ヤキタマネギ
掲載日:2015/06/15
どうしたの、そんなに。
毎日毎日、毎日毎日。
一片一片、剥いていく。
どんどんクリアに、なっていく。
一片一片、剥いていく。
しっとりとした、手の平。
指先。
つんとする匂い。
あふれ出てくる水分。
その形を、一個一個、確認するように。
指の腹が、押しつぶす。
透明な背中。
見通せない向こう側。
とてもとても、苦い思い。
とてもとても、辛い味。
レタスに乗せたスライスも、ドレッシングなんか目じゃないくらい。
とっても、とっても、辛かった。
それは、辛いの?それとも、辛いの?
形になった言葉は、音を伴わず。
だから、涙を流したままの、ぼけた目で判別する。
一口。
どっちでもいい。
一言。
油のひかれたフライパン。
じゅうじゅうと踊るたまねぎ。
白く濁った透明な色は。
飴色に曇っていって。
叩きつけるヘラ。
甘い匂い。
そして。
焦げ付いた想い。
ベタベタする、染み。
甘くなった。
ありがとうございました。




