表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
AI少女、今日も成長中!  作者: 回路屋
第1章:日常篇
7/15

第7話:襲撃

時刻は深夜0時を回ろうとしていた。

レイナたちは、ナターシャが調べた人身売買組織のアジトへと足を運んでいた。

レイナは、首から黒い鍵をかけている。

ナターシャはいつもの服装と違い全身黒色の服を着こんでいた。

「ここが、例の組織のアジトです。」

「意外と大きいね。」

「アジト前には、監視者が2名。先ほど調べてきましたが、裏口にも1名の監視者がいました。」

「かなり厳重な警備だね。」

「よほどばれたくないことがあるのでしょう。」


すると、ナズナが後ろから現れた。

ナズナはいつものメイド服に加え、腰に長剣(ちょうけん)を携えていた。

「状況を見てきましたが、裏口の方が手薄でした。」

「ここは全員で裏口から攻める?」

「それだと、簡単にボスに逃げられますね。」

「レイナ様、ナターシャ先輩、ここは私にお任せください。」

「うん。ナズナちゃんはこっちの方が得意だもんね。そっちは頼んだよ。」

「ナズナさん、危険だと判断したら即座に撤退してね。」


こうして、レイナとナターシャは裏口へと回り、ナズナは表口で待ち構え準備完了の合図を待っていた。

「ナズナちゃん、こちら裏口に着いたよ。後は思いっきり暴れちゃって!」

「承知しました。お二人ともご武運を。」


ナズナは隠れていた草むらからおもむろに出た。

その姿を表口の監視者は即座に気づいた。

「そこのお前!そこで何をしている!」

「女じゃないか。こんなところで一人で何してやがる!」

その瞬間、ナズナの(まと)う気配が冷徹なものへと変わった。

「御二方、おとなしく道を開けていただけますか?」

「通すわけねぇだろ!」

「敵で間違いなし!即ころ…。」

監視者2人は、ナズナに向かい持っていた拳銃を向けた。

しかし、銃口を向けた先にナズナは既にいなかった。

「なっ!?どこに!?」

「ばか!落ち着け!」

「命は取りません。でも、その危険物はお取下げしますね。」

ナズナは超低空で、監視者の懐に潜り込み拳銃を長剣で切り刻んだ。

その直後、ナズナは流れるように剣の柄でみぞおちを突き、一気に気絶させた。


それは一瞬の出来事であったが、内部の構成員が表口に集結し始めていた。

監視者はナズナを敵と判断するや否や、危険と判断し即座に危険信号を送っていた。

「あら、監視の方は優秀だったようですね。」

「誰だか知らんが、即座に抹殺だ!」

「もう、昔の私ではありません。全員無力化します。」

ナズナは剣を構えると、一気に前に踏み込み向かってくる敵を粉砕していった。


この音は、裏口にいる2人にも聞こえていた。

「ナズナちゃん久々の大暴れでございまーす。」

「ナターシャさん!ここ戦場なんだからふざけないでくださいよ!」

「ごめんごめん。さてこちらも動きましょうか。」

すると、ナターシャは気配を完全に遮断し、敵の背後に回り込んだ。

そして、すぐさま柔道の技で締め落とした。

その姿を確認したレイナは、ナターシャの近くに駆け寄った。

「ナターシャさん、今のどうやったんですか?私の探知レーダーにも映らなくなったんですけど。」

「これはですね。私の固有能力『気配遮断(けはいしゃだん)』を使用したからです。これを使うと、私自身の気配を完全に遮断することができるんですよね。」

「固有能力?」

「あぁ、レイナさんはまだ勉強していなかったんですね。簡単に言うと、「魔力(まりょく)」もしくは「神力(じんりょく)」を使い、個人個人が所有する能力を使うことができるんです。」

