3話目─自動防御─
なんか、もうキャラの立て方が難しいなぁと3話目で感じてます。
「…左手側が歩兵隊兵舎です、順に騎兵、弓兵、術兵の順になっています」
えーっと…左から右に建物がならんでいて
順に歩兵、騎兵、弓兵、術兵の兵舎となってるのか。
現在、俺は歩兵将軍ことアリエスさんに城や、周辺について教えてもらっている。
城の簡単な地理として
城があり、城の裏側に兵舎がその少し奥に訓練所がある。
城の前方側には魔術用の実験室、まぁ俺が召喚された部屋だな、とかがある術兵研究塔があったり、兵器開発用の塔もある。
なんで、塔かと言うと最上階には兵を置いて敵や賊の早期警戒になるかららしい
で、その外側に城を囲む城壁そして城下町が城を囲んでいる。街の外側は巨大な堀もあるらしく天然ではないが人工の要塞で堅牢差は大陸1だそうだ。
話しは変わるが他の勇者って何処に居るんだろう。
そんなに長い時間ここに居たわけじゃないけど一人ぐらい会ってもおかしくないんじゃないのかな…?
「あの、アリエスさん俺以外の勇者って今は何処に居るんですか?」
「…魔族国境付近に40名…また10名は特殊任務に、ノワルには2名ほどいらっしゃいますが、修練中です」
ふむ、それでも52人、俺含めても53人か…残り15人は何処に居るんだ?
「えっと残りの人は今何処に?」
「…行方はわかっておりません」
「え?」
「行方はわかっておりません」
…はい、2回もありがとうございました…
やっぱり、戦争ってんだから暗殺とか誘拐とか戦死なのかね…戦いたくないなぁ…
今さら戦いたくないとか言っても無理なんだろうけど…
「…我が国のせいで、勇者様には大変なご迷惑をお掛けして…大変申し訳ございません」
頭を下げられてしまった…
なんというか、表情に出てしまってたみたいだなぁ、反省…
「いえ、もう過ぎた事ですし、出来る限りの事はしようと思います」
「あ、それで2人ほど居るというのなら挨拶だけでもしたいなと思ってるんですけど」
「…ご案内します」
と言うと訓練場の方へ歩き出すアリエスさん、無表情だ…
ここの人って皆こうなんだろうか?
将軍職とかになると表情固める魔法使ってたり…?
って思うぐらい無表情なんだよなぁ。
そう思うと昨日の口の悪い奴を見てるとすごく人間味を感じるなぁ。
…腹立つけど
とか、何とか色々考えてたら訓練場らしき場所についた。
ブンッ!ガッ!! フォン!ガツ!
おー…皆真剣な顔で木の剣とか盾使って殴りあってるな…
率直な感想、コレ訓練?
確かに顔は真剣そのものなんだろうけど、如何せん動きが悪い。
傍から見ててもひどい、振ったら体勢崩れてたらダメなんじゃないだろうか…実際はどうなんだかわからないけども…
想像では、もっと部隊組んでーって想像してたんだけどちょっと違うのかな
「…訓練止め…勇者様を残して休憩に行け」
「「「「ハッ」」」」
数百人は居たのか、所狭しと居た人たちは散らばり建物に入っていく者、新しい勇者かと興味心身に見て来る者思い思いに兵士さんがたは散っていった。
そこに、2人ほど他の人達とはちょっと雰囲気が違う人達が近づいてきた。
「アリエス様お疲れ様です」「ちゅーす」
「…お疲れ様です、…こちら68人目の勇者シュン様でございます」
この2人が現在ここに居る勇者か…
礼儀正しい方の人は160あるぐらいの黒髪ポニーテールな女性だ、顔は芸能人かと思うぐらい整っていて、ついつい目を奪われてしまいそうになる。
もう一人の方は俺より少し身長高いぐらいの茶髪にピアス、まぁ普通にそこらに居るような感じの男性だな。
見た目も言動もだが、軽い…よく、殺されなかったな。
「初めまして、長谷川瞬です」
「早乙女カエデと言います、私もこちらに来たばかりですので、お互い頑張りましょう」
「俺はコウタだ、適当に頑張ってなー」
