4話目─山賊討伐命令─
今回も説明文おおい気がする…
というか説明が適当ですいません。
という事で4話目です
俺が召喚されてから半月程が経った。
ここ、半月でわかった事を纏めてみようと思う。
まず、時間の経ち方が元の世界とは違うようで。
カエデとコウタが召喚されたのは俺ガ召喚される3日前程度らしい。
だが、俺が召喚されたのは、カエデ達が来てから3週間近く経ってからという。
ということはこちらでの1週間があちらでは3日となる。
正直な話こっちで何年も居るとあちらに戻った時明らかに老けているという状況になる。
若返りとか不老とかない限り無理なんだろう。
それと、カエデとコウタ達の能力についても聞いてみた
カエデの能力は1つで肉体強化だけらしい
基本戦闘能力はアリエスさんとほぼ互角らしく、女性の身でさすがは勇者だと言わせる程だそうだ。
ちなみに、ノワルで強い人はアリエスさんとゴルバールさんが筆頭らしい。
次にコウタの能力、これも1つなのだが。
能力は脚力強化。
肉体強化に近いんだけどその強化は下半身のみとなっている。
足の速さと跳躍力は凄まじいとしか言えなかったが。
ジャンプしたら10mぐらいは楽に飛べるとの事。
「剣で戦うより蹴りのみで戦った方が強いんじゃないか…?」
と言ったら怒ってしまった。
なにか拘りでもあるのだろうか?
それと食についてなんだが。ノワルという国は魚が高級だったりする。
ノワルの土地は平野が多く川などはあるのだけれど首都から離れているため鮮度が低かったりするらしい。
たまに魔法が使える商人などが凍らせて売りに来るが常にいるわけでもないし、量も多いわけではないので値段が高騰してるとの事だ。
なので主食は家畜と農作物だ。
それと偶然なのか、食物の名前はほとんどが元の世界と同じ名前だった。
動物は違うみたいだがジャガイモはジャガイモだったりした。
これについて、カエデは何か変な感じで作為的な物を感じると言っていたけれど、
単語が同じなら通じるに困らないからいいんじゃないかなぁっと思ってる。
あと、魔法についても習ったな。
魔法には属性があり
火・水・木・風が基本属性。
雷・氷・地・毒が上位属性。
闇・光・時が最上位属性として存在しているらしい。
攻撃手段としては基本も上位も大差はないのだけれど
上位属性は色々と応用などができて使える人も少ないのだという
最上位については大陸中探しても一人居るか居ないかと、もの凄く稀少な属性なんだという
例として術兵将軍のバルバナさんはこの世界で時属性を使える唯一の人間なんだそうだ。
本人に聞いたところ、使える人間自体ほとんど居なく未だに研究中らしい、
召喚も時属性に含まれるが数多くの媒体を必要とするため使うのは大変と言っていた。
ちなみに、カエデは火属性が使えると言っていた。
コウタは風属性が得意で、魔力はかなりのものらしいのだが。
本人はあまりうれしそうではなかった。
それと魔法にも種類があり、攻撃魔法・付与魔法・治癒魔法にわけられる
攻撃魔法はそのままの意味で相手を攻撃するための魔法だ。
付与魔法は装備にその属性を付与して攻撃力や耐久力をあげる属性、人間にも属性によって付与できるという。
治癒魔法は属性によって使える使えないがあるが半分ぐらいの属性は治癒魔法が存在するらしい。
水属性なら肉体の活性化や止血、地属性は毒属性などの浄化、雷属性は死んだ者を生き返らせるという噂もあるらしい。
一人1属性というわけではなく才能によって数種類の属性を持つ場合もあるみたいだ。
バルバナさんは5種類とかなりの数の属性魔法を使えるらしい。
余談だが、あのいけ好かないガーナは3種類の魔法が使えるとバルバナさんが優秀な弟子だと言っていた。
で、肝心の俺の属性なんだけれど、魔力は多いが属性がわからないと言われた。
最上位属性は使える人間が少なすぎるため、その魔力の特性がわからないから調べる事が無理なんだという。
時属性ならバルバナさんが居るからわかるみたいだが。
闇か光どちらかの属性ということになるんだよなぁ。
この結果でカエデが
「これで光属性とかだったら、本当の勇者様ですね」
とか笑顔で言ってきて、コウタがすごい不機嫌になっていた…
俺にどうしろと……
新兵達と一緒に訓練もするため新兵達とも少しずつだけど仲良くなってきてる。
