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アンはホーディの妹と名乗る女性を来客室に通した。本来ただの来客にそんな待遇はしないのだがギルド長のショーンが直々に指示をした。

 来客室は本来、重要な商談や高貴な身分の人の為に使用する為その作りは豪勢なものになっている。そんな来客室の中でポツンと座る女性はあまりにも場違いであった。

 見た目は作業しやすい村娘の恰好で、スカートはあちこちほつれている。ホーディの妹と言っていたがその顔つきはキリッとしており、いつも笑顔のホーディとは対照的であった。

 アンはお茶をテーブルに用意して女性の向かいに座り改めて挨拶をした。

「えっと私がホーディ君の担当をしていますアンです」

「ホーディの妹のリトスと言います」

 リトスと名乗った女性は緊張しているのかどこか落ち着きがない。その落ち着きのなさは何故自分がこんな部屋に通されたのか分からなかったからだ。キョロキョロ部屋を見回しているがその体は力を込めて強張っており微動だにしない。

 ショーンが来客室に使うように指示したのは何がなんでもホーディについての情報を引き出す為である。その事は接客対応しているアンにしっかりと伝えていた。

 そんなショーンは扉の向こうで耳を扉に当てながら会話を盗み聞きをしていた。ショーン以外にも手の空いている職員が中の会話が気になり息を潜めて盗み聞きをしている。

 そんな事も知らずアンはリトスと話をしている。

「ホーディ君は確かにこの街にいるけどまだ会えてないの?」

「はい、突然村を出て行って行方が分からなかったので、色んな街を探しつつここへ」

 行方が分からない兄を探しながら都まで来たリトスの疲れた表情からその苦労が滲み出ていた。

「確かホーディ君は村で失敗をして追放されたって聞いたけど」

「そんな事ないんです!兄は何も悪くありません!」

 アンの発言にリトスは大声を出して立ち上がり否定した。その声にアンは驚いたがリトスを刺激しないよう優しい声で話した。

「落ち着いて、なんだか事情があるみたいだね」

「……すいません、興奮してしまって。でも本当に兄は悪くないんです」

 リトスはどこか悔しそうな表情をしている。

 追放されたと言ったのはホーディ自身であり、それをリトスが声を荒げて否定する。村でいったい何があったのかこれでは全く分からない。

「実はホーディ君のことは私達も気になっていたの。あんなに明るく元気な人が追放されるなんておかしいって。もしよければ聞かせてくれない?ホーディ君もここで待ってればそのうち来るかもしれないし」

「はい……」

 アンに促されリトスは村で何があったのか語り始めた。

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