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異端を狩る者の詩は誰も歌わない  作者: 大嶋コウジ
ワールド弐の二:サダク編:キュンキュンブーメラン
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アルラウネちゃん

 あぁ、ゲームと同じように出て来ちゃったよ、ボスが……植物お化けのアルラウネちゃん。


「アルラウネだよぉ、サダク……」

「うむ……」


 このアルラウネちゃん、中心は女性の姿をしていて髪の長いとても綺麗な姿に見える。だけど、その緑色の身体は中心部から下半身に向かって段々と赤くなっている。この色は獲物の血の色らしい……。

 さらに下半身は大きな花が咲いていて、中心は大きな牙が沢山生えている……、まるで食虫植物みたい。つまり、ここに捕まると二度と逃げれないってこと!

 花の周りには触手のように蔓がうねうねと動いていて、足は無いけどトレントみたいに堅い木のような茎で動いてる。


 この子って、トレントを使って自分のところにおびき寄せて、女性の姿で男を惑わして近づいたら触手で掴んでお腹にポイッとするって噂……。リアルアルラウネちゃん、ヤバすぎるっ!


「サ、サダク……やばいよ」

「レイラ、下がってろ」


『お前たちは何者ぞっ!ここから立ち去れぇぇっ!』


「しゃ、しゃべったぁ~~っ!めちゃくちゃ怒ってるよぉぉっ!!ゲームでしゃべったっけぇぇ?」

「だから、下がってろってっ!げ、げーむ?」


『ここは元々我らの地ぞっ!何故私達を退けるかぁぁぁっ!!』


「え……?」

「し、知らねぇよっ!地主に言うんだなっ!」


『地主だと?あのオークのことかっ!あやつめぇぇ、子どもを食らうてやったが、まだ懲りぬかぁぁぁ』


「う~~……、こ、子どもを食べたぁ~~っ!?」

「な、なにっ!?」


 私は身体が震えた……。あの地主の子どもを、た、食べちゃったの……!?こんな設定はゲームにないぞ……。

 ともかく、私達は逃げるしか無いと判断した。


「お、おい、レイラ……逃げるぞ……」

「う、うん……、あ、あのごめんなさい。私達は帰りますので……」


 しかし、アルラウネちゃんの怒りは収まらず、私達を逃がしてくれなかった。


『ふざけおってっ!逃がすかっ!お前らも食らうてやるわっ!』


「ひぃぃっ!帰ります、帰ります、帰りますぅぅぅ~……」


 だけど、私達は気づいたら既にトレント達に囲まれていて退路を断たれていた。トレント達の眼も真っ赤になっていて恐れを知らなくなっていて、武器を振り回しても全然逃げなくなってた。


「な、なんで逃げてくれないのっ!?」


「あいつに操られているんだ……」


「えぇ……。も、もしかして、帰れない……?」


 もはや私達は戦うしか無かった。


「やるしかないっ!レイラ、気をつけろっ!」


「わ、分かった……。ゴクリ……」


 これってボス戦だよね……?


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