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24話.予想通り?

 クラウスとフェリシアはアシリ湖のほとりで、水遊びをしたり、釣りをしたりしていた。


「特に急ぐ旅ではないからすっかり遊びこんでしまったが……

 日が暮れ始めてしまったのぉ」


「別にいいじゃねーか。

 景色もいいんだし、この湖のほとりで野営でもしようぜ」


 人族の街などに立ち寄れる旅ではないため、二人の旅の基本は野営である。


「しかし、何度見てもその収納魔術だったか? すげーな!」


 フェリシアが手をかざすと、そこには小屋が現れていた。


「そんな大した魔術ではないんじゃがの、転移魔術の応用みたいなものじゃ。

 だが、こういう旅のときには野宿せずにすむし助かるの」


 魔術に疎いクラウスでも凄さがわかるほどのものをさらっと使えてしまうあたり、やはり魔王なのだなと再認識するクラウスであった。

そして、先ほどの釣りで獲った魚で夕食をとると早めに寝るのだった。


「……」


 何かの気配を感じ取ったクラウスは目を覚まし、神経を研ぎすます。

そして暗闇の彼方に目を向けたまま、フェリシアを起こした。


「フェリシア、起きろ。

 何かに囲まれてるぞ」


 魔物避けの効果のある木材で作られている小屋なので、本来なら魔物が襲撃してくるなどは起こりえないはずであった。


「わかっておる、むしろ待っておったのじゃ」


 眠そうに目をこすりながらフェリシアは言った。


「待っていた??」


「うむ、きっとこのあたりでわらわの魔力を漂わせれば(ただよわせれば)来ると思っておった」


 クラウスはフェリシアが言っていることの意味が分からずにいた。

フェリシアは無言で立ち上がり、入口へと向かいながら話しはじめた。


「このあたりに魔族の隠れ里があるといったじゃろ。

 しかしわらわも里がどこにあるのかまではわからぬ。

 ならば懐かしいわらわの魔力を感知すれば偵察にぐらいくるであろうと思っていた。 ということじゃ」


 そして、フェリシアは入口のドアを開けながら言った。


「ファルミナよ、警戒せずともよい、わらわじゃ」


 ドアを開けた先には、美しい女性がいた。

クラウスも思わず目を奪われそうになるほどの美女であったが、一点だけ人族とは違うところがあった。

下半身は蛇であった。

ラミアである。


「懐かしい魔力を感知したので探索にきましたが……

 まさか魔王さまご本人であったとは……」


 ファルミナと呼ばれた女性はフェリシアに頭を下げたのち、部屋の中にいるクラウスを睨んだ。


「しかし何故、人族などとご一緒にいるのですか?

 争うことを禁じられたばかりでなく、まさか……」


 クラウスが名乗るために一歩出ようとしたが、フェリシアが制した。


「クラウス、おぬしはしばらく黙っていてくれ。

 わらわが説明する」


「……」


「この男の名はクラウス。

 わらわの愛しの人であり、わらわがこれから成す(なす)ことのパートナーでもある」


「なんですって!!」


「まずは最後まで聞くのじゃ」


 フェリシアは自身の隠れ里での出来事やその後クラウスと出会ったことを話し始めた。

そして二人とも人族というものに絶望し、お互いに協力しあうことを約束したこと。

さらには先日勇者たちと対面し、宣戦布告したことを。


「いくつか言いたいことはありますが……

 まずはこれからでしょうね。

 魔王フェリシアに問います! 

 あなたは人族に敵対することにしたのですか?

 あれだけ人族とは友好関係を築くべきだと主張していましたが?」


「うむ、わらわが甘かったのじゃ。

 なので、皆のところを回って謝罪しようと思うておる」


「……わかりました。

 では、なぜ敵対を決めた人族をパートナーなどと呼んでいるのですか!!!」


 ファルミナは、すさまじい殺意を放ちフェリシアを睨みつけた。


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