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Imitation  作者: ヴィラノ・エンヴィオ
幼少期編
28/154

召喚

本日2度目の投稿です

「よし、できた!」

「おめー」

「おめっとさーん」


デルちゃんとアウルムが声を掛けてきた。

俺が作っていたのは転移術式を刻んだ魔石だ。

防犯アイテムの一種でもある。


めっちゃ小型にできたので、これでアウルムにとってもあんまり邪魔にならないものにできたはずだ。


「おー、また細々と術式を刻んだな」

「頑張ったからな!」

「アストなら一瞬でやるけど」

「そういう種族と一緒にすんなよ!」


アストとデルちゃんについて分かった新情報。

まず、やはり上位世界の住人だったこと。

そしてその中でも、鉱物の加工を自在に扱うのがアスト。


デルちゃんに至ってはよくわからんらしい。自分でもよくわからんと言っていた。転生って繰り返したら1人でキメラになるもんなんだねえと爆弾発言を漏らしたところで発覚した。


デルちゃんとアウルムは同じ境遇にあったそうで、アウルムの方が後輩だとか。だからアウルムの補助になるようにいろいろとサポートをしているらしい。


転生を繰り返すといろんな力が身に付くもので、金属加工、生産系の種族――つまりファンタジー世界の住人――だったアウルムは、魔法も扱えるし運動神経もいい、商人としても戦闘員としても料理人としてもやっていける。チートですか。


だが、チートというのは彼の出自のことを言うのだそうである。


彼が明かしてくれた秘密。

それは、彼自身が金鉱脈である、という話だった。


彼は金を生成できるのだという。

元素から。

錬金術を体内でいっつもやってるような種族だったことと、半精霊であることから、今の肉体でも同じようなことができるのだとか。


ただ、それが原因で一番最初の人生では、人間に囚われて使い潰されたそうである。

この話は聞かなかったことにすると言ったら、ありがとう、と言われた。


笑い話のように語ったけれど、やっぱり怖かったのだろう。

でも、必要な時には言えと念を押された。


金は、宝石との組み合わせによってはかなりの魔術媒体として使える代物になる。

ただしこれは、純金の話である。

しかも一撃で粉砕するような強烈なモノの話。

つまり、一度使っちまうともうそれは使えない。


それを生成できる奴が手元にいる。

それがどれほどの脅威になるか。


なんか、大変だなって思った。

あんまり頼られると困る、けれどそれしか能がないので頼ってもらえなくなるのは嫌だ。

そんな感じの言葉を含んでいる気がする。


だから、いつでも助けに行けるようにこの術石を作った。

困ってる友達を助けるのは当然だと思っている自分はまだ、ここに居た。


「しかし、スズの姿にも見慣れちまったな。ロキ人形作っとけよ」

「え、俺意識二分できねーよ」


デルちゃんの言葉にそう返すと、それはそれ、と返ってきた。


「何事も慣れだ。それとも、精霊契約してみるか」

「は?」

「お前が精霊を育てるんだよ。お前ならこう行動する、お前ならこう考える、ってのを全部叩き込んで、2人のロキ・フォンブラウを作り上げる」

「はァ!?」


デルちゃんの言葉にそれいいな、と返したのはアウルムだった。


「え、どこがいいんだよ」

「人形と言っても、そこそこ力のある精霊を呼べば、実体化もできるしな」

「姿なんざいくらでも変えられる。オススメはウォルだな」


紹介までされても困る!

そして俺の問いに答えてくれない!


