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35話.対面

 クラウスたち4人は騎士に連れられる形で帝城内にある帝国騎士団の詰所にいた。


「さすがはファルミナの案じゃの、ここまで上手くいくとはな」


「いえいえ、(わたくし)など……

 私の案を採用してくださったフェリシアさまのおかげです」


「はぁ……

 見事な忠誠心だとは思うが、さすがにそこまでいくとコワイぞ?

 謙遜はほどほどにしたほうがいいぞ」


「じゃのぉ……

 ファルミナよ、確かにわらわたちの間柄は主従関係かもしれぬが、それだけではなく新しい目的のための仲間ということで対等にしてもらえると嬉しいのじゃがな」


「対等など恐れ多いです……」


 フェリシアの願いに俯く(うつむく)ファルミナ。

その様子にクラウスとフェリシアは困った顔でお互い見合わせた。


「ファルミナは相変わらずの堅物のようだな」


 詰所のドアが開くと、そこにはかなり大柄な男性が立っていた。

クラウスより二回りくらい大きい男は、背中に身の丈ほどの大きさの大剣をぶら下げながら豪快に笑いながら言い放った。

そして、真面目な表情に切り替わると、彼の視線はフェリシアに向いていた。


「まさかと思ってやってきたが……」


 男は片膝をついて頭を垂れた(こうべをたれた)


「お久しぶりでございます、魔王フェリシア様」


「うむ。

 久しいな、バルトよ。

 頭をあげるが良い」


 バルトと呼ばれた男は頭をあげると、フェリシアの周りにいる3人に視線を移す。

ファルミナ、メラゾフィス、クラウスと。


「懐かしい面々が魔王様と共にお話があると聞いてきたのですが……」


 バルトが大剣を素早く振り下ろすと、その剣先はクラウスの鼻の先1メートルに突きつけられた。


「この者はなにやつでございますか?」


 フェリシアは『またか』といった表情を浮かべながらため息をついていると、クラウスが大剣に鼻が触れるかというところまで歩を進めた。


「初めまして、バルト殿。

 俺の名はクラウス。

 女神ユグドラシルの神託を賜り(たまわり)、王国では英雄呼ばわりされていたが……

 今は魔王フェリシアと想いと共にし、人族の打倒を目指す墜ちた英雄…… とでも呼ばれるかな」


 満面の笑みを浮かべながらも目は一切笑っておらず、バルトに真剣な視線を向けながらクラウスは自己紹介をした。


「ふむ……」


 バルトがどう捉えて(とらえて)いいのかを悩んでいると、フェリシアが話し始めた。


「だから、おまえさんは勝手に話し始めるでない……

 バルトよ、クラウスの言ったことは間違っておらぬよ、言葉足らずじゃがな。

 クラウスはわらわと目的と志を共にしており、運命も共にすることを約束しあっておる。

 つまりは、わらわの旦那さまのようなものじゃ」


 バルトの混乱は極まっていた。

魔王フェリシアの突然の訪問だけでも混乱していたのに、その隣には元英雄であるクラウスが共にいる。

さらには魔王の伴侶(はんりょ)であると紹介されたのだから当然だ。

そして、バルトは思考することを諦めた。


「魔王様、俺たちにお話があるということでしたね。

 今から皆を集めますので、少々お待ちください」


 バルトはフェリシアに深く頭をさげると、部屋をでていった。


「やはり、あの者は考えることが苦手のようですな。

 それに我には一言もないとは……」


「私にもなかったがな。

 バルトにそのようなことを求めるのが間違っている」


 メラゾフィスとファルミナの言葉を聞いたフェリシアとクラウスは、顔を見合わせ大声で笑った。

そして、クラウスはまだまだ二人との間に(みぞ)を感じつつも、王国に居たときには感じられなかった楽しさや満足感などを感じられている自分がいることに気が付いた。


「ファルミナ、メラゾフィス。

 お前たちに改めて約束するよ。

 俺はフェリシアと共にすべての魔族が笑って過ごせる世界を作る。

 そして、フェリシアの笑顔を守るよ。

 そのために必要なら……

 俺は幼馴染(あいつら)を討つ!!」


 クラウスの言葉を聞いた二人は、魔族と共に生きていく、その強い意志を感じとり、静かに頷くのであった。


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