えっち!
実は泊めてもらってとても助かった。
夜の道はあぶな~い野生の魔物も多かったから。
い、いえ、それ以上に私の汚物にまみれの制服を洗いたかった。出来ることならお風呂にも入りたかった。この世界は湿気が凄くて濡れたものすぐに乾かないのよ。湿度は絶対に80%ぐらいある!だから菌類が繁殖しちゃうのよ!
ま、まぁ、ともかく自分が臭いのがイヤなの!サダクが鼻声で話しているのが分かって……はぁ~、悪かったわよ……。鼻で息すると臭いんでしょっ!恥ずかしくてしかたない……。
ともかく依頼主さんは二階にある空いている部屋を貸してくれた。サダクは隣の部屋だった。
「あいつの部屋だったところだ。服は自由に使って良い」
「ありがとうございます」
ん?あいつ?あぁ、奥さんの部屋だったのか……。後で聞いたんだけど、その人はお子さんが亡くなった時に出て行ってしまったみたい……。この部屋を残しているということは……。ちょっと切なくなった。
「荷物を置いたら風呂に入るが良い」
「う、嬉しいですっ!!」
私は思わず声が出てしまった……、恥ずかしい。
「お風呂はお嬢さんからが良いだろう」
「あ、ありがとうございますっ!」
く、くっそう……。は、恥ずかしい……。私は顔が引きつっていたと思う……。……依頼主さんも、時々、鼻を押さえていたものね……。二人とも少し距離を取ってない?……取ってるよね?
お風呂はオーク用だったから大きかった。ちょっとしたプールみたい。身体を洗って湯船に入ると思わず声に出た。
「はぁ~……、気持ちいい……。あぁ、やっと、お風呂に入ることが出来た。この世界にお風呂や石けんがあってよかった~。ありがたや~」
服も一緒に洗わせてもらった。
「クンクン……。だ、大丈夫っ!匂わないっ!」
しかし、ここまでは良かったけど、困ったぞ。制服は洗っちゃったし外にどうやって出るんだ?
「仕方ないかぁ……」
私はオーク用巨大タオルを身体に巻いて部屋に戻ることにした。濡れたままの制服を持って風呂場から出ると、何とサダクが目の前に居た。
「なっ!!何してるのよっ!!」
「何って……、お、俺だって風呂に……」
そう言いながらも上から下まで視線を動かしたのが許せんぞ!
「こ、こっち見ないでぇぇっ!」
「あ、あぁ、ご、ごめん……」
「スケベッ!ヘンタイッ!エッチッ!」
「……えっち?それってどういう……?行っちゃった」




