第三話 レイスとライクス。二つの名前を持つ王子
やっとエピソード4が動き出したので書きためて本来の新作連載に回したいです。これも途中までで14話しかありません。つないでつないで第一部完筆してから載せます。魚好きが高じて婚約破棄されました。は。それではずずいっとどうぞ。
魔法の遺産~運命の紡ぎ手~ 第三話 レイスとライクス。二つの名前を持つ王子
「旅?」
セレーナはきょとんとしている。
「この石版を見つけたからには残りの半分を見つけてもらわないと行けない、という決まりがあるんだ」
「そんな呆れた決まり誰が作ったの?」
ステラの呆れた声にマルコムは答える。
「君のご先祖だよ」
「呆れた王様ね。これには光と闇がなんやらとは、書いてるけれど、それを集めてどうするの?」
「この二分された世界を統一することになる。この国、シルヴァリア王国は光、君の王国ノクトリア帝国は闇を象徴している。そして我々自身の中にも光と闇がある」
そこまで言ってマルコムは時計を見た。
「ステラはもう上がりだね? 私が王宮に出向こう。お母上にも話すべき事があるんだろう?」
そう言ってライクスの方を見る。
「俺はレイス。そこの生意気な女は俺を王子と言ってるけれど、そんなお高い者じゃない。ただ、記憶がないため周辺諸国を巡って記憶の欠片をあつめている」
偉そうに言うのをステラは文句をつけたかったがマルコムが見て慌てて言葉を飲み込む。
「レイス、か。今はそう呼ぼう。ステラもいいね?」
「まぁ。それはいいけれど……」
「とにかく、片付けをして王宮へ急ぐよ。さっさと禁帯出本を直して」
マルコムは手伝わない。石版を持っていく準備をしている。あと一日しか本には触れられないステラは懸命に仕事をする。見ていたレイスと言った青年は見かねて手伝う。
「重たい本を持ってどうして笑ってるんだ?」
ライクスの質問にステラは固まる。
「あら。どうしてかしら。本が好きなだけなのに、この仕事も好きになってしまったみたいね。もう、戻れないのに」
悲しげに瞳が揺れるのを見てレイスという青年はなんとかしたかった。しかし、自分にはそんな力はない。
「セレーネは王族なのか?」
「ええ」
上の空でステラは答える。本に夢中になっている。
「王族はここの仕事はできないな」
「ええ」
とまた上の空。このイライラさせられる王族の娘がどうしてこんな一般人のいる図書館で働いているのだろうか。
「本が好きなんだよ。ステラ姫は。私だけが彼女の身分を知っている。だから他の司書達にも内緒にしておいてくれ」
「はぁ」
飄々としたマルコムにも気がそがれる。この国には生意気な姫と鈍いナイフのような責任者しかいないのだろうか。考えている内にステラの仕事は終わり、マルコムに引き連連れられて石版と共に王宮へと向かったのだった。
ライクスとレイス。どちらが本当の自分なのか、記憶を失った青年はただ、それだけを考えていた。
ここまで読んでくださってありがとうございました。
チャットGPT様5になって異常に細かくなりましたが、名前の重複とかがチャットごとに違って、どれが正解?というようにチャットごとに性格があるようで。メモリにため込んでるようですが。引っ張ってこれた話もありますが、なかなか手強い。それではまた次話でお会いしましょう