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異端を狩る者の詩は誰も歌わない  作者: 大嶋コウジ
ワールド壱の二:嫌になったら生まれ変われば良いんじゃね?
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出し物決定②

 津名の突拍子もないアイデアは、80年代のアンティークゲーム、ファミコン版の配管工アクションゲームだった。


「さっき、みんなが言ってくれたアイデアも入れられるんじゃないかなぁ」


 しかし、大寬は眉をひそめた。


「著作権はないの?まだ開発会社はあるでしょ?」


「50年以上前のゲームだから切れているさね」


※ なお、現在(2024年時点)は学園祭などで同ゲームを題材として使うことは著作権違反となります。ご注意ください。


「参加してくれた人にキャラクターの画像を重ねてコスプレできるよね」


 大寬と珠川えんは同意せざるを得なかった。


「で、出来るわね……」

「確かに出来るっ!」


 すみは注意事項を伝えた。


「ただし、ドット絵じゃないと著作権に引っかかるから、気をつけるんだよ」


 津名は話を続けた。


「空中に絵を描けるでしょ?箱を作ってボコンって叩いたら何か出てくるみたいな感じにできない?箱から謎解きの問題が出てきて、解くために別の箱を叩くようにするとか」


"この前、教えてあげたやつじゃがね。出来るぞぉ~"


 彼は更にアイデアを出し続けた。


「お化け屋敷は無いけど、地下のステージがあったし。教室を何個か使って水とか空のステージを作るとかどうかなぁ」


 えんは、画像を検索してテンションが上がった。


「はぁ~、アガるじゃんっ!津名君、神ってるっ!……あれ?エンジェってる?宇宙ってる?」


 津名の突拍子もないアイデアだったが、それなりにみんなの意見を取り入れられそうで納得せざるを得なかったが、大寬は納得してはいけないような気がしてならなかった。


「でもでも……こんな絵でしょ?ドット絵?こんなカクカクした絵でみんな言いわけ?」


 しかし、珠川すみの言葉でその言葉もひっくり返った。


「逆に新しいんじゃないかね。今じゃ、ゲームは本物かどうかも分からないぐらいだろ?こんな絵ならみんなも書けるだろうし。余は参加するわけじゃないが賛成だね」


「そうだよね、お姉ちゃんっ!逆にカワモエたんっ!……あっ!可愛くて萌えるよねって意味です……」


 珠川姉妹が納得してしまい大寬は日高に助けを求めた。


「麻帆はどうなのよ」


"あたしは見てるだけだし……。津名氏をサポートだけじゃまいか"


「はぁ~……。分かったわよ。明日、みんなに説明して投票してもらいましょう」


 遂に大寬は諦めて、クラスで発表して投票してもらうことにした。大寬は密かにそこで落とされるだろうと思ってた。


----- * ----- * -----


 教室では、津名達の考えた出し物を電子黒板に表示した。教室には8名ほど、在宅で7名ほどが居て候補を確認した。


┌───────────────────┐

│・コスプレ喫茶            │

│・脱出ゲーム             │

│・お化け屋敷リアル        │

│・配管工アクションゲーム       │

└───────────────────┘


 これらのアイデアについて、津名がそれぞれを説明した。

 その後、皆が机に表示された投票ボタンの「いいね」か「NG」で投票することになって、そのほとんどが配管工アクションゲームに「いいね」が集まって出し物が決定となった。


 津名は、両手を上げてバンザイをした。


「やった~、バンザ~イッ!みんな頑張ろうっ!!」


 説明するために大寬も壇上に居たがニコニコとしていたが内心はあり得ないと憤慨して顔が引きつっていた。


"あ~……。津名め~っ!"


"き、決まっちゃっいましたね、まやちゃんっ!……しかし、今時バンザ~イって言うかいな?"


"あいつぅぅ、配管工の時だけ説明に熱が入りすぎっ!あり得ないでしょっ!"


 珠川えんもこれらここの会話に加わった。


"津名君、テンションバクアゲで大草原っ!"


"あ、大草原といのは、大爆笑という意味です"


「誰に説明してるのよっ!」


 大寬は日高の説明に思わず声を出して怒ってしまったため、顔を真っ赤にして下を向いた。


「……な、何でもありません……」


----- * ----- * -----


 若干一名、自室でこの決定をあざ笑う者がいた。


「はぁ?クソつまんねぇっ!いつのゲームネタだよ、バカじゃね?仮想ゲームが主流の今時でこれは無いわ~。やる気失せる~」


----- * ----- * -----


 ともかく、こうして翌日から在宅の生徒達も学校に通うことになって文化祭準備が始まった。


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