「つまり、私も固有能力があるってこと?」

「レイナさんにもありますよ。後で確認してみましょう。まずは、目の前の敵をつぶしましょうか。」


ナターシャたちは裏口から、静かに内部に侵入した。

表口で、ナズナが暴れているおかげで2人は静かに進むことができた。

「ここまで静かだと、逆に不気味ですね。」

「そうだね。油断はいけないよ。」

しばらく歩くと、明らかに怪しい重厚感あふれる鉄の扉が現れた。

「これって、明らかに明らかだよね。」

「おそらく、ここ地下に子供たちが監禁されてるかもですね。」

「でもこれ特殊な鍵掛かってるね。これ私の拳でも破壊できないかも。」

「時間的に鍵を探している時間もないですし、どうしますか?」

「ふっふっふ。心配いらないよ。私にはお父さんからもらった武器があるんだ!」

そういうとレイナは黒い鍵を取り出した。その黒い鍵が光り始め、その光から黒色の奇怪な武器が現れた。

それを見たナターシャの顔が青ざめていく。

「そ、それって…。まさか…。」

「せいかーい!『黒錠(こくじょう)』でーす!」

その形状は異様かつ独特で、薙刀(なぎなた)戦斧(せんぷ)(やり)砲撃銃(ほうげきじゅう)の要素が組み合わさって形成されている。

「(そ、それは、対軍隊・対大型兵器・対城攻略で昔ご主人が趣味と気まぐれで作ってしばらく使っていた超浪漫(ちょうろまん)特殊兵器(とくしゅへいき)じゃん!)」

「さーて、この扉破壊しちゃお!」

「(やばいやばいやばいやばい。)」

レイナが振りかぶった瞬間、ナターシャは自身の前方に防壁を貼りながら一気に後退した。

その次の瞬間、凄まじい破壊音と衝撃波がアジト全体を包んだ。

ナターシャはかなりの距離をとったが、さらに5mほど吹き飛ばされ頭を壁にぶつけてしまった。


「あれ?ナターシャさん~?」

しばらくすると、土煙の中から衣服が少しボロボロになり、頭から軽く出血したナターシャが現れた。

「れ、レイナさん、それもうしまってください。私の身体が持たないです…。」

「あっ…。ごめんなさい。」

「多少の被害は出ましたが、なんとか扉が開きましたね。(周りの壁が諸々破壊されているから、開いたと言っていいのかな?)」

「そうだね。この先は階段につながっているみたい。」

「気を付けて降りていきましょう。」


薄暗い階段をしばらく降りていくと、地下牢につながっていた。

そこには、檻が設置されており中には栄養失調気味の獣人族の子供が囚われていた。

「これは…。」

「ひどいですね…。」

すぐさまレイナは檻に駆け寄り、檻の入口を握ると一気に出力を上げ、その入り口を腕力で破壊した。

「みんな、大丈夫?」

「お姉ちゃん…誰…?」

「お姉ちゃんはね、みんなを助けに来たんだよ。」

「レイナさん。見た感じ、全員ただの栄養失調で弱ってるだけみたいです。このまま、病院に運び込みましょう。」


しかし次の瞬間、ナターシャの第六感が危険を察知した。

「(っ!まさか、敵!?)」

しかし、それは遅すぎた。

ナターシャの背後から突如、銃弾が放たれた。

「がっ!(しまった…!これは、筋弛緩剤(きんしかんざい)入り銃弾…。)」

ナターシャは、気を失うことはなかったもののその場にぐったりと倒れてしまった。

「ナターシャさん!?」

「レイナさん…。子供たちだけでも連れて今すぐに逃げてください…。」

すると、地下牢の入口から一人の男が現れた。

「困るなぁ。そいつらは俺らの商品なの。」

「あなた誰?」

「俺はこの組織のボスやってるもんだぁ。衝撃音がして来てみればこのありさまぁ…。これは、お前らにも商品になってもらうしかないなぁ。」

「あなたが、この組織のボスね。何でこんなことするの?」

「高値で売れるからに決まってんだろぉ!そういえば少し前に、お前らと同じように助けに来た親もいたなぁ…。でも見せしめに子供たちの前で殺したときは最高だったなぁ。」

「あなた、心がないわね…。」

その言葉に、レイナは怒りが込み上げてきた。まるで胸の奥が厚くなるように感じた。

「(私一人でも、あいつを無力化することはできる。でも、子供たちの前で血生臭いことは見せられない…。)」

「レイナさん…。早く逃げてください…。」

「この状況で、お前らが逃げられるわけないじゃ…。」

男が右腕で拳銃を構えた、その次の瞬間だった。

「その腕、いらないでしょ。」

男の右腕がありえない方向に折れ曲がった。

あまりの速度に痛みが遅れてくる。

「ぐわあああ!」

続くように、男の側頭部に上段蹴りが入った。

「かはっ…。」

男はその場に倒れ、意識を失った。


突然のことに、レイナは理解が追い付いていなかった。

そこには白い衣装に身を包んだ、小柄な狐耳の少女が立っていた。

彼女の放っている気配は、洗礼されていた。

「あなたは…誰?」

「あぁ、初めましてだったわね。私は、獣人族種族王の鈴奈(すずな) (はく)よ。」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