カエデと名乗る少女は礼儀正しいなぁ…笑顔も可愛らしい
だが、男お前はダメだニヤケ顔に目も合わせないとは…
まぁ、来たばかりだから馬鹿にしてるのかもしれないな、追々仲良くなるだろう。
まぁ、第一人称は最悪だけどな…
「よろしく、早乙女さん?とコウタさん?」
「カエデで構いませんよ、こちらの世界では苗字はあまり必要ないみたいですし」
「さんとか気持ちわりいよ、コウタでいいコウタで」
ああ、なんかいいなこの空気…
コウタも態度軽いけどフレンドリーな感じだし
同じ境遇の人が居れば落ち着くって事なんだろうな
その二人もさっきまで訓練してたらしく、軽く汗が浮かんでいる
カエデの方は槍を少し短くして両方に刃がついた、俗に言う薙刀だな。
コウタは刃渡り70cmぐらいの片手で振るにはちょうどよさそうな、まぁショートソードって言われる部類なんだろう。
「…それではシュン様、こちらへ扱う武器等ございますので、選んでいただきから訓練兵達に挨拶の方お願いします」
「はい、じゃあ2人とも、また後で」
「また、後ほど」「またな~」
脇にある建物武器庫とかかな?に案内され入ってみる
そこには、コウタが持ってる様な片手で持つ剣やそれよりも長い両手で持つような大剣
自分と同じぐらいの槍や3mはあるのではないかという長い槍
弓などもあった。
「異世界に来たって思ったけど、実感するなぁ…」
「…シュウ様、お好きな物をお選びください」
そう、言われても何がいいのかねぇ…
まぁ、よくわからないしね。
片手に収まる剣と盾あたりがいいかな?
ということで、簡単にではあるけれど。
鉄製の両刃の片手剣刃渡り90cmぐらいのロングソードと鉄の丸盾を手に取ってみる。
重さは思ったより軽いというか、本当に鉄なのかと思うぐらい軽い。
持ちなれない物だから違和感はあるけれど数日使ってれば馴染むだろうと思い、これにする。
「……そちらでよろしいのですか?」
何か少し驚いた?なんだろう…意外な反応だ。
「?…はい、重さも苦にはなりませんし、とりあえずはこれを使おうかと思います」
「…ふむ…では、戻りましょうか」
ん?なんだろう?確かに少しでかいかなって思ったけど逆にこれぐらいないと軽すぎるかなぁって思ったからなんだけどな…。
訓練場に戻ると訓練を始めるため集まっていた。
「…では、シュン様も訓練に参加していただいてよろしいでしょうか?」
「はあ、戦うためにも訓練はしておきたかったので、こちらからお願いしたいぐらいです
ですが、戦闘に関してはわからないことだらけですので、何をしていいのか」
「そうですね、現在ここに居るのは新兵がほとんどですので、連携よりも個々の能力向上を行っておりまして。
お互いに木剣などで戦わせてるわけです」
なるほど、だから皆動きが悪いって思えたのか、やっぱり一般人から兵士になるのは大変だもんな。
「では、休憩終わり!各々戦闘訓練開始!」
「「「「ハッ!!」」」」
息はすごい合ってるなぁと思うんだけど、やっぱりどこか動きが悪い。
近くでコウタとカエデも2人で打ち合いしているみたいだ。
というか、コウタがカエデに訓練してもらってるって感じだな…
俺もああならないよう、頑張るか…
やっぱり女性に守ってもらうのって男として悲しいものがあるしね。
「…では、シュウ様の相手は私でも構いませんか?」
「あ、はい…お手柔らかにお願いします…」
将軍様自らですか!骨とか折れなきゃいいんだけども…
「…でわ、ッフ!!」
ちょっ!?お互い構えたと思ったらいきなり斬りかかられた!というか、それ真剣じゃないですか!?
死ぬ!死ぬ!マジ死ぬ!
フォン!!
あー俺死んだな…
とか冷静に太刀筋を見てる自分に少し驚きつつ身体が動いた事に自分でビックリする。
ガキィン!キンッ!ガッ!ギン!
