それは、デートですか? ・18
Side-哲
美咲が戻っていった後ろを、瑞貴は亨と話しながら歩いていた。
小太郎は亨の持つリードの先で、ふんふん地面の匂いを嗅ぎながら尻尾を振って歩いている。
瑞貴はその尻尾を見る振りをしながら、横目で亨の様子を伺っていた。
つい言ってしまった、ずっと隠しておきたかった事。
よりによって亨の前で口にしてしまったことに、瑞貴は内心焦っていた。
優しく大人しい亨は、仕事上では冷静沈着、同僚に鬼の水沢と呼ばれる人間だという事をすっかり忘れていた。
元々取引があるのは、宗吾と美咲だけ。
今瑞貴が手をつけている企画は練り上げている段階で、まだ外部にマーケティングを頼むまではいっていない。
広報と商品管理で、社内・外マーケティングを狭い範囲で行っているだけ。
冷たい笑みを浮かべている亨に、瑞貴はなんとかいいわけをしようとあれこれ考えては口を開く。
「だから、その。俺もあの時、ちょっとどっかの世界に行っていたというか」
「どこの世界に行けば、好きな相手を無理やり押し倒すのかな」
「――はい、すみません」
取り付くしまもねぇ――
しかも、きっぱり言われるとすげぇ恥ずかしいんだけど。
「悪かったと、思ってる」
「それは、そうだろうね」
一言で終わる亨の言葉に、瑞貴はがっくりと肩を落とした。
俺と美咲の間に何があったかなんて、亨には関係ないってのが本音。
俺達には俺達にだけしか分からない、事情がある。
二人だけで、共有している感情も。
だけど。
あんな事をしてしまった美咲への罪悪感は、消えることなくずっと心の中にあって。
それなのに、後悔していない自分もいる。
まぁ、精神的に若干やばかった事は認めるけど。
同じく美咲を好きなら理解してくれないかなぁと、瑞貴は溜息をつきながら肩を落とした。
今日は短いです、すみませんm--m
明日は、亨目線ですー←の、予定(笑