まだ、遠慮されたり距離を感じる場合もあるが。
そのうち慣れてくるだろうと思う。
今日の訓練も終わり、何時も通り食堂でカエデとコウタ3人で食事をしてると見知らぬ男性が声をかけてきた。
「あーっと君達が新しく来た勇者さん方で間違いないかな?」
かなり重そうな鎧を着けた俺とあまり変わりないぐらいの年齢を思わせる青年が声を掛けてきた。
「どちら様でしょうか、面識はないと思うんですが」
カエデがちょっと戸惑った風に答えると。
「おお、それは失礼したな、俺は歩兵隊所属百人長のギーレだ、23歳、彼女募集中だ」
最後はいらないだろう…と思いながらも、こちらも自己紹介しないとなと
「自分はシュンといいます」
俺が挨拶するとカエデ、コウタの順に挨拶していく。
「それで、ギーレさん何か用事でも?」
俺が聞くと思い出したように
「ああ、そうだった、ハハすまんつい忘れていたよ、明日食事が済み次第謁見の間に来るようにと国王様より託っている、忘れぬようにな」
大事な用じゃねいか!忘れてたらどうなってやら…
「わかりました、明日の早朝向かわせてもらいます」
うむ、と笑顔で頷くと
「じゃあ、また明日な」
ギーレさんは挨拶して食堂を後にした。
食事をしながら会話も再開。
「さっきの人、歩兵隊みたいですが見たことありませんでしたね」
「カエデも見たことないのか、じゃあ俺が見たことないのも当たり前だね」
「前線で戦ってる部隊が一部戻ってきたと聞いたぜ、その隊長なんだろ」
コウタは面白くなさそうに答えてるが、コウタよくそんな情報知ってるな。
「そうなのか、新兵と交代で休暇とかでももらえるのかな?」
「戦時中に休暇なんてそうそうもらえるわけねーじゃん、特殊任務の何かじゃねー?」
なるほど、ちなみに現在アッガーナ国と魔族国の国境線では2ヶ月近く戦闘が続いてるらしく、大きい戦いは無いが一進一退の攻防らしい
「にしても、コウタは情報通というか情報手にいれるのが早いな」
「まぁな、諜報員にスカウトされてる身なんでね、恩でも売ってやろうと前線の状況や細かな情報を流す奴らが居るんだよ」
そう、コウタは戦闘は得意では無いが。
その人間離れした足の強さで諜報員からスカウトされていたりする。
まぁ…本人は勇者にこだわりがあるらしく、断り続けてるみたいだが。
確かに、諜報員の勇者って聞いたことないしなぁ…。
「じゃあ、飯も食って落ち着いたし今日は解散にしようか。また明日」
「はい、今日もお疲れ様でした」
「おつかれ~」
2人と別れ自室でシャルに話相手になってもらって。
夜も更ける頃、眠る事にした。
翌日は3人での朝食後、謁見の間に向かった。
「国王様、御呼びに預かり参上しました」
「うむ、ご苦労お主ら3人に来てもらったのは、山賊討伐を頼もうかと思ってな」
戦時中だけあり、これ見よがしと山賊達が近辺の町や村を襲い被害が増えてるらしい。
「わかりました、それで討伐には自分達3人で向かうのですか?」
「いや、さすがに勇者と言えど3人では辛いのでな、新兵の歩兵隊30名を率いて向かってくれ」
兵士はこちらで選んでいいとの事、なんだけども未だにそこまで仲良くなれてないから少し不安だ。
「それとな、万が一というのもある、だから先日帰還した重装歩兵隊の10名を護衛として同行する、勇者達よ頼んだぞ」
「ハッ、山賊討伐の任、確かに承りました」
謁見の間を後にして、訓練場に向かう
「お、勇者さん方のご到着ってなぁ、よっ昨日ぶりだな」
訓練場には重たそうな鎧を着けたギーレと、また装飾がついてないが似た用な鎧を着けた9人の兵士、それと新兵達が居た
「ギーレさん、おはようございます」
「カエデちゃんは礼儀正しくていいねぇ、どう?俺と付き合わない?」
「ッチ、おっさんあんた重装歩兵隊の奴なんだろ、話進まねーから後にしろよ」
最近コウタは機嫌悪くなるのが多いな。
まぁ、もうちょっと落ち着いてもいいと思うんだがなぁ。
「…ふぅ、じゃあ話すぜ?勇者さん方は聞いてると思うが、明日お前ら新兵から30人選抜し山賊討伐に向かう」
なるほど、俺達は勇者と響きは良いが所詮異世界人だからな、ギーレさんなら上司みたいなもんだし兵士達も参加しやすいのだろう。
「俺達、重装歩兵隊10名が護衛につく!臆する事はない!
