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16話.謁見を終えて

 オルレアン家の応接室まで避難した3人はホッと一息ついていた。


「なんか想像以上に大ごとになってないか?」


 クラウスはソファーに横になりながら心底疲れた表情を浮かべていた。

いつもならソファーで横になっていることを窘める(たしなめる)2人なのだが、今回ばかりはそうしなかった。

何故なら、2人とも疲れ切っていたからである。


「まさかあれほどの好奇の目に晒されながら、国王陛下に謁見することになるとは思わなかったな」


「さすがのアイオンでも緊張してたんだね。

 ボクは緊張しすぎて半分くらい覚えてないよ……」


 慣れない環境と緊張感で疲れ切っていた3人がぐったりとしていると、ドアがノックされた。

気の抜けた返事をクラウスが返すと、先日この応接室まで案内してくれた執事が中へと入ってきた。


「本日はお疲れ様でした。

 レムリア様からのご伝言をお伝えします。

 本日の夜、この場所に陛下をお招きします。

 そこでみなさんが陛下に伺いたいことを尋ねてください。 とのことです」


「ここで!?」


「はい、そのように伺っております。

 お忍びとしてこちらにお見えになると伺っております。

 お時間になるまで、このままお屋敷内にてお待ちください」


 謁見の間で浴びた好奇の視線を思い出した3人は、下手に外を歩いて他の貴族に捕まることは面倒なことこの上ないと考えた。


訓練所で汗を流すアイオンとクラウス。

貴族の食事に興味をもったファウストは厨房で料理長と料理談義に花を咲かせた。

3人は国王との会談の時間までを思い思いの方法で過ごすのであった。


※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ 


 オルレアン家の応接室には6人の男性がいた。

アイオン、クラウス、ファウスト。

そして、この家の当主であるレムリア・オルレアン。

その部下である、王国騎士団副団長のアントニー・ヴァロワ。

さらに、シトラス王国国王のルイン・シトラス。

錚々たる(そうそうたる)顔ぶれにアイオンたちは緊張し、固まっていた。


「陛下、おいでくださいましてありがとうございます。

 どうかこちらにおかけください。

 アイオンたちも座ってくれ」


 レムリアに促される(うながされる)まま、席につく一同。

そしてルイン王の口が開いた。


「レムリアよりおおよその話は聞いておる、先ほどはワシらの茶番に付き合わせて申し訳ない。

 伝承について聞きたいということであったな?」


「いえ、俺たちこそ過分な称号を頂きありがとうございます。

 俺たちは女神さまの神託を達成するためにも伝承について詳しくなる必要があります。

 どうかご存じのことを全てお教えいただけませんでしょうか?」


 アイオンは称号についてお礼を伝えたのち、早々に本題へと入る。

王国が知りうる限りの伝承にまつわることを教えてほしいと。


「それなのじゃがな、正直それほど多くのことが王国にも残っているわけではないのじゃ。

 何故そのようなことが起きるのか、どのようにして滅びが訪れるのか、などは一切不明のままなのじゃ。

 ただし……

 初代国王である先代勇者の残した文献によると、前回の滅びの日以降世界は無秩序で混沌に満ちていたそうじゃ、その世界を武力と知力でまとめ上げたのは先代の勇者たちであり、そのまとめ上げた国こそがこの王国であるらしい」


「……」


「そして、その文献によれば前回の滅びの日から今は約3990年ほど経過していることとなる」


「文明崩壊まであと約10年しかないということですか!?」


「文献が正しければそうなるな。

 だが……、今この文献は、王国建国を華々しく演出するための作り話であるというのが王国としての見解でもある。

 この話が(まこと)か作り話かの証拠がないのが現実じゃ」


「つまりは王国としても伝承についてほとんど知らない……ということでしょうか?」


「そうなるな。

 文献が本物であるなら、伝承で言われている滅びの日までは、あとわずか数年じゃ。

 早く真実を突き止めねばならない状況じゃ」


「方法があるのですか!?」


「そこでワシから一つ提案がある。

 王国内には数千年前の遺跡が多数点在している。

 そこの調査をして文献の真偽を確かめることをお前たちに依頼したい」


「真実の場合、俺たち3人だけでは時間が足りないのではないでしょうか?」


「そこで登場するのが、我ということだ」


ここまで静かにしていたアントニーが立ち上がった。


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