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異端を狩る者の詩は誰も歌わない  作者: 大嶋コウジ
ワールド弐の二:サダク編:キュンキュンブーメラン
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黄昏のランプ

 私とギエナが椅子に座る頃、教室に教師が現れた。

 私はその容姿にギョッとしてしまった。上半身は人間で黒装束をまとっていて大きなコウモリ型の羽が生えていた。ここまでは良いけど、下半身は大きな蛇で器用に歩いていて、ゲーム画面と違って……うん、迫力あるよね……。

 ギエナも彼女を見て驚いたみたい。小声で私に話しかけてきた。


「(うわ、身体が蛇だよ、レイラッ!)」


「(そうだね、よく歩けるよね……)」


 でも、私はギアナだって下半身は蜘蛛だよねって思った。


「聞こえていますよ、え~っと、レイラさんとギアナさんですね」


 私達は小声で話していたんだけど、先生に気づかれてしまった。眼が怖い……。私達は思わず立ち上がってしまった。


「は、は、はいっ!あ、あの……え~っと……」

「お、お、お、おはようございます、先生にあられましてはご機嫌麗しく……」


 私はギエナの言葉で私は吹き出しそうになったけど、必死で我慢した。何よ、ご機嫌麗しくって!


「今年は面白い生徒が多いみたいですね。私は担任のディアデムです。よろしくお願いします」


「よ、よろしく……お願いします」

「よろしゅう……」


 何故か私とギアナは代表のように挨拶しちゃった。みんなもそれで大笑い。先生も呆れていて恥ずかしかったぁ……。


「はぁ、二人とも座りなさい……」


「はい……」

「ショボン……」


「それでは皆さんの魔導器を調べさせてもらいます」


 その後、教室では魔導器の解析ってのがあった。要するにステータス確認?


 ゲーム通り、私は最大魔力が999もあった。これが禍族かとクラスメイトに驚かれた。知ってた、ゲーム通りだもん。し~かし、器が大きくても魔力が無ければ意味は無いのは同じなんだよね……。


 翌日から始まった授業では、すっからかんの魔法のため、ろくに魔法が唱えられず、魔力を回復する薬をもらったときだけ魔法が使えるポンコツ魔道士だった。しかも、魔力は使わずにいるとすぐに無くなってしまう変な体質だった。ゲーム通り!!


「おかしいわね、魔力は、しばらくすると元に戻るんだけど……。種族と関係しているのかしら……」


 ディアデム先生も不思議そうな顔をしていた。


 結局、私は低燃費ランプとバカにされ、そのうち禍族とかけて、「禍燃費まがねんぴランプ」と揶揄されるようになった。

 こ、これもゲームに無かったぞ……、酷い二つ名!う、うん?あだ名か……。違う、悪口よ、悪口!!!


----- * ----- * -----


 コカブは魔導学校の地下深く、とある大部屋に居た。


「……分かっている、友よ。私も疲れてしまいそうだ。

我々はいつまで続ければ良いのだ?


あの子……、レイラとか言ったか。

私は底知れぬ魔導器を感じた時は驚いた。

直接見ずにはいられなかった。


そして、あの姿を見て私は身体が震えた。

数億年ぶりの人間だったのだよ。


しかし、どういう理由で現れたのだ。

いや、現れたこと自体がおかしい。

母星から来たと言ったが、既にあんな状態ではないか。

あの子は何処からどうやってきたのだ。

全く理解ができん。


なに?あの子はお前の声が聞こえていると?

ど、どういうことだ。

ありえぬ、ありえぬぞ。


しかし、友よ、希望が生まれたのではないか?

私達の呪いが遂に解かれるときが来たのではないか?


新しい魔王を産む時が来たのだ」


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