表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/39

それは、デートですか? ・2

Side 加藤



「――デート、だろうね」

なんとなく“とぼとぼ”という言葉が似合う美咲の後姿を玄関脇の窓から眺めていた加藤は、いきなり真横から出てきた真崎に持っていた歯ブラシを落としそこなって焦った声を上げた。

「ままっ、真崎先輩っ」

一ヶ月前から自分の上司となった真崎を、未だ加藤は把握しきれないでいた。

ただ分かる事は。



「だな」

同じくいきなり反対側から出てきた瑞貴に、再び思考が飛び散る。

「みっ、瑞貴先輩……」

涼やかな笑顔で真崎と同じ様に窓から外を見る瑞貴。

直接仕事をしたことは無いが、過去営業トップで企画課所属、出世街道まっしぐらという、違うものにまっしぐらしたい猫が引き返して争奪戦を繰り広げるんじゃないかと思うほど、格好いい先輩。

そして、今は大家さん。

自宅に住まわせてもらってる。

そんな瑞貴を、やっぱり加藤は把握し切れていない。

ただ分かる事は。



二人とも、久我先輩が好きで、課長をからかいたいということ。




片や甘い雰囲気の整った顔立ちと、片や爽やかって言葉が這いずり回って許しを請いそうなぐらい綺麗な顔が、どす黒い笑みを浮かべた。



「つけちゃおうか?」


「だな」



こうなる事を分かっていたかのようにすでに準備万端の二人は、いつもなら絶対にない息のあった動きで玄関から出て行った。


玄関のドアの閉まる音で、我に返る。

慌てて洗面所で口を濯いで、二階の自分の部屋へと駆け上がった。



「あれ? 加藤どうしたの?」



ドアを開けて入ろうとしたその時、隣の部屋の田口が丁度出てきた。

「――いいところに来た!」

いや、来たもなにも同じ家に住んでるんだから、おかしな言い回しなんだけど。


大急ぎでさっきの話をすると、田口は納得したように五分後玄関! と叫んで部屋に戻っていった。

加藤も慌てて部屋の中に入り、寝巻きを脱ぎ捨てる。

適当においてあった服に着替えて、財布と携帯を掴んで再び部屋を飛び出した。


そのまま戸締りに走り回り、五分後、二人は玄関から飛び出す。



「久我先輩と加倉井課長の貴重な初デート! あの二人から、絶対守りぬくわよ!」

「おうっ!」



スカートまではいていった初デート、絶対死守! と、美咲が聞いていたら悶絶しそうな言葉を叫びながら田口と加藤は駅へと駆け抜けていった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