名前とナレーショ… 繝ウ? ※禁則事項-世界の真理-権限レベルの不足及び次元の壁により干渉不可
眠い、あと投稿昨日でしたね
「…何のことじゃ」
カイナの詰問に対しそう返すお爺さんの目にはその真意を問い嘘は許さないという強い意志が込められているようにカイナには感じられた。
「おかしいんだ。おかしいんだよ」
しかしカイナははそれを意に返さず続ける。
「竜の血っていう素材は僕のような傭兵でも知ってるほど高価な素材だ。その強度は並の魔物の骨を砕くほどの強度があって塗っただけで素晴らしい頑丈さを得られる…そんなものがメンテナンス含めて5000ミムだと?ありえない。サツキはどこか常識がないんだ、だからこうやって分からないこともある。だけど僕は違うぞ、一体何を企んでいるんだ?まああのサツキの反応だと竜の血の効能についてもそこまで詳しいわけではないんだろう…だけどね、僕たちのような戦いに身を置くものは武器を信頼し共に歩むものだ。そんな武器に5000ミムとかいう端金で塗られた竜の血という情報はその信頼を破壊する。これは本当に竜の血なのか?もしや別の魔物の血では?これぐらいの力で振っても大丈夫か?ってね…ふう…」
喋り切ったカイナはお爺さんを見つめた。
その視線を受けたお爺さんはしばらく黙り込んだのち言った。
「お前さん、名前は?」
「は?」
「名前じゃよ」
「…カイナ」
「そうか。とてもとてもいいことじゃな」
「え?」
そのやりとりで満足したのかお爺さんは一息つくと言った。
「今回塗ったのは正真正銘竜の血じゃよ。まあ値段を安くしたのにもしっかり理由がある、簡単に言うと…わしの一方的な負い目による補填といったところじゃな」
「…続けて」
「わしは喋り慣れておらんのじゃ、まあ待て…わしが最初彼奴が来た時、本来渡すこととなる短剣とは別にあの二振りを渡したんじゃ、最初はこれで十分じゃろうと…しかしそれは違った」
お爺さんは今でもそのことを驚いているように感慨深く言った。
「彼奴はアレを手に入れ数日で幼竜とも相対した。彼奴がそうなっていくことを知っていたのにも関わらず、それはまだ先だと実力を見誤り、わしが渡した二振りの短剣のせいで危うく彼奴は命を落とす危険もあった…。だからこその補填じゃ」
「…たくさん聞きたいことはあるけど短剣のせいっていうのは?」
「あれはあと数撃受ければ壊れるような状態だった。壊れなかったのは運が良かったと言えるじゃろう、そういうことじゃ」
「…知ってたとは?」
「それは言えん、ここまでしか言えん。これは契約で罪で賞じゃ、わしに流れる血の背負し賞と罪の契約。言えん」
「ッ…」
ほんの一瞬、お爺さんの発言の中で悪寒を感じたカイナはそこを深掘りするのをやめた。
「じゃあ問題ないんだね?」
その言葉の中に色々な言葉や意味合いを詰め込んだソレは確かにお爺さんに届いた。
「うむ、誓って問題ない」
「ならいいよ。でもサツキに聞かれたら答えてあげてね」
「そうじゃな」
「まあサツキなら…「別にどうでもいい」って言いそうだけど」
「……」
「まあいいや。僕行くね」
そう言って立ち去ろうと扉に向かって歩くカイナへお爺さんが言った。
「ドンクツじゃ」
「ん?名前?」
「うむ、お主も武器が欲しくなったりソレを強化したくなったりしたらくるといいじゃろ。一度だけ5000ミムで竜の血を塗ってやるぞ」
「そう、やっぱりそっか!5000ミムがメンテナンスのお代なんだね!分かった〜」
そう言って笑いながらカイナは店を出て行った。
1人残ったお爺さんことドンクツは…
「騒がしい娘たちじゃ、だがまあ…逸材じゃの」
彼はよっぽどのことがなければ名乗らない、そんな名前を知れたカイナは…
「あっ!サツキ、あのお爺さんの名前ドンクツっていうらしいよ」
…おい、言うなし。
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