部を別のものに変えるというのをかなり嫌がるのだという。
だから結局目の色を変えるのは無しである。
夏休みの閉寮期間中は皆実家に帰るのだろうか。俺は実家に帰るぞ。
ちなみに、プルトス兄上たちも一緒に帰る。トールとコレーが待っている。
校内じゃまず会わねーんだよなー。学年棟が違うし。
プルトス兄上とフレイ兄上に関してはもはや高等部だし?
でもまあ、この前期終業パーティでは高等部も一緒に参加できるので。高等部の本番は夜会の方だったりする。
「んじゃ、かいさーん」
「ソル、アクセサリを買いに行きましょう」
「はい!」
俺はゼロとアウルムを伴って外へ出る。ソルもついてくるが、クルミ、エリスとルナとロゼもついて来る気のようだ。
「皆さんも一緒に行きますか?」
「ええ、ぜひ」
「お願いします」
「ついて行きたいです」
エリスちゃん何か最近タガ外れてきてないか。
「ではカル殿下、セト様、リヒト様、アレクセイ様、アルトリア、ターニャ、御機嫌よう。また明日のパーティでお会いしましょう」
ターニャ、というのがリヒトの婚約者である。
婚約者というか、成った。
ただ好きだっただけのはずだが、いつの間にかそんなに距離を詰めていた。
♢
「ターニャはなんであんなにリヒトと距離が近いんだ?」
「偶然私がリヒト様とお話しする機会があって、そこをターニャ様に見られまして。誤解は解いたのですが、その後猛烈にアタックをしかけられ始めましたので見守らせていただきました」
あ、リヒトルートは嫌だったのか、エリス。
まあ、潔癖だしな、あれ。
品行方正極めて将来潔癖症になるんだよ、アイツ。
だからちょっと付き合いにくい。
スケジュールガチガチってタイプじゃないから遊ぶ時間くらいは割いてもらえると思うが。まあ、ターニャ、ガンバ。今度花冠を作ってよちよちしてあげよう。
ターニャはヤンデレ乙女なのである。
つまり、ライバルになったときヒロインは精神も肉体的にもがりがり削られる。まあ、あれは……ないな。うん、ない。
ヒロインたちが転生者でよかった、皆リヒトには興味ないっぽいし。
俺が目をつけられてんだけどな、魔物学的な意味合いで。
三人称視点のImitationを書き始めました。溜まってきたら投稿しますたぶん。
こちらのはなしは消しませんが、こちらをベースにもっとしっかり世界観組んでから書こうと思いました……。
まだ大丈夫ですよ、200話くらい溜まってるんで←




