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48.ついに語られる、この世界の真実

「だ、誰だ!」


 光の中に浮かびあがる人影に対してアイオンは叫んだ。

すると、その人影はアイオンとファウストには聞き覚えのある声で話を始めた。


「勇者アイオン、英雄クラウス、久しぶりですね。

 我は女神ユグドラシルです。

 恐れていた事態になってしまったようですね」


 突如4人の前に顕現した女神ユグドラシル。

彼女は、禁呪を行使したファウストがその力に飲まれてしまっていることを告げた。


「禁呪とは一体なんなんだ!!」


 クラウスの叫びに一瞬だけ申し訳なさそうな表情を浮かべた女神は、この世界が抱えている真実を語り始めた。


「我がこの世界エルドラを創造した時、我はこの世界の創造神となりました。

 それは同時に破壊神が生まれた瞬間でもありました」


 世界の均衡を保つため、大きな力が生まれた時には、それに相反する力が同時に生まれるようになっている。

それが神々の摂理(せつり)であった。


「破壊神の名前はインペリオ。

 この世界に邪神として伝わっている神です。

 インペリオはこの世界が誕生した時、この世界そのものを破壊しようとしました。

 我はヤツを滅ぼすことを考えましたが、我らは同格であるため滅ぼすことはできず、3つの神器『聖剣(アーク)』『聖槍(デュナミス)』『聖杖(ケルビム)』を作り出し、それらの力をもって奴を封印することに成功しました。


 しかし、3つの神器が生まれた時、それに相反するものも3つ生まれることとなったのです。

 それが禁呪です。

 神器の封印が解かれれば禁呪の封印も解かれる、逆もまたしかりという存在です」


 女神が語り始めた内容は、あまりにも衝撃的であった。


「女神さま、禁呪というものはわかりました。

 しかし……

 禁呪に取り込まれるとはどういうことなのですか?

 それに、神器は禁呪に相対するもの……

 俺もファウストのように、いずれ聖剣(アーク)に取り込まれてしまうってことですか!!?」


「アイオンの心配も当然ですね。

 しかし神器に使用者を取り込む性質はありませんので、その心配はいりません。


 禁呪は、邪神の力の一部が魔術という形でこの世界に顕現したものです。

 ゆえに使えばヤツに魅了され、最終的には復活のための依り代とされてしまうのです」


「なら何故、何故禁呪は封印されていないんだ!

 どうして人が触れれるようなところに存在しているんだ!!」


 クラウスは苛立ちを隠そうともせずに女神を問い詰めた。

女神は彼のそんな態度を意に介する(いにかいする)こともなく、淡々とした口調で話し始めた。


「邪神を封印するためには神器が必要ですが、同時に禁呪も存在してしまいます。

 そのため普段は神器を封印することで、禁呪も力を発揮できないようにしていました。

 しかし、邪神の封印は4000年の時を重ねることで解けて(とけて)しまうのです」


「そのために神器の封印を解く必要がある……

 そのタイミングで禁呪の封印も解ける……ということか」


「そうです。そうして邪神は復活するのです。

 4000年という月日の流れによってではなく、その間に成長した文明が必ず『禁呪』という禁断の果実に手を出すことによって」


「今もまさにそうじゃの。

 わらわたち魔族相手に劣勢になった人族が、より強き力を求めて禁呪に手を出したわけじゃしな。

 まさか、わらわたちに刷り(すり)込まれておる『4000年周期で訪れる文明崩壊』が、復活した邪神による破壊……ということじゃったとはな」


「今回もそうなっちまったってことか……

 じゃあ、俺たちでその邪神を封印しなくちゃってことだな!」


 クラウスはアイオンの顔を見ながらそういうと、アイオンは無言で頷いた。

そして、ここまで無言を貫いていたマサラが口を開く。


「話の腰を折って悪いが。

 さっきの女神の話では邪神の封印には3つの神器がいるんだろ?

 神器のうちの一つはあいつがもってるんじゃないのか?」


 マサラは抜き身の妖刀時雨をうずくまったままのファウストだったものに向ける。

そこにはどす黒い(もや)と、その奥底にかすかに光を放つ何かがあった。


「我の寵愛(ちょうあい)を受けし人の子であるアイオンとクラウスよ。

 汝らの手により『聖杖(せいじょう)ケルビム』を取り戻すのです。

 そして3つの神器の力で邪神インペリオを封印するのです。

 

 我は本来この世界に直接干渉できない存在なのです。

 ヤツの力を抑え込んでおくのもそろそろ限界のようです。

 あとは……

 たのみ…… ました…… よ」


 女神の声が薄れてゆくと共に、聖剣(アーク)が放つ光も弱くなっていった。

そして、薄れゆく女神の声をかき消すような咆哮が響き渡った。

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