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49.目覚めし妖刀

「ぎゃああああああアアアアアアああああ!!!!

 しね、シね、ほろべ、こわレろぉおおお!」


 ただのどす黒い(もや)と化していたファウストであったものは、奇声を上げると共に、再びファウストの姿へと変貌を遂げた。

ただし、それは(もや)の塊が形を成した(なした)ものである。


「ワシがしばらく相手しておく!

 その間にお前たちは神器を回収する方法でも考えておけ!」


 神器奪還をアイオンたちに任せたマサラは、一人ファウストに斬りかかった。


「妖刀時雨と一体化したワシの全力をみせてやるわ!!」


 マサラの姿に変化が起こる。

妖刀時雨が放っていた怪しげな紫色の光がマサラの全身からも放たれた。

マサラの姿に目を奪われるアイオンとクラウス。

そんな二人にフェリシアは、ある昔話を話し始めた。


「これは代々の魔王のみに語り継がれている話なのじゃながな。

 この世界には創造神に敵対する破壊神が存在しており、その破壊神が降臨すると文明はおろか世界そのものが破滅すると。

 ゆえに創造神は、破壊神に対抗するために3つの神器を創造した。


 そして、魔王とは……

 神器を扱う勇者たちを成長させる役割を創造神より与えられた者である……」


「はぁ!??

 フェリシアが俺たちを成長させるための存在?」


「うむ……

 先代の魔王たちまでは、勇者の討伐対象となることで勇者たちの成長を促していた、自らの命を使ってな。

 

 わらわは、敵対ではなく共に歩む道を目指したのじゃ。

 共に歩む道でも成長はできるじゃろうと」


「そうだったのか……

 俺がアイオンたちと仲違い(なかたがい)しちまったせいで、俺としか共に歩めなかったわけか……」


「そもそも共に歩む道を見つけ出せずにいたわらわに、道を示してくれたのがクラウスじゃ」


 少しバツの悪そう表情を浮かべるアイオンが話し始める。


「今の話が本当だとすると……

 3人の勇者が3つの神器を使うことで破壊神を封印し続けてきたってことだよな?

 ファウストと聖杖(せいじょう)ケルビムがない状態でどうするんだ?」


「神器は与えられたものしか使いこなせない……

 でもファウストは……」


 絶望の表情を浮かべるアイオンとクラウス。

自分たち3人が如何に重大な責任を負わされた存在なのかを痛感した。

それなのに仲違いし、さらにファウストを失ってしまった現状を嘆いた。


「わらわの大鎌(デスサイズ)は、初代魔王が創造神より賜った(たまわった)武器らしいのじゃ。

 代々の魔王が継承してきたものなのじゃが、これには特別な能力があると言われておる。

 『あらゆる力を宿し、持ち手の魔力によってその力を増幅して、それを放つことができる』と」


 ここからは憶測でしかないと告げた上でフェリシアは話を続けた。


「3つの神器の力を大鎌(デスサイズ)に注ぎこみ、それをわらわの魔力で最大限まで増幅させるのじゃ」


「そんなことできるのか?」


「わからぬ、誰も実際にやったことはないからのぉ。

 そもそも持ち主のいない聖杖(せいじょう)ケルビムから誰がどうやって力を引き出すのかもわからぬよ。

 しかし、これしか破壊神に抗う(あらがう)術はないと思うのじゃ」


 沈黙する3人。

フェリシアの言う通り、それしか残された方法がないことは自覚していたが、あまりにも不確定要素が多すぎて誰もこれ以上言葉を発せなかった。

そして、そんな3人の近くに何かが飛んできて爆音を響かせた。

ファウストに吹き飛ばされたマサラである。


「ゲホゲホ……

 お前ら……、いい加減にしろよ。

 そろそろあいつの相手をするのも限界だ……」


 その時である、愛刀である妖刀時雨から放たれた稲妻が満身創痍のマサラを包み込む。

そして、マサラの脳内に時雨の意識が流れ込んだ。


『殺せ……』


「うっ……!」


 マサラは、妖刀時雨に飲み込まれる錯覚を感じた。


「『強き者がいる…… 殺せ!』」


 闘争を渇望する妖刀の叫びが、マサラの口をついで戦場に響き渡った。


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