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異端を狩る者の詩は誰も歌わない  作者: 大嶋コウジ
ワールド弐の二:サダク編:キュンキュンブーメラン
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えっち!

 実は泊めてもらってとても助かった。


 夜の道はあぶな~い野生の魔物も多かったから。

 い、いえ、それ以上に私の汚物にまみれの制服を洗いたかった。出来ることならお風呂にも入りたかった。この世界は湿気が凄くて濡れたものすぐに乾かないのよ。湿度は絶対に80%ぐらいある!だから菌類が繁殖しちゃうのよ!


 ま、まぁ、ともかく自分が臭いのがイヤなの!サダクが鼻声で話しているのが分かって……はぁ~、悪かったわよ……。鼻で息すると臭いんでしょっ!恥ずかしくてしかたない……。


 ともかく依頼主さんは二階にある空いている部屋を貸してくれた。サダクは隣の部屋だった。


「あいつの部屋だったところだ。服は自由に使って良い」


「ありがとうございます」


 ん?あいつ?あぁ、奥さんの部屋だったのか……。後で聞いたんだけど、その人はお子さんが亡くなった時に出て行ってしまったみたい……。この部屋を残しているということは……。ちょっと切なくなった。


「荷物を置いたら風呂に入るが良い」


「う、嬉しいですっ!!」


 私は思わず声が出てしまった……、恥ずかしい。


「お風呂はお嬢さんからが良いだろう」


「あ、ありがとうございますっ!」


 く、くっそう……。は、恥ずかしい……。私は顔が引きつっていたと思う……。……依頼主さんも、時々、鼻を押さえていたものね……。二人とも少し距離を取ってない?……取ってるよね?


 お風呂はオーク用だったから大きかった。ちょっとしたプールみたい。身体を洗って湯船に入ると思わず声に出た。


「はぁ~……、気持ちいい……。あぁ、やっと、お風呂に入ることが出来た。この世界にお風呂や石けんがあってよかった~。ありがたや~」


 服も一緒に洗わせてもらった。


「クンクン……。だ、大丈夫っ!匂わないっ!」


 しかし、ここまでは良かったけど、困ったぞ。制服は洗っちゃったし外にどうやって出るんだ?


「仕方ないかぁ……」


 私はオーク用巨大タオルを身体に巻いて部屋に戻ることにした。濡れたままの制服を持って風呂場から出ると、何とサダクが目の前に居た。


「なっ!!何してるのよっ!!」


「何って……、お、俺だって風呂に……」


 そう言いながらも上から下まで視線を動かしたのが許せんぞ!


「こ、こっち見ないでぇぇっ!」


「あ、あぁ、ご、ごめん……」


「スケベッ!ヘンタイッ!エッチッ!」


「……えっち?それってどういう……?行っちゃった」


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