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25話.決闘

 フェリシアは涼し気な表情のまま、ファルミナが放つ殺気を正面から受け止めていた。


「さすがはファルミナじゃな、見事な殺気じゃ。

 しかしわらわに勝てると思うておるのか?」


「……無理でしょうね、フェリシアさまの力は承知しております。

 しかし……

 人族などをパートナーと呼ぶあなたを魔王と呼びたくはないです!」


 ファルミナは背後より取り出した薙刀『ニヴル』を両手で持ち、上段に構えた。

フェリシアがやや諦め気味にため息をこぼしていると、ファルミナが殺意を持って突撃してきた。


 上段の構えから振り下ろされたファルミナの一撃をフェリシアはわずかに位置をずらすことで回避した。

フェリシアは回避と同時に手元に顕現させた大鎌『デスサイズ』にてカウンターを放とうとしたところ、左側より強烈な一撃を受けて吹き飛ばされた。

ニヴルを振り下ろした勢いを使った尻尾による横薙ぎ(よこなぎ)が直撃したのだ。


「ほぉ……

 まさかわらわに一撃を食らわせるとはな」


「油断しすぎですよ、私はあの時より強くなってるのですからね!」


「そのようじゃの」


 ファルミナが下段の構えをすると、フェリシアは立ち上がった。

そしてデスサイズを肩に担ぎながらファルミナに歩み寄った。


「さて、次はわらわからいかせてもらうのじゃ!」


 フェリシアはデスサイズを大きく振りかぶり、ファルミナ目掛けてぶん投げた。

ファルミナは、回転しながら接近してきたデスサイズを打ち上げ目を戻すと、フェリシアの姿はそこにはなかった。


「いなくなったってことは、ここですよね!!!」


 フェリシアがデスサイズに気を取られている隙に、転移魔術で背後に回ったと判断したファルミナは、身体をひねってそのまま後方をニヴルにて横薙ぎ(よこなぎ)した。

しかしそこにはフェリシアは存在せず、ニヴルが(くう)を斬るのみであった。


「惜しかったの、わらわはこっちじゃ」


 横薙ぎ(よこなぎ)を放ったファルミナの頭上に、フェリシアは現れた。

フェリシアは打ち上げられたデスサイズを空中で手に取ると、落下の勢いのままファルミナに斬りかかった。

伸びきった体勢でまともな反撃ができる状態でないファルミナは、そのまま前転をすることでフェリシアの斬撃を回避した。


「よくぞかわしたのぉ」


「この程度でやられはしません!

 今度はこちらからいきますからね!!!」


 立ち上がったファルミナは、フェリシアと距離を詰めようしたが、前に進むことはなかった。

なぜなら、フェリシアの魔術によって液状化した地面にファルミナの下半身は埋まってしまい、そのまま前のめりで転んでしまったためだった。


「なっ!??」


「やはりまだまだじゃの」


 後ろからそんな声が聞こえたとき、ファルミナの喉元にはデスサイズがあった。


「降伏するが良い、それともこのまま続けるかの?」


 とても冷たい口調で放たれたフェリシアの言葉にファルミナは身を震わせながら言った。


「申し訳ございません、フェリシア様。

 私の負けでございます、如何よう(いかよう)にでも処分を」


「別に何もせぬよ、わらわはあの時の判断が間違っていた、すまないという詫びを言いに来たのじゃ」


「詫びなどは不要です!

 人族などが隣にいるのは不愉快ではありますが……

 こうして再び力を示してくださったのです、どうかご命令を」


「はぁ……

 クラウスのことを受けいれてほしいのじゃが、まぁそれは追々(おいおい)じゃな。

 とりあえずわらわは、残りの3人にも詫びに回るつもりじゃ。

 わらわを許してくれるのであれば、再び我が傘下にもどるのじゃ」


「その人族を認める時がくるとはお約束できませんが……

 もちろん我が隠れ里に住む全ての魔族が魔王フェリシア様の元に帰還致します」


 二人はそう言って握手を交わした。

しかしそのときのファルミナは、クラウスのことをすごい形相で睨んでおり、先がお思いやられるなと苦笑いを浮かべるフェリシアであった。


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