お茶会
気付いたらブクマが50件超えてたΣ(・ω・ノ)ノ!
ありがとうございます。
キャラ名だけめっちゃ出てきます。
お楽しみください。
第2王子主催のお茶会にやってきたぜ!
今日の俺は令嬢姿だ。
カルにしろその弟のエリオにしろ、騎士団団長子息のセトにしろ、本日は参加である。
俺は令嬢枠。カルの虫除け役になってくれという切実な隠し手紙付きだった招待状を思い出すと笑ってしまう。
茶会の席だというのに本日は親プラス使用人付き、しかもこの使用人枠で来たのがうちは3人とも死徒という最悪パターンですわ。
セトナ、ラー、ゼロである。
ラックと呼ぶと彼の言っていた蔑称の欠損を思い浮かべてしまうので、ラーと呼ぶのが定着した。
他には、アレクセイもいる。
セーリスの双子も来ている。
国の将来を担う、王子の側近候補とその婚約者の最有力候補が御呼ばれしているということだ。
ソルはおそらく転生者であることをばらしたために呼ばれたのだろう。
ルナはたぶんソルとセット扱い。
ちなみに。
カルの婚約者候補、これに挙がっているのがロゼ・ロッティ公爵令嬢である。
ものすごく横暴なので、俺やクルミはなかなか相手したくない子でもある。ワガママとは言ってない。結構物言いがきついんだよな。
「あらぁ、ロキ様、今日はまともなお姿でいらっしゃいましたのね」
「ええ、たまにはドレスもいいかと思いまして」
こいつには俺が転生者だなんて言っとらん。
こいつは多分俺たちが転生者であることを知らんだろう。
カルの言う虫除けというのは、実はこいつが来るとき限定で使っている言葉である。
絡むのは良いがあんまりうっとおしいと嫌われるぞ、ロゼ嬢。
今日の俺は紺色のすとんとしたタイプのドレスであり、華美な装飾は一切ない。ブレスレットは武骨な硬い黒い金属――外すことを固く禁じられてしまった、ラーからの贈り物。ちなみに俺たちにわかる言葉で言うとウォルフラム。タングステンのリングだそうだ。
宝石はついていないが、気に入っている。
俺の立場を示すものでもあるため、無骨と言いつつ繊細な装飾が施されている部分もある。
俺の右隣にカル、左はクルミ、ソル、ルナと続く。
テーブルの中央にはチョコレートやらビスケットやらクッキーやらが入ったバスケットが置いてある。
一緒に焼かれたジャムが宝石のようにキラキラして見えた。
ちなみにロゼに関してだが、死徒たちとあまり相性はよくないようで、笑顔であしらうラーがかなり印象的だ。
ラーは完璧な態度で俺に茶を淹れたり用事を色々とこなしてくれて。いやー、セトナもいるせいでカルが固まってたりしてこっちとしては面白かったけど。
つか、カルはセトナを知ってたんだな。
俺はチョコレート等の菓子類に手を伸ばした。ソルとかクルミとか他女子陣も菓子類に手を伸ばしている。
あーあ、令嬢枠とかいらねーわ。俺男子として学校に行きたいわ。
でも学校では令嬢として暮らせと言われてしまったので、そのようにすることになりそうだ。
でも、授業は出席の点呼に答えればいいらしいから。どうとでもなりますよ、と。
しばらく他愛もない話をした後、カルから2人で話がしたいと言われた。俺は快くそれを受けて、ソルとクルミにも話したいことがあるので残ってくれとカルは頼んでいた。
♢
「それで、カル様、お話とは一体何でしょうか?」
俺はソルとクルミと共にカルが待っていると言っていた場所――お茶会の会場からは少しばかり離れた庭の木の下にいた。
カルの金髪が風になびいている。
「ロキ、君はずいぶんと死徒との繋がりが強くなったようだな」
「あー、はい。気がついたらこんなことになっておりました」
「……死徒、入り込み過ぎだろう」
「死徒には国防なんてザルですよ?」
何をそんな今更。
俺はそう言って笑い、カルは苦笑した。
俺、そんなに変なことを言っている気はしないので。
大体、死徒ってほとんどこの大陸にある国の始祖だったり祖先だったりするんだから、余計タチ悪い。
リーヴァは帝国系列3国の元になった皇帝の兄貴って話だった。つよい。
「それで、転生者たちに、これからの意見を聞きたい」
カルの言葉に俺たちは顔を見合わせた。これから起きるイベント確認のために俺たちだけでも集まって話し合おうとしようとしていたのだが、ここでやっちまうか。
「ソルからは?」
「うーん。キャラの過去ってあんまり出てないしなー。クフィ草は合法的に集めれるようになってるし、今のところ特に問題はないかな」
「クルミ」
「イベントが起きなかった場合の別のイベントが心配かなー」
確かになぁ。
俺的にはとあるイベントが待っている。
「ロキは?」
「……イミドラの方の話だが。そろそろ、帝国の方で死徒排除戦が始まるはずだ」
「死徒?」
カルが聞き返してきた。
「向こうがどう出るかが問題だ。ゲーム通りなら、帝国内から死徒を追い出すだけか、完全にぶっ殺してくれるか。でもこれ普通に考えると、村のたった1人の少年が死徒を殺せるとか思わねえ」
「た、確かに……」
だからつまり、帝国任せのままじゃこっちが被害を被る可能性があるということなわけで。
なるべくヒロインが付け込む隙もなくしたいしな。
「具体的な対応する家はソルが知ってる。頼むぞ、ソル」
「ええ、任せておいて」
そしてソルからもたらされた情報は、セト・バルフォットの家の領地に死徒が侵入するというものだった。これによってかなり甚大な被害が出る。
「この時、ロキが死徒を呼んじゃうんですよ。領地丸ごと潰れて終わりです、これだと」
「そんなに深刻なのか……!?」
「深刻なんてもんじゃないので、気を付けておいてくださいね。騎士団長食いっぱぐれますから、マジで」
セトにもこの情報はやるべきかどうか、悩んだ末に国王の判断を仰ぐことになり、他諸々の情報を相互交換してお茶会は解散となった。
ちなみに、この国、爵位は王族と血縁のある公爵、実力でのし上がってきた侯爵、伯爵、それらの子供が継いでることの方が多い子爵、ちっちゃな戦功で選ばれたりしている男爵、そのうえ当代貴族の騎士爵がある。
騎士団団長って騎士爵なんだよな。
セトって偉ぶってないんだよ!
いいやつだよ!
俺たちがこの国について習った知識を以て考えると、セトは実力がつけば父の爵位を上げてもらって男爵スタートになる。
――こいつ、何で攻略対象なんだろ。
閑話書きたい
でも思いつかない
そんなこの頃。
この物語はシリアスブレイカーを設置する方向で進めます。たぶん。