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11話.事件の真相

 ファウストは捕まえた襲撃犯から聞き出した情報をゆっくりとした口調で話し始めた。

襲撃犯の名前はカルロス。

数か月前に冒険者同士のトラブルを起こしてギルドから除名された元冒険者であり、粗暴な性格というのもあって、彼には何処にも行く当てがなかった。

そんな時にとある貴族が彼を拾い、それ以後はその貴族に命令されるままに殺人を繰り返していたらしい。


「やっぱり貴族なんてゴミじゃねーかよ!!」


「話がまだ途中だよ、クラウス。

 それにボクにそんな文句を言っても仕方がないよ」


「……わるい、続きを聞かせてくれ。

 その貴族って、誰なんだ?」


「ジョルジュ・アルデンヌ。

 王国3大貴族と呼ばれているアルデンヌ家のご当主さまだよ」


 アイオスとクラウスは思わず言葉を失った。

貴族なんてろくなものじゃないと思っているクラウスでさえ、貴族の中でもトップクラスの超大物の名前がそこででてくるとは思わなかったためだ。


「さて、ここで二人の意見を聞かせてほしい。

 ボクはこの件から手を引くべきだと考えている。

 辺境の村の村人に過ぎないボクたちが相手にできる存在じゃない。

 ……仮にこのまま黒幕を捕まえたとして、ボクたちの言葉と3大貴族の当主の言葉、どっちを信じてもらえるかは考えるまでもないよね?」


「確かに……な。

 今の俺たちにできることと言ったら、拘束した襲撃犯を門衛に引き渡すぐらいだろうな」


「お前たちはホントにそれでいいのか!!???」


「はぁ……、熱くなりすぎだ。

 少しは冷静に考えるんだ。

 納得できるかどうかじゃないだろ、今の俺たちの立場ではこれ以上何かをすることはできないっていう話だ。

 ジョルジュ・アルデンヌを黒幕として捕まえでもしたら、俺たちは国家反逆罪で捕まるだけだぞ」


2人の言葉に納得できない、むしろ納得したくないクラウスであった。

しかしそれと同時に理解はできてしまっていた。

そして、クラウスはある言葉を口にした。


「正しいことをしたければ、偉くなれ……か」


「いつか村長が言ってた言葉だね」


「あぁ……

 確かにその通りなんだろうけど、偉くなるために正しいことを我慢して……

 その先で偉くなったときに俺は正しいことができるのかな?」


クラウスの溢した(こぼした)言葉に何も反応できなかった二人。

それからしばらく話し合った3人は、路地裏に放置している襲撃犯を門衛に引き渡すことにした。

そして、後味の悪いまま夜は更けて(ふけて)いった。


※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ 


 次の日の昼過ぎに目覚めた3人は、これからの行動をどうするのか悩んでいた。

特にこれといった妙案も浮かばない3人は、気晴らしを兼ねて1日自由行動にすることにした。


ギルドに何か軽めの依頼がないか確認しにいくアイオン。

あてもなく、ただ王都の外をぶらぶらするクラウス。

王都の情勢をより知るために、王都観光の続きをするファウスト。


 三者三様(さんしゃさんよう)の1日を過ごした3人であったが、事前に約束していたので日が沈むころには合流していた。

合流した3人は昨日と同じ食堂にて食事を始め、各々に今日の出来事を報告していた。

お酒も入り、場も盛り上がってきた頃、顔見知った(かおみしった)門衛が走り寄ってきた。


「探したよ、君たち!!!」


「ん? あー、昨日あいつを引き渡した門衛さんじゃん。

 どうしたんですか?」


「実は……」


あのあと、門衛は襲撃犯を王国騎士団に引き渡していた。

この国では罪人の身柄は王国騎士団が預かり、その後しかるべき処置をすることになっているためだ。

門衛にとってはごくありふれた業務なのだが、今回はいつもと違った。


「君たちに会いたいらしいんだ!!

 オルレアン様が!!」


オルレアン家はアルデンヌ家と並んで王国3大貴族の一つであり、王都の治安維持を任されている。

そのオルレアン家の当主のレムリア・オルレアンが犯人を捕まえた3人に会いたいということだった。


このタイミングで貴族が、それも3大貴族の一角が自分たちに会いたいと言い出していることに不安が募る(つのる)3人であった。



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