後日談
「ロマク家のパーティーに毒物混入か?!」
ショーンは商人ギルドの執務室で新聞の記事を読んでいた。
「やはり帰って正解だった。今度はお貴族様を潰すとは……本当に恐ろしい奴だ」
恐ろしいと言いつつもショーンは自身の危機回避能力に酔いしれニヤけが止まらなかった。これまで幾度となくホーディに苦労させられてきたが今度ばかりは逃げ切る事に成功した。
ショーンは奴を出し抜いてやったと心の中で自画自賛していた。ここ数日ホーディが都からいなくなりトラブルが無いのも理由の一つだ。
ショーンが一人でニヤニヤしていると扉を叩く音が聞こえた。
「ギルド長、騎士団がお見えです」
「え?そんな予定は無いが?」
扉の向こうからアンの声が報告をしてきた。そしてショーンの許しを得る前に扉が開かれた。
「すまんなギルド長」
執務室に入ってきたのはギルド長会議で顔を合わす副騎士団長であった。そして副騎士団長は険しい表情をしている。
「副騎士団長!どうされました!」
これはただ事ではないとショーンは慌てて椅子から立ち上がった。先程までの余裕は無くショーンは何故騎士団が来たのか分からなく困惑していた。
副騎士団長はどこか言いづらそうな表情で口を開いた。
「それが君にロマク家のパーティーでの毒物混入の容疑がかかっている」
「ほへぇ?」
あまりにも予想外な事態にショーンから間抜けな声が漏れた。
「パーティーが始まる前に急いでその場から離れる君を見たと証言があってな。それに君が毒を仕込んだという噂が確認された」
ショーンはあまりにも理不尽な理由で毒物混入事件の犯人にされてしまった。ショーンはそんな訳の分からない理由で容疑者にされてしまってはかなわない。
「いや、それはあの場にホーディがいたから逃げただけで毒なんて仕込んでいません!」
「奴はトナーリャに向かってるはずだろ?」
「いや、そうですが何故かいたんです!本当です!」
ショーンは必死に自身の潔白を証明しようとしているがどう話しても苦しい言い訳に聞こえてしまう。
「私も疑ってはいないが証言がある以上調べないといけない、分かってくれ」
申し訳なさそうな顔をしている副騎士団長の後ろから部下である騎士が現れてショーンを拘束した。
「あーもう!なんで私ばっかり!」
ショーンは抵抗こそしなかったが自身に降りかかった不幸に絶叫した。




