表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
3/4

ヨロコビのタネ 3

「私も手伝う」「僕も探すよ」

 それからは、さすらい帽くんコック帽ちゃんタワー帽ちゃん冠くん博士くん・・・・・・たくさんの人が花ちゃんのタネを探してくれました。

 象乗り帽くんもその一人です。

 象乗りくんの上では小さな象が楽しげに頭の上で踊っています。象乗りくんと小象くんは今日もとても仲良しです。

 象乗りくんもみんなと同じようにタネを探していましたが、突然勢いよく立ち上がりました。

「そうだ良いこと思いついたよ」

 象乗りくんはそう言うと小象くんに何かを言いました。

 小象くんは大きく息を吸い込み、一気に息を吐き出すと、そこに落ちていた色々な物が宙に舞い上がりました。

 写真、ラブレターの切れ端、宝の地図、星の欠片、貝殻のネックレス、お菓子のおまけ、手作りの人形・・・・・・たくさんたくさん出て来て、みんなわあわあいいながら探しましたが、肝心のタネはその中にありませんでした。

 みんながっかりしたけれど「がっかりする暇があったら探す!」という毒キノコちゃんの言葉で、また地道なタネ探しを再開させました。


 ずっと泣いていた花ちゃんでしたが、みんなのわあわあという大きな声で、顔をあげました。

 顔をあげると、たくさんの友達がしゃがみこんでいるのが目にはいりました。

 そこでようやく、みんなが自分のタネを探していることに気付いたのです。

 手で土を掘り、隙間に手を伸ばし、草をかき分け、汗を流しながらみんな懸命になって探しています。

 それは全て花ちゃんのタネのため、花ちゃんのためにやっていることなのです。

 花ちゃんはそれに気付いてニッコリ笑いました。

 心があたたかくなり、嬉しくて楽しくてたまらなくなりました。

「あっ花が咲いてる!」

 誰かが叫びました。

 不思議です、タネはまだ見つかっていないはずなのに、タネが復活して次々に花を咲かせています。

「やったあ!」

 みんな喜んで大騒ぎです。

 花ちゃんは泣くのを止めました。

「みんな、どうもありがとう」

 そう言ってまたニッコリ笑い、空ちゃんが喜びに思わずまた強い風を吹かせてしまいました。

「ああっ花ちゃん!」

 青くなって花ちゃんのもとに駆け寄りましたが、花ちゃんは前と打って変わって風の中で平然と笑っています。

 どういうことでしょう。

 花ちゃんにタネの話をしたお母さんの話には続きがありました。

「タネがなくなっても諦めずにいれば、花自身のタネがまたいつか花を咲かせるわ。花ならきっと大丈夫。そしてもしまたタネが再び花を咲かせた時には、ずっとずっと前より強くなっているはずよ」

 花ちゃんは意味がよくわからなくて、その話のことをすっかり忘れていたようです。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