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Imitation  作者: ヴィラノ・エンヴィオ
中等部1年生 前期編
37/154

食堂

後半展開が早いのは御愛嬌です(´・ω・`)

「――キャウ」


嬉しそうに鳴いた、金色のそれ。ドラゴンの卵だったんか。

そんな感想を抱きつつ立ち上がった。

ったく、魔力を収束、爆散させて俺を壁に叩き付けるとはいい度胸じゃねーかコノヤロウ。


「なんでお前いきなりこの形で出てきたんだよ……」


アウルムが腕の中の小さな幼竜を撫でる。


「きゅぅ」

「ん? ああ、それでか」


アウルムが俺の方へやってきた。


「お前のそれ(・・)が怖かったんだと」

「……あー。そういうことか。うわ、でも生まれたてに吹っ飛ばされる私っていったい?」


どういうこっちゃ、って目で俺たちを見る周りの人間に分かりやすく説明する。


「私が外見と精神が異なる転生者であることを感じ取って、不安がったようですね。それに、不用意に近付いてしまった私が悪かったのです」


俺は苦笑するほかない。たぶん今のでこのクラスの人たちには俺が男であることが伝わった。だがまあ、それならわかる、という人もいるだろう。


「ハインドフット教授」

「はい、何でしょう」

「次回から、青紫の髪をした男子の姿で来ます。よろしくお願いします」

「うん、わかったよ。そうだね、この話をして終わろうか」


ハインドフット教授は苦笑して言った。


「誠実な言葉を紡がない者、己を偽る者に、魔物は懐かないよ。では、本日の講義はこれにて終了!」


散々でしたわコノヤロウ。

その後、音を聞きつけた教授たちが慌てて入ってきて、俺たちの状況を見て、それをやったのがまだ卵から孵ったばかりのドラゴンと知ると、研究したいと騒ぎ出し、思いっきりブレスを吐かれて大騒ぎしていたのはまた別の話。





「増えちゃったな~」

「6匹まで一緒にいられるんでしょ?」

「ベストな数が6ってだけで、もっと持てるには持てるらしいけどな」


まじでポケッ(ry


俺は男子の姿でその後を過ごした。とは言っても、名前自体はロキで出している。

ソルとアレクセイは席が隣だったようで、ソルがほくほく顔だったので理由を聞いたら、今度食事に誘うことができたそうである。


「皆で一緒にお食事会よ!」

「流石にいきなり個人を誘ったりはしなかったか」

「恐れ多いわ!」

「アレクセイ、侯爵家だもんな」


アレクセイは三男だから分家する可能性もなくはないがね。

まあ、シリーズのどっかで出てくる攻略対象さんらしいのでソル頑張れとしか。


「さてと。この後どうする?」

「どうすっかなー」


現在大体12時。現在食堂へ向かっているところだ。

食事を終えたらひとまず、散歩に行こうかな。


「アウルムはどうしたい?」

「んー、俺はとりあえず、散歩かね」

「はっはー、俺も同じこと考えてた」

「スーと一緒にすんな」


スーは駿馬である。つまり一緒にお散歩なんぞできんと言われてるわけだ。


「まあまあ、俺だってスーに乗ろうとは思ってねえ。放して俺たちは俺たちのペースでいけばいいだろ」


この学校の私有地に、浮島がある。

浮島というのは、そのまま、宙に浮いた島である。転移魔術のコードが設置されているので、それで転移を行う。


その浮島は4つあるんだが、闘技場に使われているのが“舞島”。元は祭壇だったらしい。剣舞を奉納していたことから、舞島の名になっている。舞島は2つあり、白舞島と黒舞島である。


