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13話.協力関係

「レムリア…… さま?」


 急にレムリアが高笑いを始めたことに困惑する3人。


「クラウスであったか?

 何者にも屈しないという強い意思が込められた瞳、久しぶりに良いものをみせてもらった。」


「……」


「今回の事件の黒幕がジョルジュ・アルデンヌであることは私もわかっている、いくつかの物証もあがっているしな。

 ただ、黒幕として吊るし上げるためにはまだ足りない。

 アルデンヌ家は腐っても王国3大貴族の一角だ、しかも奴は王国貴族の半数が所属する派閥を率いている。

 オルレアン家としても、王国騎士としても、決定打にかけるこの状況に手をこまねいてたところだ。

そんな時に、短期間で2件の事件を解決したという君たちの噂を耳にしたのだ」


「俺たちに何かをさせたい…… ということでしょうか?」


「話が早くて助かるよ、クラウス。

 難解な事件を立て続けに解決したその活躍ぶり、まるでユグドラシル様が|遣わせた勇者のようだ!

 王国としては、そんな君らに勇者の称号を与えたいと考えている」


「……」


「そして、その数日後に君たちから連続殺人事件の黒幕を突き止めたという報告を陛下にしてもらいたい」


「王国が勇者と認定した者から国王陛下への報告ともなれば、しっかりとした捜査をするしかなくなる…… ということですか?」


「その通りだ、ファウスト。

 本格的な捜査が始まれば、やつに引導渡すきっかけができる」


「……」


「つまりは君たちを都合よく使わせてもらいたいということだ。

 もちろんその分の対価は支払わせてもらうよ、君たちにも悪くない話のはずだ」


 レムリア・オルレアンが提示した話は、3人がまったく予想していなかった内容であった。

アイオンは貴族同士のいざこざに便利に巻き込まれることに不快感を覚えつつも、またとないチャンスであるとも感じていた。


「ある目的をもって王都まで来た我々にとって、国王陛下への謁見の機会が得れることやそのような称号を頂けることはありがたい限りです」


「ほぉ…… どのような目的があるのだ?」


 レムリアの問いにアイオンは全てを打ち明けてみることにした。

自分たちが同じ日に「聖痕(せいこん)」を持って産まれたこと。

15歳の成人の儀式の最中に女神からの神託(しんたく)を授かったこと。

その時に女神より聖なる武器を賜った(たまわった)こと。


『この世界は(いにしえ)より文明崩壊の連鎖を続けています。

 そして、その崩壊の時は確実に近づいています。

 成人を迎えし3人の英傑に我が神託を授けます。

 忌まわしい(いまわしい)文明崩壊の連鎖からこの世界を開放するのです!』


「これが女神さまから授かった神託になります。

 しかし我々は伝承についてあまりにも無知です、なのでもっとも詳しいであろう国王陛下にお伺いするために王都まで来ました」


「話が突飛しぎて(とっぴすぎて)信じがたいが……」


レムリアはアイオンの言葉をそのまま信じることができずにいた。

アイオンたちは互いに顔を見合わせ、レムリアの前で聖なる武器を顕現させた。


「おおお!! これはっ!?」


 明らかに普通じゃない存在感を放っている3つの武器、しかもそれが何もない空間に急に現れたことで先ほどの言葉に信憑性が増した。


「話はわかった、しかし陛下への謁見はそう簡単に叶うものではない。

 だが、協力をしてくれるのなら、その機会は私が用意することを約束する」


「ありがとうございます。

 国王陛下への謁見の機会を作っていただくためにも、レムリア様にご協力させて頂きます」


 レムリアに片膝をついて頭を下げるアイオンとファウスト。

しかしクラウスだけは立ったままレムリアを真っすぐと見つめた。


「俺たちはこれからお互いを利用し合う関係だ、つまりは対等だよな。

 だから俺は頭は下げるつもりはない」


「私は君のそういうところを気に入っている。

 そして、君の言うとおり私たちは対等だ」


 クラウスの態度に終始困惑をするアイオンとファウスト。

レムリアとの協力関係を確認した3人は、一旦宿に戻るのだった。


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