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ただいま手直し中!  作者: 海陸 兎鮫
第1章 村編
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第1章 2話

 さて、二人で話している村人のうち一人は短髪の男性で四十代ぐらい。身長は百七十は超えてそうだ。

 もう一人は腰まで髪が届きそうな女性だ。こちらは男性の方より身長が五センチほど小さい。割とスリムでモデル型だ。

 二人の見た目からはしては兄妹や夫婦には見えない。

 そんな二人を遠目から観察してると俺とミラの話をしているのがすこしながら聞こえてきた。話している内容までは聞こえてこないが俺らの特徴を捉えた、灰色の髪の兄妹というのが時々聞こえるのだ。


 それより、言葉が分かる。会話の内容は聞こえてないが言葉が分かるのは助かる。

 今まで読んだ本では、異世界では言葉がわからないというのがよくある。そのような状況だと言葉を覚えるか魔法でどうにかするしかないのがほとんどだったりする。

 だが自分たちは運がよかった。最初から言葉が分かるのだ。

 分かるということは、会話が成立する。見た目からは日本人では無いのがわかるが日本語で聞こえてくる。

 これなら二人に話しかけても、なにを言っているんだ?という状況にならなくて済みそうだ。

 さらにはこの二人は俺とミラの事を知っていそうだ。先ほどから何度が灰色の髪の兄妹の話をしているのはわかっている。

 今もまだその話をしているのだろう。

話をしたら何か分かるかもしれない。


「あ!起きたのね!気分は大丈夫?あと妹さんの方も起きた?お腹は空いてない?」

「おいおい、ナターニア。そんなに質問したらこの子がビックリしてしまうだろ」


 近づいて行ったら、こちらから話しかける前に気づいて話しかけてきた。


「は、はい。気分は特に変なとこは無いです。妹はまだ寝ています」

「そう、それはよかったわ。最初はビックリしたわ。森の中で散歩してたら二人の子供が気に寄り添って気絶してるんだもの」

「そうなんですか?」

「そうよ、なんでそうなったのか覚えてないの?」

「すいません……」


 この女性ナターニアさんという方が俺とミラを森から拾って来たのか。

 気絶していた理由は想像が付く多分魔法の本の発動後に飛ばされたのだ。わかっていても異世界から魔法の本に飛ばされて来たなんて言っても無駄だろう。


「ふむ、そうか。自分の名前は言えるか?あと年はいくつなんだい?」


 隣の男性が聞いてきた。

 名前か…。

 ミラと兄妹という設定はいいかもしれない。そうなると、マツカゼとステークスはどちらかに統一した方が良さそうだな。


「ハイシン・マツカゼといいます。妹はミラ・マツカゼです。歳は僕が四歳で妹が三歳です」


 うん。松風という苗字を捨てたくはない。ミラにはすこし悪いがマツカゼを名乗ってもらおう。あとは年齢もこのくらいだろう。ミラに聞いて置いた方が良かったかもしれないが今は曖昧にしかわからないしな。


「ハイシンくんとミラちゃんね。私はナターニア・ヘルトで隣は私の親のシルビス・ヘルト。よろしくね」

「シルビスだ。よろしくな」


 親子だったか……

 というか、いきなり話しかけられたせいで流されてしまったな。

 ナターニアさんの方はハタチに見えるしシルビスさんは四十代だからあり得るのかもしれないがかなり似てない。


「似てないと思っただろ?ナターニアは元々捨て子なんだよ」

「そうなの、で、ハイシンくんと妹ちゃんもよかったらなんだけど一緒に暮らさない?ずっと妹と弟が欲しかったの!」

「こら、まだ色々聞かないといけないことがあるだろ!先走るなナターニア!……悪いね。それで聞きたいんだけど両親とかは居ないのかい?」


 ナターニアさんは捨て子だったのか。なら似てないのも納得。

 両親なんていないミラのはもしかしたら居るかもしれないが。一緒に暮らすのもいいかもしれない、元の世界に戻れるかもわからないし野宿は流石に無理だ。中々都合のいい状況だな。

 それと、ミラにだったら後々説明すれば大丈夫だろう。全くと言っていいほど、ミラのことを知らないが多分問題無かろう。本当なら此処にいてもらった方がいいかもしれないが話が合わなくなる可能性が高い。後で打ち合わせをしないとな。


「お母さんお父さんは昔に死んでしまいました。亡くなったあとは妹と二人で旅をしてました」


これに関しては事実なのだ。まあ今は関係無いことなのだが。


「そうか悪いことを聞いたな。もし良ければなんだが娘が言ったように一緒に暮らさないか?私は娘とあの家を最近建ててな、丁度部屋も2つ余っていて悩んでいたところなんだ」

「僕と妹も住むところもお金もありません。まだ力仕事も出来ないですよ?それなのに大丈夫なのですか?」

「それについては小さな子が気にすることでは無い。私は冒険者である程度の財産はあるのでな。娘もそれを望んでるようだしな」


 なんとも人のいいことだ。

 異世界に来ていきなりこんな人に出会えたのは良かった。


「本当にいいのですか?」

「子供が遠慮なんてするなよ?」

「ありがとうございます!妹も喜びます!よろしくお願いします!」

「やった!よろしくねハイシンくん!ナターニアお姉ちゃんて呼んでいいからね!」


 こうして俺とミラは二人、ナターニアとシルビスに世話になることになった。


さて今後どうなるんだろうか……

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