そういえば、俺には自動防御なる能力あったんだっけな。
俺の両腕が自分のもんじゃないみたいに動いてるよ…
アリエスさんの止まらない打ち込みを自分の意思じゃないけど尽く防ぐ俺
やはり、将軍だけあってこの中では一番強いんだろう。
他の兵士、カエデやコウタも手を止めて俺とアリエスさんの打ち合い(というか一方的なんだが)に釘付けのようで。
自分の意思とは裏腹に全ての攻撃を危なげなく防いでいく
というか、これ訓練なのか!?アリエスさん全然止まってくれないから打ち込めないんだけど!
ぶっちゃけると防戦一方でアリエスさんの猛攻に、ただ俺が剣と盾で防ぐだけの風景
何十と防いでるうちに、ひとつ気付いた事があるんだが、これって俺は片手空いてるんだから攻撃できるんじゃないか…?
そう思い、ちょうど左手の盾でアリエスの剣戟を防いだ瞬間に突きを放つ
フォン!シュッ!ガッ!!
ほぼ、同時に剣戟に合わせた突きに反応を見せ後ろに跳躍し距離をとるアリエス
「…なるほど…」
何がなるほどなんだろうと思ってると
「「「「おお…」」」」
周りから聞こえる感嘆の声
まぁ、自分でもビックリなんだけどね…
「シュンさんすごいです!私最初のころはあんなに耐えれませんでしたし、反撃までするなんて!」
「ッチ…」
なんか、女性に褒められると照れるな…コウタは面白くなさそうに舌打ちまでしてるが。
「いや、これは俺の能力のおかげだからね…」
「能力ですか?私の肉体強化みたいなものですよね?」
「うん、俺は肉体強化、魔力強化、自動防御って能力らしくてね、意識的、無意識的に攻撃を防ぐ能力らしいよ」
「3つも…ですか?3つも能力持ってる人は初めて聞きました!」
ふむ…カエデが言うに能力を3つもってる勇者は珍しく、普通は一つや二つらしい、そして殆どが身体能力が高くなってたり魔力が高かったりだそうだ。
なので、俺の『自動防御』はそれなりに珍しいらしい。
「…そうですね、攻撃は良いとは言えませんが、ある修練を重ねれば私など楽に越える逸材かと思われます」
「イマイチ実感湧きませんが…ありがとうございます」
「シュウ様、そちらは勇者様に差し上げます、今後暮らす兵舎へご案内しますので、…こちらへ」
もらえるという事なんで、剣と盾はもらっておきますか。
着いていくと、さっき説明された歩兵兵舎に案内された。
「こちらが今後シュウ様が過ごす部屋となります、足りない家具などございましたら、そちらのものに申しつけください」
そちら?っとアリエスさんが向いてる方を向いてみると
「こ、今後シュウ様のお世話をさせていただきます、シャ、シャルと申します、よ、よろしくお願いします」
メイドさんが居た…身長は150から160の真ん中ぐらいだろう、顔立ちからして年齢も14,5ぐらいじゃないかと思うぐらい幼い。城仕えのためか、やはり顔は整っていてこっちの世界だったら間違いなくモテまくるレベルだろう
かなり、緊張してるみたいで顔も真っ赤で今朝のメイドさんと見比べると完成度というか明らかに違うが、俺としては親しみやすいし可愛らしいなっと…
「シュウです、よろしくお願いします」
「は、はひ!」
まぁ、緊張しちゃってるねぇ…なんか、あまり慣れないせいか落ち着かないものだなぁ。
「…では、後はそちらの者に任せますので、私はこれで…」
「あ、はいありがとうございました」
アリエスさんが部屋から出るのを見送ってからシャルに話かける。
「あー…あまり緊張されると、俺も慣れてないからさ、できればもっと普通にしてもらいたいなって思うんで」
「も申し訳ございません!不快感を与えてしまいまして!ですがお命だけは!?」
ぬあっ!?な、何かめっちゃ涙目になられてる…ううーむ…そんなつもりじゃないんだけどなぁ
