魔物の独白Ⅰ
魔物たちから見たロキたちについてパート1
閑話はかけないけど練習を兼ねて。
精進します。
スー(ロキのスレイプニル)視点
我が主人の名は、ロキ、である。
女だったようだが、今はほとんど男として過ごしている。
学校、とやらに来てからはそれが顕著である。
家、では、女のままでも服を動きやすいものに変えて動き回っていたため、あの銀髪が翻っていることも多かった。
学校では、明らかに男の姿でいることが増えた。
それでもマナーだ何だと人間がとやかく言うことに関しては完璧である。非の打ち所の無い素晴らしい令嬢というものになった。
我々にもよく構ってくれる。
最近ぽこじゃか湧いたが、ミィとナイトと呼ばれるエンシェントミミックドラゴンとヨルムンガンドはまだまだ甘えたさんなようである。
隣の仕切りの中にいる白い鳥はハク。エレメントのメイ、ゴールドドラゴン幼体のコンゴウはアウルム殿によって孵された卵から生じたメンツである。
彼らはいずれも高い能力を誇っている。私も彼に孵されたかった。そうすればきっともっと私はよくロキの役に立つことができるに違いない。
将来は軍馬になるんだぞお前、と言いつつもそれといった躾をするわけでもなく、ロキは私を子供のように扱っていた対応を改め、対等に見てくれるようになった。
また、同じ仕切りの中にどっちが頭か尻尾かわからない蛇がやってきた。アンフィスバエナのアンフィという。
いつも眠そうにしている、というか動かない。
我々が人間の言葉を理解していないと考える人間がいるが、それは誤りである。
確かに人間の言葉を話すことはできないが、理解することはできる。
魔物は低能?
そんなわけあるか。
低能だったら魔法なぞ使わんよ。
我々が使うのは魔術ではない。魔法である。
人間の魔術なぞ一撃で吹き飛ばすくらい、強力なものだ。
人間はそれをよくわかっていない。
人間は魔物よりも強い?
何をそんな戯言を!
人間に言いたい文句は山ほどある。
ロキとて私たちの言いたいことをすべて把握しているわけではない。それでもほぼすべてを理解してくれるのであるから、話せないままでもいいのかもしれないとは思う。
アンフィスバエナが姿を現したのは久しい、らしい。ロキやソルの許可を取って人間たちが我々の邪魔にならないようにと配慮しつつ私たちを調べていた。
ロキは私を馬の範疇に入れているが、グリフォンなんぞに後れは取らん。並べてもらって構わない。
轡を着けさせようとしないのが気になるがな?
裸馬乗りにくいって言ってたの知ってるんだぞ?
さあ鞍でも何でも乗っけるがいい。
ああそういえば、ここの人間たちというのは非常に皆残念な存在であることに気付いた。
これはロキたちにも言えることで、彼らはどうやら精霊たちが見えていないようだ。
召喚なんぞは、本当に最上位の、上位世界に引っ込んでいる存在を引き出すためにやる事である。
それを最初からさせたあのデルちゃんとかいう偽名を使う御方。
あの方そのものが神ではないか!
ああもちろん、アストと名乗っている方も神だ!
それを言ってしまうなら、アウルム。
彼とて神の端くれではないか。かなり力を制限しているようだが、その中途半端なラインで半精霊の肉体を獲得するというのは、何とも言えない微妙なラインである。
我ら魔物はそも、上位世界での生存競争の敗者である。
それを私が知っている原因だが、これは、魔物には同種の者同士で独自のネットワークを持っていることに起因する。
上位世界と下位世界、たったそれだけで圧倒的な差が、壁が、存在しているのだ。
それはきっと、氷の怪鳥の作り出す氷河よりもずっと分厚いものなのだ!
下位世界に出るだけで、こんなにも我々は優位に立つことができる。いかに上位世界が強者揃いかが分かるというもの。
で、話を戻すと、その辺に遍在する精霊が見える者が少ない。
アウルム殿は見えているようだが、基本無視している。光の精霊がやたらと多いので、私には眩しい。
魔物もそれぞれ属性を持っているが、私もナイトも闇である。
ロキは全ての属性を扱うことができるため、我々の属性は恐らくロキの名を彼に与えた、ロキ神の属性によるところが大きいと思われる。
闇属性に光属性は非常に眩しいうえに、相容れない存在である。しかし、アウルム殿には撫でられに行きたくなるもので。
みわくのおひさま、とミィが紡いでいたので、おそらくそういうことなのだろう。人間にはたまにいるものだ、光に愛されながら、闇を愛するものが。
太陽は闇を追いかけ、月は太陽に寄り添い、闇は月を包み込む。
ソルとルナと呼ばれる太陽と月を表す名を冠された者よりも太陽らしい者がいるとは何事か。
ぼんやりとそんなことを考えながら待っていれば、今日も今日とて主たちが姿を現す。
「モフりに来たぞ」
「アンフィ、いい子にしてた?」
皆一緒か、モフるがよい。
ロキにすり寄っていけばミィとナイトもロキに寄っていく。
ルナはアルミラージを、エリスはコボルトを孵したので、モフっている。
久しぶりにまた平島へ行こう、と言われ、促されて宿舎を出る。
グリフォンの一件以来、平島には皆近付いていなかった。
久しぶりに走れる。
楽しみにしているのがロキにはすぐにばれ、ロキを乗せて走る許可をもらったのだった。
馬ってモフれるのか、というツッコミは……( ^ω^)
自分が一番それは疑問に思ってます←




