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Imitation  作者: ヴィラノ・エンヴィオ
幼少期編
15/154

傭兵と空間の神(笑)

今回出てくるキャラたちは、いろんな別名を持ってます。

――他の連載にも顔出してますが大陸も時代も違うので関係ないです!(笑)

剣術の訓練をやっていたら、父に呼び出された。


「はい、なんですか」


庭に降りて来いとのことだったので庭に降りていったら、そこには、青い髪と金色の目の少年と、赤毛、翠の目の少女が立っていた。


「?」

「マジで銀髪だな」

「ん」


口を先に開いたのは赤毛で、その手には大鎌があった。

父が口を開いた。


「ロキ、彼らは傭兵だ。錬金術や魔術に明るい。私が会った仲でも最も信用できる腕前の持ち主だ」


ああ、なるほど。そういうことね。

先日のお茶会の後、それぞれの領地に傭兵をしばらく留め置くことが決まったらしい。ウチはその代表がこの2人であるとのことだ。


ちなみに俺から見た感想。

こいつら人間じゃないわ。


どっちも外見上は人間なんですけどね。

どっちも精霊とか神とかその辺だって、その辺に決まってるわって断言できるぞ。


「アストって呼んでくれ。専門は錬金術と大地魔法、金属魔法だ」

「デルちゃんとでも呼んでおくれ。風魔法、死魔法、病魔法と薬剤合成が専門だ」

「戦争でもする気ですかね?」

「「おっ、博識~」」


この傭兵2人、魔法と言ってるあたり絶対人間じゃないって俺が気付いてるのわかってて言ってやがるな!


「ロキ・フォンブラウと申します。よろしくお願いしますね、アスト殿、デルちゃん」

「アストでいいぞ、ロキ様」

「では、アスト。私のことも、ロキと呼んでください」


これから2人を客間へ連れていくらしい。父が2人に声を掛けて出ていった。


「……お前転生者だろう、ロキ」

「ええ、そうですが」

「……俺たちの正体はそこの竜人に聞きな」


デルちゃんとアストが示したところには誰もいなかったが、どうやらそこに誰かがいるらしい。俺は2人を見送ってからそこに視線を向けた。


「出て来い、竜人とやら」


声を掛けると、そこに、金目、青い髪、そして気色悪いくらい白い肌の少年が立っていた。こちらは槍で武装している。


「はぁい、竜人でーす」

「アンタどっから入った?」

「んー、君が生まれたときからいると言えば、そう。でも今姿を現したのが初めてだから、今さっき入って来たともいうね?」


俺の事はとりあえず、リオって呼んでよ。

そう言った竜人は、尖った耳、光を反射しない漆黒の角を持っていて、黒地に白いラインのコートを着込んでいた。


「お前の立ち位置って何? 種族とかあんの?」

「種族は難しいなあ。この世界に俺たちの種族の概念はないから」


つまり、この世界のモノではない可能性。


「で、お前一体何者? 竜ってドラゴンと違うのか」

「竜って言っても身体が長いから竜って呼ばれただけっぽいしなー。俺、アスティ……アストと神格的にはほぼ同じだし」

「なら最初から神って言えよ!」


本人は、かなり長い、この家の領地よりももっと巨大な身体を持っているそうだ。そして彼らの特徴は、空間のどこにでも偏在するということ。

彼らのいる場所には空間ができるそうだ。


「空間の神様とか?」

「それ俺の親父」

「マジか」

「母さんも俺も同じ神格(ちから)持ってるけど、その大本が親父だから神を名乗ってるのは親父だけだなー」


友達も皆空間の神やで。

そんなこと言うリオに俺は何も言えなくなった。

こいつの身体と空間に境界線を見いだせなくなったからだ。


「……ホントなのかもな」

「信じようと信じまいと、俺たちはここに居るしね。あ、それと」


俺たち、魔法なんて効かないから俺たちが前に出たとしても全然撃っていいからね。


ちょっとどえらい爆弾を投下された俺は、その日の夕食の時間までずっとこの言葉を正しく理解するため自室に籠ったのだった。





空間の神様とやらと話をしたいと言ってみると、存外簡単にリオが夢の中で会わせてくれた。


「話したいことがあったのだろう?」

「あ、はい」


声しかしないが、真っ暗な空間の中に蝋燭がいっぱい立っていて、暗い空間をオレンジ色に照らしている。


「要件は?」

「アンタらって、一体どこに居るんだ?」


俺たちは神なんて見たことないよ、と言ってやると、当然だと空間の神様は言った。


「そもそも、そこにあるモノに宿るものが神だと、君たちは考えてきただろう。人間だって小さな神様だ」


八百万ってやつらしい。

理解などできないが、世界がどうとかは学者に任せよう。


「……魔法に不可能ってあるか?」

「ないとも。ないよ。限界はあるが、不可能はない」


それが聞けたら、もういいやって気になった。

アイテムボックスというか、アイテムを入れておく収納ポーチを部屋にするという計画を立てている俺には、その言葉が聞ければ十分だった。

工房をいつでも持ち歩く。最高じゃね?


「なかなか面白いことを考える」

「実現不可能って言われなくてよかった。んじゃ、俺の用事はそんだけだよ」


「……私たちの力を、借りようとはしないのだな。珍しいことだ」

「は? あー」


空間の神様の言葉に、教会を思い浮かべてなるほどなと思った。

恐らく、こうして姿を現せばすぐに縋りついてくる輩が多かったのだろう。


「別に。だってあんたらは神様だろ。世界を回してんのは神様じゃねえよ」

「……ああ、まったくだ」


ろうそくの火が消えたら俺は静かに目を閉じる。俺は翌日目を覚ますまで、深く眠ることになった。


空間の神

通称アイテムボックスの神(笑)。上位世界の竜人種である。アイテムボックスはおろか空間属性の付与剝奪の力も持っているので、気に入らない人間は空間属性を持っていても失う可能性がある。

――が、普通は特に興味ないので与奪権を行使することはほぼない。

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