第1章 3話
別視点にしました。
上手く書けてないですのですいません。
【ナターニア・ヘルト視点】
私は小さな頃に両親に捨てられたらしい。
らしいというのは記憶に無いからだ。
捨てられた私はこの村に置いていかれた、それをシルビス・ヘルトが拾ってくれた。
その時のシルビス。いや、お父さんはまだ二十代の前半で中堅の冒険者だった。そんなお父さんが仕事をしながら私を精一杯世話してくれた。
夜泣きが酷かったと最近では文句を言われる。
そんな感じでお父さんに拾われて十年立つ頃に私も冒険者になった。
精確にはもう少し前からお父さんの手伝いをしていたのではあるが、正式にギルドへ向かい冒険者登録をした。
その後は育った村を拠点にして様々な依頼をお父さんと一緒にやっていた。
そして更に数年が過ぎた。
私達は貯めたお金で立派なログハウス風の家を買いそこで借りをしながら過ごすことを計画していたのだ。
まだ私は若いけどお父さんは四十代になる。まだ動けないわけで無いが魔物相手になってしまうと遅れをとってしまうこともある。
私も強くなった。お父さんをサポートできるレベルにもなった。でも無理をしないために静かに暮らすことを決めたのだ。
家は金貨二百枚と貴族には負けるがかなりのお金をかけている。
家には隠れた階段があり二階に私の寝室とお父さんの寝室がある。隠し階段にしたのはお父さんの趣味である
あとは大きな浴槽だ。これはお父さんがお風呂好きなので設置したのだ。これが一番お金がかかったりした。
そして二つの部屋が一階にある。
その部屋はまだ荷物を置いてなかったが便利だろうと小さなベットと机を設置した。
それから一ヶ月もしてない時である。
私は特に意味も無く裏手にある森に散歩へ出かけたのだ。
そこで灰色の髪をした二人の子供が木に寄りかかって寝ていたのだ。多分寝ているというよりは気絶が正しいだろう。
片方の男の子の方は何処かの王子様ではないのかと思わせるほど顔が整っていて、髪の毛の色は黒に近い灰色だった。もう片方の女の子も何処のお姫様ですかというほどに可愛く、髪は腰の付近まで伸び、色は白に近い灰色であった。
長くこの村で過ごしているがこのような子供を一度も見た記憶がない。唯一、二人ほど似た背格好の子が住んでいるが髪の色も全く違う。
この森は基本的に魔物はおらず、居たとしても猪や熊が稀に出る程度だ。それもそのはずでこの森の魔物は私とお父さんで全て倒したのだから。
それでも小さな子供がこの森で二人だけは危険すぎる。村から離れてはいないが万が一がある。周りには親は見当たらず、心にはあることを思っていた。
それは、私と同じ捨て子なのでは無いか?ということだ。
その時の記憶なんて残っていないのだがそれでも自分と同じ状況かもしれない子を置いていけない。
いまはとにかくこの灰色の髪の兄妹をこの森から連れて行こう。そう思った。
そして家の余っている部屋に二人を寝かせて置いた。よく眠っていてすぐには目を覚ましそうに無い。その間にお父さんに相談しなくては。
お父さんは村の方へ行っていたので戻ってくる頃には夕暮れ時だった。
「ねえ、お父さん相談があるんだけど……」
「どうした?怪我した動物でも拾って来たのか?もし男を連れてきたなら許さんぞ?」
「そ、そうじゃなくてね!森で捨て子かもしれない二人の子を連れてきたの……」
男も連れてきたかもしれないけど小さな少年だし許してくれるよね?
「森にいたのか?いまは何処にいるんだ?」
「いまは余ってた部屋のベットで寝てるよ。二人ともまだ起きてないよ」
「そうか、少し様子を見るぞ?」
「うん。」
実はお父さんは回復魔法を得意とする魔法使いで回復魔法の腕前だけならこの国の中でも上位だろう。
それもありお金にも生活にも満足している。
「二人とも怪我もなさそうだな。……灰色の髪をした人は見たこと無いな」
この国以外行ったことは無いので他の国は私も知らないが確かに灰色の髪をした人を見たことはない。
赤や青など様々な色の髪をしている人はいるが灰色の髪は存在を知らない。私は薄い茶色でお父さんは濃いめの茶色で一般的な色である。
「だよね……。この子達捨て子なのかな?」
「かもしれないな……。顔立ちもいいからもしかしたら何処ぞの王族の隠し子で捨てられた可能性も否めない。だが灰色の髪の人はいないはずだがなぁ」
「ねぇ!この子達をこの家で育ててあげれないかな!」
「もしかしたら親がいるかもしれない。私も全ての人の髪の色まで知らないから近くにいるかもしれない。だが親がいなかったならこの子達を育ててあげるつもりは元からあるぞ」
「お父さんだもんね!」
「まあな。それにしても余計な部屋を作ってて助かったかもな。あと弟や妹が欲しいと言ってたこともあっただろ?」
「覚えてたんだ!そうなの!でも、お父さんに無茶言えないし諦めてたんだけどね……でもどうにかなるもんだね!」
「まだなんとも言えないぞ……まぁもしもの時はナターニアもしっかり面倒を見るように」
「はーい!」
念願の妹と弟が出来るかもしれない!それもこれもまだ決まった訳じゃないけどね。
でも二人とも顔立ちがよ過ぎて兄弟に見えないかも……
次の日の朝、私とお父さんは何時ものように森で狩をしていた。
お父さんは弓で私は簡単な攻撃魔法でウサギなどを狩る。そこで取れた獲物は村のギルドで買取をしてくれる。
帰路で私とお父さんは灰色の髪の兄妹の話をしていた。話し始めて家の近くまで来た時に人影が見えた。
いま話をしていた灰色の髪の兄妹の男の子のほうだった。
「あ!起きたのね!気分は大丈夫?あと妹さんの方も起きた?お腹は空いてない?」
「おいおい、ナターニア。そんなに質問したらこの子がビックリしてしまうだろ」
嬉くて声を張り上げて質問してしまいお父さんに怒られてしまった。
それに答えてくれて自己紹介などもした。ハイシン・マツカゼくん四歳とミラ・マツカゼちゃん三歳だそうだ。ミラちゃんの方はまだ寝てるらしい。喋り方といい四歳だとは思えない、まるで同い年か年上にも見えてきた。でも僕と言っているのは幼さが見えた。
そして、色々あってマツカゼ兄妹と暮らすことになれました。
念願の弟と妹が出来たので毎日可愛がろう!
明日から楽しみだな!