見事初陣を飾ろうと思う奴らはいねーか!希望者は前に出ろ」
すると、50名近くの新兵が前に出てきた、思ったより多くてビックリしたな。
俺の力じゃないんだけどね、けど協力してくれるって事がなんか嬉しいな。
「ふむ、明日いけるのは30名までだ
そこでだな、勇者さん方に10名ずつ選んでもらおうと思う。
もし、選ばれなかったからって恨むんじゃねーぞ!」
「「「「ハッ」」」」
ここで、回されるのか…いい性格してるなギーレさん…
「そこからそっちに10人前でて、明日よろしく」
コウタさん…滅茶苦茶適当ですね…
「では、あなたとあなた…それと後8人はギーレさんお願いします」
カエデは先日一緒に訓練していた2人を選び、ギーレさんに選んでもらっている。
「ッチ…」
コウタ、また不機嫌になってるな…
さて、俺はどうするかな…
一人ずつ目を見ていく、目を逸らす人、睨む人色々居るが
「今、こちらを睨んで来た方前に」
なんとまぁ、丁度10人が前出てきてくれた、10人以上とか以下だったらどうしようかとも思ったけど。
「では、明日はよろしくお願いします」
「ホゥ…シュンは面白い選び方するな、選ばれた奴らは今日は休んでよし、残りは訓練だ、散れ!!」
「「「「ハッ」」」」
そんなに面白い選び方したかな?どっかの漫画で見たような選別方法だったんだけども。
明日の身支度もしなくちゃ行けないしなシャルと2人で準備でもしますかね。
「と言う事で、明日から数日は城を出るので準備手伝ってくれないか?」
「はい!シュン様の為なら喜んでお手伝いします!」
なんというか、すごい元気に返してくれた…シャルはいつもながらいい娘だなぁ。
「では、非常食等一応持っておいたほうがいいと思いますので、市場言ってきますね」
城下町か…そういえば結構居るけど城から出た事が無かったな。
「シャル、俺も一緒していいかな?明日城出るとは言え、城下町の雰囲気を見てみたいからね」
「あ、はい!是非行きましょう!さあ行きましょう!」
元気だなぁ。話をしながら向かう事にした。
城下町の活気は『すごい』の一言だった、さすがは大陸1の街だな。
市場は城の城門から続く大通りにあるんだけども。
色々な店・露店が立ち並んでいた。
「ノワルの活気は大陸1です!」
まるで、自分の事のように喜ぶシャルを見ていると心が和む…
「っと、俺は街の地理わからないからさ、悪いんだけど案内頼むよ」
「はい!、こちらです」
城に居た時は活気なんてわからなかったけど。
やはりこうゆう雰囲気はすごく好きだ。
っと、考え事してたら、シャルを見失う所だった。
うん、道もわからないし大人しくシャルについていこう。
干し肉と防寒着等を買い自室に戻る事にした
街見学とかしたかったけども、明日は日が昇るのと同時に出立との事なんて早めに寝とかないとな。
部屋に戻り、2人と合流してから明日について話をしてから寝る事にした。
朝日が出る、少し前にシャルに起こされた。
そういえば、今日は盗賊討伐をしてこいって事なんだよなぁ。
実感湧かなかったけど、人を殺す…んだよな…
あの二人は抵抗ないのかな…
食堂に着くとカエデだけ居た。
食事を受け取りカエデの横に座る。
「カエデおはよう、早いね」
「おはようございます、そうですね、あまり寝れなくて…」
やはり、カエデも抵抗があるんだろう…生きていくためとは言え人殺しだ。いくら相手が村人を襲い金品や殺人を犯してるといえど抵抗はある。
「昨日は、深く考えず承諾しちゃったけどやっぱり死ぬか生きるかだから、正直怖いよな…」
「…はい…けど承諾しなければ何をされるかわかりませんし…選択肢は無かったと思います」
カエデはやはり、鋭いなって思う、断ったりしたらたぶんもう生きてはいないのではと思う。
ノワルの人々は基本的に優しい人が多いが、警戒というか信頼はされてないと思う。
だからこそ、功績を上げて信頼を得らないと危険なんじゃないかなとね。
食事をしながら話していると。
眠そうにコウタが向かい側に座ってきた。
「はー…おはよ。お二人さんはえーなぁ…」
おはようと返して食事を再開する。
「じゃあ、コウタが食べ終わったら行こうか」
「おーよ」
食事も終わり、兵舎を出ると既に40人全員が待っていた。
「ギーレさんすいません、お待たせしました」
「おはようさん、カエデ昨日は良く眠れたか?余り寝れてなさそうな顔してるが」
「いえ、大丈夫です」
「まぁ、馬車準備してあるから、カエデ達はそれに乗ってくれ」
俺達が何個かあるうちの一つの馬車に乗ると、外からギーレさんの声が聞こえてきた。
「これが勇者と、お前らの初陣となる!相手は山賊だが決して油断はするな!
