番外4─ココスの受難②─
後半です。
というか、今回ココスが壊れ気味な気が…まぁ、いいかな。
「だ、大丈夫ですか…?」
ルーカス殿に声を掛けるが返事はない。
や、やはり…あそこを…
『あー…これは酷い…ヘタしたら死んでるかもな』
『おーい、誰か顔を見てきてくれ、あと衛生兵も頼む』
『ムッツリな結果がこれか…おお怖い…』
『お、俺も痛くなってきたかも…』
何があったかと言うと…
「確かに、その通りですね…真剣勝負の最中に周りを気にしてる場合ではないです」
つい、意識を周りに飛ばしたと感じた瞬間に這う姿勢から突っ込み、腰へと突きを放つ。
『し、しまっ!』
「あっ……」
思った以上に疲れた溜まっていたみたいで、足が滑り、剣が飛んでいってしまった。
そこまでは、まぁいいのですが…
その…拳が…ルーカス殿の股間に…はい…殴ってしまいました。
それで今に至るといった感じでしょうか。
『まぁ、ルーカスっぽいな』
『確かに隊長っぽいですね』
『まぁ、酒の肴としては最高ですね』
そんな笑っていられる事なの!?
下手したら…その…子供が出来なくなってしまうかもしれないのに…
『まぁ、ココスさん、気にしないでくださいよ。
そんな事より時間もいい時だ、飯にしましょうぜ』
『じゃあ席とってきますわ!ココス様の席は俺が開けとくぜ!』
『抜け駆けなんてさせるか!』
『おー…俺の席もついでによろしく』
ゴルハーゲン殿に着いていき騒がしくも楽しい昼食を済ませたのですが。
午後の練兵ではルーカスさんが戻って来なくかなり心配してしまいました。
『あのムッツリめ…これが狙いだったか…』
というゴルハーゲン殿の発言です。
夜になり、彼等と夕御飯も済ませ、部屋に戻ったのですがシュン様の姿はありません。
まだ戻ってないのかな…今日は何時頃戻るのでしょうか…
少しの間待っているとドアを叩く音が聞こえた。
シュン様かな?
「今開けます~シュン様遅かった…です…ね?」
うああ~アイルーン様でした…
なんと恥ずかしいミスを…
『ああ…すいませんシュン様ではなくて…』
気まずい…そうゆう反応気まずいですから!
「い、いえ…気にしないでください…それで用件は?」
『シュン様の事で…』
「!?シュン様に何かあったのですか!?」
もしや、シュン様の身に危険が!?
『いえ、シュン様は今後国王様と一緒の部屋で過ごす事になりましたので。
そのご報告をと思いまして…』
は…はいいいいい!?
なんで!?
どうして!?
レグ国王様とシュン様が同じ部屋で過ごす!?
こ、これは…シュン様がレグ国に行ってしまうという…事…?
そ、そうなったら…
「ココス~俺が折角苦労して連れてきたシュンをレグ国に渡したそうだなぁ?」
「シュンちゃんがいないとヒナは寂しいなぁ…」
「……無能…」
「ココスは某よりも…なんでもゴザらんよ~」
「…ココス殿…私は貴方を信頼してシュン様をレグ国へ預けたのですよ…その貴方が…何をしていたのですか!?」
あ、ああ…終わった…
私は今後どうやって過ごして行けばいいか…
『話を続けてもよろしいですか?』
「あ……はい………」
『今後ですが、シュン様は基本的に国王様の部屋で過ごす事になっておりますが。
彼の意見を尊重しています…
それと、決してレグ国に取り込もう等とは考えておりませんので安心してください』
それでも…シュン様はお優しいから…
ああ…いっそ私を殺してえええ!
『え、ええといいですか?』
「はい……」
『一応、ココス様のお気持ちもあると思いますので、ちゃんとこの部屋に数日に1回ぐらいは戻るように言いますので、安心してください』
本当だろうか…
シュン様が私の許から離れないですよね?
なんとしても!シュン様を離れさせる訳には行きません!
既成事実を作ってでも!
き、規制事実…つ、つまり…子…何を言っているのですか私は!?
『あのう…ココス様?』
「あ、ひゃい!」
か、噛んだ…恥ずかしすぎる…
『とりあえず、今日は王の間で寝ると仰ってますが、明日はこちらに戻るよういいますので…』
「は、はい!ありがとうございます」
『では…おやすみなさい』
「アイルーン様!」
『はい?』
「ありがとうございます!」
『いえいえ…頑張ってください』
ああ…全て見透かされてるのですね…何故すぐバレてしまうのでしょう?
私ってそんなにわかりやすいのかな。
けど、シュン様にはまったく見向きもされないのに…
そろそろ寝ようと思ったとき。
何処からか誰かの…悲鳴が聞こえた気がしたけど、気にする事はないでしょう。
さて…未来の予想でも……シュン様と…って違う違う!
なんで、あんな事考えているの!?
うん!寝ましょう。
シュン様と寝る…?
もしも現実になったら…フフフ…
違うって!ああもうダメです、頭から抜けない…
寝るのですよ私!
後半は受難って気がしない…か?
あ、ちなみに悲鳴の正体はある人のお父さんです。
アイルーンさんの魔法で尋問されてるらしい。
話として、国王が死ぬまで一緒に居させるつもりでしたが、話も広がらんだろうと思ったので。
ココスさんの所にちゃんと行かせるようにしました。
通い妻って言葉が浮かんだけどたぶん気のせいです。
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次回更新は5日ぐらい空くかも知れません。