1/7
俺が思うに、彼女はかわいい。誰が何と言おうと変わることのない気持ちだ。だから俺は、自然に彼女に対して好意を抱いていた。彼女がどんなことを考えていたかは、俺は知らない。だが、彼女に対する気持ちは本物だ。
「やっぱり、私は彼のことが好きなんだと思う」
その一言を話した、初めての相手は、私と12年間、つまり小学校1年から高校3年までの間、ずっと一緒のクラスにいた女友達だ。
同性だからということもあるだろうけど、私は、彼の話や、雑談や、いろんなことを一番話しやすい相手でもある。
親や妹よりもだ。
だから、私は初めに彼女に相談をした。
話しやすいということもあったけど、彼については、私と同じかそれ以上に詳しいからだ。
「彼でしょ、そこに座ってる宝田でしょ」
私は、彼女が指差した方向に座っている、彼を見ながらうなづいた。
「あいつかぁ…」
彼女がすこし考えている。
確かに、どうして私が好きになったか、私はわからない。
でも、好きなんだから仕方ない。