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28話.次なる出会い

 ファルミナの隠れ里でのひと騒動をなんとか鎮静化させたフェリシアたちは、里の者を残したまま、3人で次の隠れ里に向かっていた。


「クラウスよ、今回のことでわかったじゃろ?

 次はちゃんと大人しくしておくんじゃぞ!」


「はいはい」


クラウスはフェリシアの小言を軽く流すと、別の話題を振った。


「次の隠れ里は本当にモニカ大森林でいいのか?」


「以前あいつに会ったときにはそう言っていた。

 別にお前はついてこなくていいのだぞ」


「いい加減仲良くしようぜ?」


 ファルミナが冷たくクラウスをあしらう姿にフェリシアは苦笑した。

モニカ大森林とは、帝国西部に広がっており、奥地には凶暴な魔物が多数生息しているため、人族が全容をつかめていない場所の一つであった。


「モニカ大森林か……

 確かに人族から隠れるのにはうってつけの場所じゃの。

 しかし……

 あそこに住む魔物はかなり厄介じゃがのぉ」


「本来ならそうなのですが、あそこに里を作ったのは【メラゾフィス】ですので」


「あぁ~、あやつなら問題ないのぉ」


 フェリシアは【メラゾフィス】という名を聞いて納得したが、クラウスには何のことだかさっぱりわからない。

二人にどういうことかを尋ねても、行けばわかるとあしらわれてしまうだけであった。

そして、間もなくしてモニカ大森林に到着した。


「ようやく到着したが、このまま奥地まで向かえばいいのか?」


「おそらく中心部に向かえば良いじゃろう。

 今回もわらわの魔力を垂れ流しておけば、きっとやつが感知して見にくるはずじゃ」


「彼も私と同じくフェリシアさまに心酔しているタイプの魔族ですからね、おそらく本人が様子を見に来ると思います」


「心酔のぉ、そのわりには2人ともわらわと決闘しておるんじゃがの?」


「そこは魔族ですから。

 力あるもの同士の力関係は定期的に部下たちに見せていく必要はあるのですよ」


「そういうものかもしれぬがの……」


 ファルミナの言葉に少し寂しそうな表情を浮かべたフェリシア。

それに気が付いたクラウスがフェリシアの頭をそっと撫でた。

フェリシアは笑顔になったが、ファルミナからすごい剣幕で睨まれることになったクラウスは、もう一方の手で頭をかくのだった。


※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ 


「フェリシアさま、そろそろ奥地に近づいてまいりました。

 大丈夫だとは思いますが、一応警戒を……」


 ファルミナの声を遮るように3人に向かって何か大きな塊が飛んできた。

それをクラウスが撃ち落とすと、3人は大きくての手の長い猿のような魔物に遠巻きながら囲まれていることに気が付いた。

 クラウスがそれらを撃退するべく飛び出そうとしたとき、フェリシアがその腕をつかんで制止した。


「クラウスよ、待つのじゃ。

 これはあやつの歓迎じゃ」


「はぁ、あの男はホントに面倒な性格をしている……」


 クラウスが理解できずにポカンとしていると、フェリシアが叫んだ。


「メラゾフィスよ、わらわじゃ、フェリシアじゃ!

 話がしたい、姿をみせてくれぬか?」


 すると、3人の前方にある木の背後からすっと人影が現れた。

すらっとした長身、銀色の髪をオールバックにしたその姿は思わず人の目を奪うほどの美しさを持っていた。

そして、胸元から取り出したモノクルを付けると、その男は話し始めた。


「これはこれは魔王さま。

 懐かしき魔力を感知したので、確認しに参りました。

 先ほどは我が眷属が失礼いたしました、処分しておきましたので、お許し頂けると助かります」


 男がそういうと背後で控えていた大きくての手の長い猿が数匹吹き飛んだ。


「はぁ……

 メラゾフィスよ、眷属も魔族仲間と同じように大切にしろと言っておいたはずじゃが……

 まぁ、今回は良い。

 お前に話があってここまできたのじゃ」


 フェリシアはメラゾフィスにここまで来た目的とこれまでの経緯を話した。

それを聞いたメラゾフィスはゆっくりと3人を見たのち、一人の眷属を隣に召喚しながら一つの提案をした。


「フェリシアさまなら大歓迎ですが、そこの人族を里に入れるわけにはいかないですね。

 しかしフェリシアさまのお連れなら……

 そうですね、では決闘しましょう。

 相手は我の眷属の中でもっとも強いこのミノタウロスです。

 勝てたのなら、みなさまを我が里にお連れ致します。

 負けたときは……

 多分もう死んでるのでいいですね」


 フェリシアは、やっぱりかと言った表情でそれを承諾した。


「おまえさんや」


「ん?」

 

 フェリシアに呼びかけられたクラウスが振り向くと、フェリシアが何か言いたげな表情で見ていた。


「どうした?」


 不思議そうな表情でフェリシアを見つめるクラウス。

すると、フェリシアが背伸びをしてクラウスの頬に口づけをした。


「わらわは信じておるぞ。

 ちゃんと勝って、わらわの元に帰ってきておくれ」


フェリシアは、顔を赤らめながらやや照れた表情で言った。


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