1話目─68人目─
はじめまして。こちらは処女作となります
見苦しい点など多々あると思いますが、楽しんでもらえれば幸いです
「お先失礼します!」
今日のバイトも終わり、残っているスタッフの方々に挨拶をして急ぎ足で職場を後にする。
「給料も入ったし、今日は久しぶりにお酒でも飲むかなぁ…」
誰に言うでもなく、独り言を言いながら家の近くのコンビニで酒と晩飯を買い、帰路につく。
俺は長谷川瞬、慎重は173cm程で平均程度の中肉中背だ、今年22になる、まぁ…恥ずかしながらフリーターだ。
昼過ぎから夜遅くまでバイトをこなし、帰って寝る、起きたらバイトという、胸は張れないが自分也に満足してる生活を送っている。
まぁ、だからといって、欲が無いわけじゃないがね。
とか、何を考えてるやら。
ご飯も食べ、自分では豪華なビールを飲みながら苦笑したりしなかったり。
一息ついたあたりでテレビを点け、ニュースを見る。
最近多発してる事件の事を報道してるようだった。
『これで失踪者は70名を超えており、未だに失踪者の行方ははっきりしておらず、犯人の目処も立っておりません』
「なんというか、こんだけ失踪者が増えてると、別世界に飛ばされてたりしてな」
この失踪事件は全国でおきているらしく。
東京や大阪など人工の多い場所が比較的失踪者が多いが、それでも全国で相次いでいるらしい。犯人の行方等全てが謎でニュース等でもよく取り上げられている
「ま、つっても俺とかはさすがにありえんでしょう、そんな事より明日も仕事だし、いい加減眠いから寝るかね」
今日も仕事後の疲労感と食後の満腹感に軽く睡魔に襲われてるので寝ようかとしてる時に、予想外の事が起きた。
つか、誰がこんな事予想できようか…
いきなり部屋全体が明るくなったと思ったら、俺の身体が発光しだしたんだ。
「は…?ちょっ…何こ…れってうわっ!」
目も開けられないほど発光しだして、つい目を閉じてしまった。
そして、目を開けたとき視界というか…世界が変わっていたんだ・・・
「いや…本当に何コレ…」
自分の部屋に居たはずが、気付いたら黒いローブに身を包んだ人?達が俺を中心に囲んで立っていたんだ…
呆けていると、目の前のローブの人?が老人の様なしわがれた声で俺に
「よくぞ、いらっしゃいました…貴方様で68人目の勇者候補でございます」
はい?68人目?勇者候補?この人は何を言ってらっしゃるんですか?
俺がまったく反応できずにいると。
その右隣にいる人がちょっとイライラした口調で
「将軍!こいつは本当に勇者候補の一人なんですか!?見た限り頭の回転も遅いし、頭も悪そうだぞ、気品も全く感じられないんですが、酒場に居るようなゴロツキぐらいにしか見えません」
その声は見た目とは裏腹に(といっても黒いローブで隠れてる為、どうゆう顔なのかサッパリ見えないわけだが)声は高く女性にも男性にも思えるような中性的な声だったわけなんだが。
さすがに、状況は読めないまでも悪く言われてるのはさすがにわかる訳で、俺はそこまで短気ではないと思うが、さすがにムッとくるものがあってだな
「あんたが誰か知らないが、ココが何処で、あんた等が誰なのか、それぐらいの説明もできないのか?」
まぁ、突然の事だし、眠いわけで機嫌も悪いし、イマイチ歯止めが効かなくて
「俺は、自分の部屋に居たはずなのに、こんな訳のわからない場所に居て、なんであんたにそんな事言われなきゃいけないんだよ」
なんか、軽く文句言ったら、めっちゃ空気悪くなってんですけどー!
周りにいる人達の方から金属が擦れるような音なってる!怖い!ものすごく怖い!
