後日談
「あっリトスじゃん!久しぶり」
リトスが商人ギルドで待っていると何食わぬ顔でひょっこりホーディが現れた。
「お兄ちゃん!」
ホーディの顔を見た瞬間リトスは立ち上がりホーディに抱きついた。リトスは涙目の顔をホーディの胸に埋めながら頭を撫でられた。それは久しぶりに感じる兄の優しい大きな手である。
「元気そうでよかった。会えなくて心配してたんだ」
「心配したのはこっちだよ!いきなりいなくなって!置き手紙も無いし!」
ようやく冷静になったのかリトスはホーディに文句を言い始めた。これまでの苦労や心配をこの場で一気に吐き出した。
「村長が出てけって、それで都にリトスが行ってるからそのうち会えるかなって思ってこっちに来たんだけど、いやー都って思った以上に広いね。全然見つかんなかった」
「ごめんなさい、それは嘘」
「え?」
「ウェンディを逃す為に別の町に行ってて」
申し訳なさそうに答えるリトスだがホーディは怒ることもなく別の話題が気になっていた。
「そうだったんだ。そうだ!お嬢様とフレンは元気?いきなりいなくなって挨拶も出来なかったから」
「うん、大丈夫。遠くの町に行ってるはず」
「それならよかった」
「お兄ちゃん、ごめんね。本当はお兄ちゃんを巻き込むつもりはなかったのに。私のせいで村を追放されて」
「いやーあれは俺も多分悪かったから。いいよ全然」
そんな兄妹愛溢れる場面だが気まずいのはその場にいる無関係のアンである。
「ホーディ君、とりあえず今日は妹さんとしっかり話してきて、仕事の事はまた別の日にしましょう」
「分かりました!」
アンはホーディに帰宅するよう促してリトスと一緒に帰した。
リトスは初めて会った時と違い部屋を出る頃には穏やかな表情になり、ホーディと笑いながら歩いていった。
アンも部屋を出ると壁に張り付いてたショーンを冷めた目で見た。
「それで?仕事もせずにギルド長は何をしているのですか?」
ショーンは冷や汗をかきながら逃げるように執務室に戻っていった。
数日後。
「かの者、ホーディを国外に追放する事にする」
ギルド長会議で副騎士団長はそう言い切った。