油断した奴、慌てた奴から死んでいく!いいか!俺達には勇者が着いている!
勇者には我らが守護神『レギシッダ』様の加護がある!俺達に負ける理由はない!
気劣りするな!我らは神と共にあり!出陣!」
「「「「オオオオオ!!」」」」
ううむ…なんというか、重圧が…彼らが死んだら俺たちのせいみたいなもんだよな…
「ッケ、この世界の奴らは無責任すぎていけ好かねぇ…」
俺達からしたらそれは、やはり異常に映るんだろう。
「神がどうだか知らねーけど、結局は自分次第じゃねーか
なんでもかんでも他人に頼ってるんじゃねーっつの」
コウタの気持ちもわかるっちゃわかるがな…。
「不安な時は何かに頼りたくなるもんさ、まぁ、俺も理解はできないけどな」
「ま、足引っ張らなければいいがね」
その後は他愛も無い話をしながら、辺りが暗くなる頃には目的の村についていた。
そこはノワルから南へ約1日いったノワルに一番近い村なんだけど。
普通近い村なら活気があるもんだと思ってました…
40人も泊まれる宿泊施設はないとの事で勇者3人と重装歩兵隊の指揮を執るギーレだけが宿屋に泊まり他は野営する事になるらしい。
ちなみに寂れてる理由は徒歩で1日なので、ほとんどの人は馬車とかでそのまま通りすぎるらしく。
稀にしか人は寄らないらしい。
夜、食事も終え明日の討伐するための作戦を考えようと、カエデから提案があった。
「作戦?そんなの要らないだろう、見つけたら殺すそれで終わりだな」
ギーレ曰く戦いは基本的にそのままぶつかり合いにしかならないらしい。
昔は陣形とか数十名規模で組んで戦ってた時期もあったらしいが。
今では廃れているとの事。
弱者の戦い方=陣形なんだそうな。
たぶんだけど、見得もあるんだろうと一人納得したが。
カエデは納得できないみたいだった。
「明日だが、南東に鉱山跡がある、そこが奴らの根城だ。
数は30人ほどの規模らしい。
大人しく暮らしてくだけなら、よかったんだがな。
この村民から食料や金品等を略奪したための討伐だ。
何、あっちにも部隊が来たのはバレてるだろうから、
鉱山跡の麓、平野で戦う事になるだろうよ」
と、ギーレは言う。
だが、俺としては不安は一つでも潰しておきたい。
俺とカエデは陣形はわからずとも立ち回りや簡単な作戦は立てておこうと言う話をした。
ギーレとコウタは話す事はないと終わる前に寝てしまったが。
2人だけでもと一応作戦は決めておいた。
コウタとギーレの部隊は見つけたらそのまま衝突するだろうと予想して。
俺とカエデの部隊は横から回り混んで挟撃を仕掛ける事にする。
百人千人とかの指示は無理だけど、10人なら声一つでなんとかなるだろうとの見解だ。
不安はまだあるけど、今日はこれぐらいにして、明日頑張ろうと解散する事にした。
起きて宿を出ると、全員準備万端という感じだった。
そこに、コウタも居たのは少し意外だったが。
コウタは足の速さを使って敵の鉱山跡を見に行っていたらしい。
「アチラさんは既にこっちに向かってきてるからな、なるべく早く出ようぜ」
あっちを発見した時には、村に向かっているらしい。
「お前ら、山賊どももやる気だ!、蹴散らすぞ!」
「「「「オオオオッ!」」」」
それを合図に俺達は山賊討伐に向かった。
4話目了
次回は初陣となります。
うまく戦闘が伝わるよう頑張ろう…
矛盾点や、間違い等発見したら教えていただけるとありがたいです。