「貴様!誰に口を「よしなさい…説明不足だったのは確かなのだ、我等にも非はあるだろう」…ハッ!申し訳ございません将軍…」
怒鳴ろうとした所で、目の前の将軍?と呼ばれてる人が注意をしてくれた
「我が国の者が大変失礼を致して申し訳ございません」
「あ、いえこちらこそ、つい頭に血が上ってしまってすいませんでした…」
自分にも原因はあるんだが、こうも謝罪をされてしまうと、どうにも罪悪感があるわけで・・・
「あの、それで此処が何処なのか貴方達は誰なのか、そして、自分は何故こんな所に居るのは説明をして頂いてもよろしいでしょうか?」
うん…自分ながら冷静っぽくできたはずだ…自慢では無いが、接客業には慣れてる気がするからな!
「そうですね…まず、ここは『ベルーシェ大陸』にある『ノワル王国』の首都『ノワル』です、そして私達はその国の魔術隊の者です」
ん?聞いた事もない大陸だったり国名だし、今の時代王国ってのも珍しいな…そして普通は聞きなれない単語があるんだけども。
「ベルー…シェ?ノワル…?えっと、聞いた事もないのですが…その、魔術部隊というのは…?」
「聞いた事もないのは当然かと思います、ここは貴方が居た場所とは世界が違うのですから、そして魔術隊とは言葉の通り魔術を得意とした部隊の事です」
なんか、余計混乱していると、将軍はそのまま説明を続けて
「そして、貴方は、この世界を救う勇者の一人として召喚させていただきました」
「ちょ、ちょっと待ってください!、俺はしがないフリーターですよ!?なんで勇者なんて…」
「ふりーたーが何かは知りません…ですが、この世界の神『レギシッダ』様のお導きなのです。どうかお願いです我らをお救いください『勇者殿』」
いやいや…ま、まったく訳がわからない…
全部が全部わからないわけではないんだけど…どうしてこうなったんだろうか。
認めたくないけども…
「ここは異世界で、俺は勇者候補なのは良いとして…良くは無いけども、救うって具体的にはどうすればいいんでしょうか?」
うん…具体的な目的がないとね、魔王を倒してくださいとかだったら嫌だなぁ…
「魔王を倒していただきたいのです」
What?失礼、何?
「魔王って、魔族の王と書いて魔王ですか?」
「はい、魔族の王にして魔王、その討伐をお願いしたいのです」
「俺は武術とか剣術とか勿論魔術だってまったくできないんですよ!?そんなので魔王を倒せと言われても無理です!」
「お願いするのにも理由はあるのですが…」
「いやいや!どんな理由があろうと、俺は一般人です!平民です!」
有無を言わさず拒否!拒絶!絶対無理!言ってたら右隣の中性的な声の奴が
「言っておくが、ここで死ぬか、魔王を倒して生き残るかしか、貴様には選択肢がないからな。拒否するのなら、殺してやる」
「なんだそれ!お願いじゃなくて脅迫だろ!ふざけんなよ!」
「嫌ならいいんだ、殺すだけだからな」
なんとまぁ…そんなに俺を殺したいってわけね…まぁ、けどまだ死にたいわけではないので。
「不満はあるけど、死にたくないから…一応協力するさせてもらいます…」
本当に不満はあるけどな!
「おお…勇者様ありがとうございます!本日はお疲れでしょう今日の所はおやすみください、詳細は翌日させていただきますゆえ」
「はぁ…わかりました、それでここで寝ろって事なんでしょうか?」
「いえ、客室の方はすでにご用意させていただいております、ガーナ頼みましたよ」
「ハッ!かしこまりました、…貴様よかったな、断ってたら炭と化していたものを、さぁ客室に案内してやる、付いて来い」
ガーナとか言う中性的な声の奴、腹が立つ…いつか、絶対いつか見返してやるわ!
案内された客室は、どっかの国のホテルかと思わせるほどの豪華さで…なんというか…悪い気はしないな、うん…
ベットは、俺の部屋のベットなんか比べられないぐらいの柔らかい。そして、なんていい香りなんだ…
「俺の部屋のベットは硬くてぶっちゃけ、痛いからな…」
ちょっと自分の部屋について絶望しながらも極度の緊張と疲労で夢の中に入るのはすぐだった…
とりあえず、1話目?了です
右も左もわからない状態で書いてたりするので
アドバイス・感想等ありましたら喜びます