「まあ、要するに、スズとロキ、一緒にいてもおかしくない2人が必ずバラバラだったらどう思う? しかも、片方は名前があってないような者」


不審には思うだろうが、うん、上の人たちに話通しときゃ何とかなるとか思ってた俺がバカでした。


「死徒のバッジを6つ付けたやつがいるとか」

「う」

「でも、精霊には付けさせんなよ、なんで下位の存在の身分証なんてつけなきゃならんのって反発すること間違いなしだから」

「お、おう」


そんなこんなで結局流されて、俺はそのまま精霊召喚をさせられることになった。

ちなみに現在アウルムはエレメントの卵を抱えている。

結構大きくなっているので、そろそろ孵る頃だろう。


エレメントの卵は土属性を持っていないと触れることができないのが普通だそうで、それ以外だとエレメントの属性をすべて持っていないと触れることができないそうだ。

エレメントの親は卵の殻を魔力を練り上げて組み上げ、子を守る。


さて、精霊召喚には本来相当な魔力量と、媒体が必要になる。

しかし今回は媒体を使わない。

いや、使うには使うのだが。


随分と大規模なものを使うのだなと思っていたが、水晶まで一緒に浮かべだしたのでさらに驚いてしまった。


「ちょ、デル介おま」

「デル介って( ´∀` )」

「いやこの状況説明しろー!」


家の皆がなんぞなんぞって集まってくる始末である。


「精霊の階層を上げてんだよ。これで上位クラスのやつ以上しか来ない」


デルちゃんはそう言って最後に黒い水晶を浮かべた。コードが一気に光を放った。

俺は何の文言も唱えちゃいない。


「!?」

「お、近くに居たみてーだな」

「どういう……!」

「来たぞ!」


もうわけわからん。

光が収まって、ふわりとそこに降り立った影。


「……きゅ」

「あ、ああ……」


これ、なんぞ。

まるで雪玉だ。雪玉が2つくっついたものが大きな目でこっちを見ているぞ。


「誰がドラゴンよべっつった」

「これドラゴンかよ」

「次、親が来るぞ」

「親ッ!?」


「卵から孵ったばっかの子が召喚されたら流石に追っかけるだろ」

「うん、そんなことだと思った!」


よちよちとドラゴンの幼生が俺に向かって歩いてくる。あ、可愛い、ほっこりするわ。

直後、閃光と共にコードを叩き潰してでっかいドラゴンが現れた。


「……げー、エンシェントミミックだわこいつ」

「古代竜種エンシェントドラゴンとか聞こえましたが今!?」

「そう言った」


デルちゃんがうげ、というような表情するからそんな表情せずにとっとと帰ってもらおうと思う。


親の身体は、鈍色だった。

姿ははっきりしたドラゴン形態だ。細身だが。なんであんなコロッとしたものがこんなにスレンダーに?


「ミミックっつったよな? 化けるのか?」

「お前の魔力に反応してんだからそんくらい察しろ」


俺ににじり寄ってくる幼竜に視線を向けると動きを止めた。ピタッと動かずそのまま。


しかし、魔物と精霊ってホントあんま変わらないもののようである。圧倒的に上位の存在が精霊なのだが。


可愛かったがそのまま視線を外し、親の方を見た。うちの子返してと言わんばかりに怒りの視線で俺を睨んでいらっしゃる。


「なんでまた俺、こんな睨まれてんのかね」

「お前がそこから動かないからだろ」

「後ずさればいいのか」

「そうそう」


俺は後ろに少し下がる。


「くーん」

「「「!!!???」」」


ドラゴンまで驚いた顔してる。


「ちょ、寄ってきた」

「あ、跳ぶぞ」

「跳ぶ!?」


俺が逃げると思ったのか、コロッとしたドラゴンの幼生は俺に跳びついてきた。

避けようとして、足首をひねった。


「い゛っ!」

「きゅー!」


そのまま跳びつかれてバランスを崩して倒れた。


「ロキ!」

「あー、捕まっちまったな」


デルちゃんが息を吐いて、ドラゴンに近付いて行った。


「わりーな、お前の子、貰っていいかい」


その間俺は腕の中に跳びこんできた幼竜を抱きかかえて息を吐いていた。


頭の中に浮かんでいたのはスーパーマリオサンシャインのキャンキャンでした。

あのお尻可愛い。


読んでくださりありがとうございます。

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