「えっと…不快感とかじゃなくて、対等にとは行かないまでも緊張しない感じにお願いできないかなぁって、それにこんな事じゃ照れはするけど不快感なんて感じないし罰を与えもしないよ」
なるべく、笑顔で諭すように…心掛けないと。
「で、ですが…メイド長からは不手際のないよう丁重にと仰せつかっておりまして・・・」
「あ~、わかった、じゃあこれは命令ね?怒られるって時は良いけど、二人の時とかは畏まらないようのね」
「はい!精一杯畏まらないよう頑張ります!」
な、なんか違うんだけど…まぁ可愛いしいいかねぇ…
それから少しの間、シャルと他愛の無い話や足りない物等はなしてる時
鐘の音が鳴り響いた
「ん?シャルこの鐘の音は?」
「あ、これは訓練終了の知らせと晩御飯の時間を知らせる鐘の音です!」
と言うことなので、兵舎にある食堂に案内してもらう事にした。気付けば日も落ちてあたりは暗くなっていたしな。
食堂には溢れる人
兵舎には基本的に仕官部屋と兵卒部屋に分けられてるらしく1部屋に12人ほど入れるらしい
つーか…何人いるんだこれ…
「あ、シュウさんこちら空いてますよ、一緒に食べませんか?」
料理のもらい方などレクチャーしてもらって席を探してると、横から声が聞こえた。
「カエデとコウタか、一緒してもらっていいかな?
「はい!同じ世界の人が居てくれた方がこちらも安心ですから」
コウタはというと目も合わせようとはしてこなかった。
まぁ…なんというか豪く嫌われたもんだなぁ。
「そっか、じゃあお邪魔させてもらうよ」
食事をしながら、俺達が居た世界の事についてや、戦闘の時の動き等話してると
「飯食ったし先戻るわ」
ううむ、なんかどんどんコウタに嫌われていってる気がするな…同じ世界の人間だなからこそ仲良くしておきたいんだが。
「たぶんシュウさんがアリエスさんに、気に入られたのが気に入らないのではないでしょうか?」
「俺がアリエスさんに?」
「はい、コウタさんのときは手合わせは勿論装備も他の人に任せていましたから」
そう…なのかな…?
「そのうち、元に戻りますよ。ご飯も食べましたし明日も訓練等あると思いますので失礼しますね」
「ああ、お疲れ様、明日からよろしく」
そう言って俺達も解散する事にした。
部屋に戻ると寝る準備は全てシャルがやってくれてたみたいだ。
「あーっとシャル…お風呂とかって入れたりしないのかな?」
気付けば2日ほど風呂に入ってなかったし、アリエスさんと手合わせもしたから、若干だが気になるわけでな…
「はぁ…お風呂ですか…?」
もしかして風呂が通じないだと!
「湯浴みだっけ…?身体の汚れとか落としたいんだけど…」
「あ、いえ!あるのですが、王族の方しか入れないと決められておりまして…メイド長にご連絡しまして明日どうかとお聞きしておきますが…」
あー…風呂って貴重なのか…?
魔法とかあるから結構復旧してるのかと思ったんだけどそうでもないんだなぁ…
「いや、汚れとか臭い落としたいだけだから湯浴みとかでも全然大丈夫です」
「では、明日の朝にでも準備の方させていただきます」
「ありがとう」
そう返すと真っ赤になりながらすごい勢いでお辞儀された。
なんというか、メイド好きだって言う人達の気持ちが少しわかった気がした…。
「ではシュウ様私はこれで、失礼します。時間になりましたら起こしに参りますので…おやすみなさい」
「はい、おやすみ」
シャルも退室して、寝ようかと思ったわけだが、全然眠くない…
まぁ、それでも目瞑ってたら適当に寝れるだろうと、布団に入る事にした。
眠くないとは思ったけど、やはりベットは柔らかいわけで…
寝るまでにそこまで掛からなかった。
3話目了
説明文が今回も多いって感じですね
戦闘描写なのか…?気持ち戦闘っぽく挑戦してみたけども。
読ませる内容かは…うーん、難しい。
今後も頑張っていこうかと思います。