神殿跡の在る“祈り島”。神殿があったから、というのがでかいようだが、精霊が頻繁に出没するらしい。


そして最後に“平島”、平原が広がって見えることから付いた名前だ。俺たちが行きたいのはここ。ここならきっとスーでもそう落ちないだろう。


スーはまだ小さい。80センチくらいである。

かなり小さい方の品種の馬がこれくらいだった気がするが、俺を今乗せるのはちょっと、きついかも知れない。


俺もう150センチあるしね。

いや、女の方で。

男の方もまだ155センチだけどさ。この調整できねーんだよなー。本当はできるらしいけれど、たぶん身体の練度も魔術の練度も足りないのだろう。

もっときっちりやれるようにならねーと。


と、考え事してる間に食堂についてしまった。


「アウルム、そいつどうすんの」

「やっぱり食堂に入れちゃ駄目かァ?」

「駄目じゃね?」

「でもこいつさっき孵ったばっかで絶対腹減ってるって」

「想像に難くないけど、中の人に聞いてくるか」

「私行ってくるわね」

「頼む」


ソルが行ってくれたのでしばらく待つ。


「いいけど、何も壊さないでねって」

「よし」

「大人しくしてろよ~」

「カウ」


金色の身体のこのドラゴンの幼生は、いわゆる生まれつき“カイザー”の称号持ちらしい。

カイザーで思い出したけど、竜帝の一派じゃねこいつ。


食堂に入って、大人しく人気のない席へ詰めて座る。

ルナとエリスは少し遅れてやってきた。俺たちはゼロも居るから4人、2人も合わせて6人で食事である。女子3、男子3で別れるからちょうどいい。


「これなんですか」

「お会計。混んでるときは、ギルド印章とか持ってるとそっちで支払いできるの」

「へー」


メニュー表の横に立っている水晶の置物を指してエリスが問えば、ソルが答える、

エリスは学校のシステムあんまり知らないもんなー。

ゼロがすっかり金ぴか子ドラにメロメロになっている。妹を甘やかす兄かお前は。


「基本的には、オーダーして取りに行くんだよ。一緒に行こうか」

「うん!」

「お前らオーダーなんぞー」


「カルボナーラで」

「チキンドリア」

「ハンバーグ」

「ネギトロ丼」

「日替わり定食と、チキンステーキ」


おチビにもあげるんやね……。

ソルとエリスが席を立ったので、俺はお冷を取ってくることにする。妙に日本のファミレス臭がする。


人数分お冷を取ってきて、そのころには注文を終えたソルとエリスが戻ってきていた。


「ありがと、ロキ」

「いえいえ」


コップ7つ、皿を1枚借りて来て水をそこに移してやる。

まだ身体のサイズが20センチ強ぐらいしかないので。


「きゅぅ」


あ、アウルムが手を離したら不機嫌になった。


「喉乾いてるだろ? 俺が抱えてるとお前も飲みにくい。ついでに俺も飯が食えない」

「ぎゅぅぅぅぅ」

「飯が終わったらまた抱っこしてやっから、ちょっと待ってろ」

「……すん」


泣いたがな!


「ママン力やベー」

「女子顔負けの母性」

「あふれ出る母性……!」

「聖母……!」

「よし転生者一同其処に並べ(#^ω^)」


その内、できたよ、のベルが鳴ったのでゼロとルナがとりに行った。どう考えてもアウルムが動くとおチビも動くから彼は動くに動けないのだ。


「わりーな」

「気にするな」

「ありがと、ルナ」

「どういたしまして」


ところでここのメニューには何故ラーメンがない? という下らない談笑に至っていたのは俺とアウルムである。


「「「いただきまーす」」」


いいね、日本人って。イミットが混じってる?

気にすんな、そいつは日本人じみた何かだ。


ちなみにおチビは俺たちが手を合わせたのを見てそのちっちゃな手を合わせてがうがう言ってた。可愛い。癒し要員かよ。


ああちなみにクルミだが、あれは上流階級の御方なので、女の姿のロキがいない時は単独行動になってしまう。仕方ないよねー。


とか言いつつクルミに連絡を取った。


「もしー」


リンクストーンが胡桃色になった。別の色混じってる。


『もしー。皆居るの?』

「ああ。今どこ?」

『日当たりの一番いいとこ、セト様と座ってるよ』


あ、だから胡桃色の間に翠と黒が混じってんのか。


「そっち2人か?」

『うん。どうしたの?』

「俺ら午後講義無いんだよ。散歩行こうと思ってんだけど」

『散歩? どこに?』

「平島に。スーたちに散歩させてやりたいし」

『わかったー。行くー』


はいセトまで巻き込んだー。


つか、よく考えてみりゃカルも誘ったがいいのか?

アウルムを見ると、ニヤリとアウルムは笑った。

あ、こいつ自分から声掛けに行く気だわ。度胸あるよホントに。

仕方ねー。あ、ロゼにはまだリンクストーン渡してねーんだった、俺の馬鹿。

俺が行くしかないな。


そこからごちゃごちゃと談笑をしつつ飯を食い始め、おチビの名前が決まった。


「金色だし、金剛でどう?」

「ダイヤモンドかよ( ´∀` )」

「ダイヤモンドはダイヤモンドで別にいそうだけどなぁ」

「戦艦かよと言おうとしたぞ俺は」

「戦艦(笑)」


というわけで、おチビの名前はコンゴウになった。


「ちょっとお冷とって来るね」

「おう」

「気を付けてねー」


エリスが自分のとコンゴウのためのコップを手に給水コーナーに向かった。

コンゴウはまたアウルムの腕の中に抱かれて心地好さげである。

俺の手もちゃんと受け入れてくれるようになったのでうれしい限りだ。


「こいつらって、自分の術を受けきったやつしか認めないらしいな」

「マジか」

「たぶん、メイの時もハクの時も、ロキはたぶん攻撃受けてるぞ。全部レジストしただけだろ」

「だから物理が入ってたコンゴウの時だけ俺自身やたら敏感になってたのか」


くるー、と心地好さげに鳴いて目を細めているコンゴウが可愛いです。

ああ、スーとミィを早く撫で繰り回したい。


きゃ、と小さな声を俺は拾った。


「!?」


そっちを見たら、何か既視感がある光景が広がっていた。


「平民上がり風情が、調子に乗るんじゃないわよ」


そう吐き捨てて、御令嬢がどっかへ行った。

呆然としているエリス。髪から雫が垂れている。水を、掛けられたのだろうか。


いやー、今のはいかんわ。悪役令嬢が湧いたぞ。


「悪役令嬢ポップアウト~」

「あれ、カンディオ子爵の令嬢だ」


ソルは知っている相手だったようだ。俺たちはエリスのところへ寄った。


「大丈夫?」

「あ、はい、水がかかっただけなので」


俺はアイテムボックスからタオルを取り出してエリスに掛けてやる。と、先ほど消えたと思った令嬢が、誰かに詰め寄られているのが見えた。

青色の髪。


「あー」

「どした?」

「エリス、お前リヒトに会ったな」

「えっ」


なんでわかったんですか、と聞かれて、俺はソルと顔を見合わせた。


「これ、リヒトの奥さんとの思い出話回想にあったシーンだからさ」


あーあ、エリス頑張れ、あの品行方正に俺はついて行けない。

せいぜい他のキャラ――悪役令嬢辺りに押し付けるのを応援しておくよ。


感想、誤字脱字の指摘等お待ちしています。

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