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18話.旅立ちそして、帰還

 深夜の会談後の数日間はあっという間であった。

旅立つ準備はもちろん、ジョルジュ・アルデンヌが連続殺人事件の黒幕であるという証拠を持って、再度謁見するという必要もあった。

そして旅立ちの日の前夜、アイオンたちは3人だけで飲んでいた。


「ふぁ~、ここ数日忙しかったな~」


「急いで旅の支度などをしたんだ、仕方がないさ」


「明日で…… 

 クラウスとはしばらくお別れだね……

 ボクたちは同じ日に生まれて、その後15年ずっと一緒だったよね」


「確かにな……

 クラウスとファウストが共にいることが当たり前になっているからな、少し寂しさを感じるかもしれない」


「ファウストはともかく、アイオンまで何いってんだよ!

 別に今生の別れ(こんじょうのわかれ)ってわけでもないんだ、2年後に成長した俺を見てビビればいいんだよ」


 シリアスな表情になっている2人を笑い飛ばしたクラウス。

それにつられるように2人の表情も柔らかくなり、別れを惜しむかのように話は夜遅くまで続いた。


 翌日、アントニーを加えた4人の旅立ちはひっそりとしていた。

この調査は極秘なものなので、お見送りはルイン王とレムリアの二人のみであった。


「世界の命運がかかっているかもしれないこの旅立ちをこのようにひっそりとしかできなくてすまぬ」


「ルイン陛下、お気になさらないでください。

 国王陛下と3大貴族のレムリア様のお見送りですので、これ以上の豪華なお見送りはありませんよ」


「そう言ってもらえるとワシとしては助かるがな。

 アントニーよ、クラウスの助けとなるようにな!」


「はっ!」


「では、2年後じゃ。

 2年後に無事に王城まで帰ってきてくれ。

 そのころまでにジョルジュ・アルデンヌたちを始めとする腐敗した貴族はすべて排除しておくことを約束しよう」


そして、アイオンとファウストは北へ、クラウスとアントニーは南へと旅立ってゆくのであった。


※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ 


「久しぶりに帰ってきたが、やはり王都は広いな」


「あれから約2年たったけど、前と変わらない賑わいだね」


 あれから約2年、アイオンとファウストは王都に帰還していた。

久しぶりの王都の広さや賑わいに圧倒されつつも、ルイン王との約束を果たすために王城へと向かっていた。

2人が王城の前に到着すると門衛に止められた。


「ここは王城である、許可なきものの入城はできぬ!」


「ルイン王に伝えてもらいたい、勇者アイオンが戻りましたと」


「勇者だと???」


 門衛はあからさまに疑っている表情でアイオンを睨みつけていた。

このままでは通してもらえそうにもないと判断したファウストが口を開く。


「騎士団長のレムリアさまに確認してもらえませんか?

 ボクたちの名前はアイオンとファウスト。

 レムリアさまに伝えてもらえれば、身分を保証してくださりますよ」


 門衛はますます疑いの表情を濃くしたが、そのまま無視はできないと判断したのであろう、仲間の門衛に頼んで確認にいかせていた。


「ボクたちはこのままここで待っていますので」


 門衛が苦々しい表情で二人を見ていると、聞き覚えのある声が聞こえた。


「何をしている!!

 そのお二人は王国が認めた勇者さまと大魔術師さまだぞ!!

 早くお通しするのだ!」


「レムリア様、お久しぶりです。

 無事に帰還致しました」


「よくぞ、ご無事で。

 陛下も心配しておられました。

 ぜひ陛下に会ってお顔を見せて頂きたく」


 レムリアは2人を応接室へ通し、謁見の準備へと向かった。


「クラウスたちはまだ戻ってきてないみたいだね」


「2年後ってしか言ってないからな、多少はズレるだろうさ」


「そうだね、ボクたちはゆっくり待たせてもらおうか」


 アイオンたちがゆっくりと過ごしていると、レムリアが戻ってきた。


「待たせてすまない、謁見の準備が整ったのでついてきてくれ」


 アイオンたちは、レムリアの後に続いて謁見の間へと向かった。


「やはりこの廊下の華美すぎない装飾が俺は好きだな」


 二度目の謁見の間は前回同様に荘厳な雰囲気のままだったが、今回は違うところもあった。

謁見の間にて待っている人は、ルイン王のみである。


「よくぞ戻った。 アイオン、ファウスト。

 人払いは済んでおる、調査の結果を聞かせてくれ」


 レムリアがルイン王の隣に戻ったことを確認したアイオンは、調査結果を話し始めた。

最初に向かった王国北部の遺跡は、激しく損傷しており特に何も見つからなかったこと。

続いて向かった東部の遺跡では、いくつかのまだ比較的状態がいい石板を発見したが、ファウストたちでは読めない古代文字で書かれてたので持ち帰ったこと。

そのほかには、伝承に関わりそうな何かを発見できなかったこと。


「以上が調査の報告になります」


 ファウストがレムリアの前までゆき、石板を手渡した。


「こちらが先ほどの話にありました石板になります。

 解読をお願い致します」


 レムリアがそれを王座の近くまで持って行き、ルイン王に見せた。


「石板の解析はこちらでやっておく……」


ルイン王の言葉を遮るように、謁見の間の扉が勢いよく開かれた。


「た、大変です!!!」


「謁見の間に勝手に入るとは何事だ!!」


「も、申し訳ございません……

 火急の報告が……」


「申してみよ」


「先ほど、西の果てにあるサ・イハテノ村が魔王を名乗るものの軍勢により占拠されたと報告が入りました!!」


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