ヨロコビのタネ 3
「私も手伝う」「僕も探すよ」
それからは、さすらい帽くんコック帽ちゃんタワー帽ちゃん冠くん博士くん・・・・・・たくさんの人が花ちゃんのタネを探してくれました。
象乗り帽くんもその一人です。
象乗りくんの上では小さな象が楽しげに頭の上で踊っています。象乗りくんと小象くんは今日もとても仲良しです。
象乗りくんもみんなと同じようにタネを探していましたが、突然勢いよく立ち上がりました。
「そうだ良いこと思いついたよ」
象乗りくんはそう言うと小象くんに何かを言いました。
小象くんは大きく息を吸い込み、一気に息を吐き出すと、そこに落ちていた色々な物が宙に舞い上がりました。
写真、ラブレターの切れ端、宝の地図、星の欠片、貝殻のネックレス、お菓子のおまけ、手作りの人形・・・・・・たくさんたくさん出て来て、みんなわあわあいいながら探しましたが、肝心のタネはその中にありませんでした。
みんながっかりしたけれど「がっかりする暇があったら探す!」という毒キノコちゃんの言葉で、また地道なタネ探しを再開させました。
ずっと泣いていた花ちゃんでしたが、みんなのわあわあという大きな声で、顔をあげました。
顔をあげると、たくさんの友達がしゃがみこんでいるのが目にはいりました。
そこでようやく、みんなが自分のタネを探していることに気付いたのです。
手で土を掘り、隙間に手を伸ばし、草をかき分け、汗を流しながらみんな懸命になって探しています。
それは全て花ちゃんのタネのため、花ちゃんのためにやっていることなのです。
花ちゃんはそれに気付いてニッコリ笑いました。
心があたたかくなり、嬉しくて楽しくてたまらなくなりました。
「あっ花が咲いてる!」
誰かが叫びました。
不思議です、タネはまだ見つかっていないはずなのに、タネが復活して次々に花を咲かせています。
「やったあ!」
みんな喜んで大騒ぎです。
花ちゃんは泣くのを止めました。
「みんな、どうもありがとう」
そう言ってまたニッコリ笑い、空ちゃんが喜びに思わずまた強い風を吹かせてしまいました。
「ああっ花ちゃん!」
青くなって花ちゃんのもとに駆け寄りましたが、花ちゃんは前と打って変わって風の中で平然と笑っています。
どういうことでしょう。
花ちゃんにタネの話をしたお母さんの話には続きがありました。
「タネがなくなっても諦めずにいれば、花自身のタネがまたいつか花を咲かせるわ。花ならきっと大丈夫。そしてもしまたタネが再び花を咲かせた時には、ずっとずっと前より強くなっているはずよ」
花ちゃんは意味がよくわからなくて、その話のことをすっかり忘れていたようです。




