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バケモノに至し暗殺者  作者: ヤヒド
冒険者編
98/115

空返事と詰問?

眠い

「ふんふんふ〜ん」


鼻歌を歌いながら室内の武器を見て回るカイナ。時々止まっては目についた武器たちを手に取ったりして確かめていた。


「……」


そんなカイナとは打って変わりサツキはお爺さんが行ってしまった、奥につながる道をじっと見つめて待っていた。


「ハァー…」


そんなサツキを見てため息をつくカイナ、彼女はサツキに近づくと言った。


「だから大丈夫だって、きっとガタが来てたから直してくれてるんだと思うよ?」

「…うん」

「サ〜ツ〜キ〜?僕の声が聞こえてますかー?」

「…うん」

「うん…じゃあないね。こういうのを空返事って言うのかな?」


カイナは笑うと再び物色に戻った。

サツキはボーッと同じ方向を見つめながら考えを巡らせ続けていた。


(私って意外と執着心強かったんだな。こんなに自分のが何処かに行くのが怖いなんて…新たな発見かも)


自分の新たな一面を発見し自分でも気づかないほど少しだけ、心が踊っているサツキは微かな雰囲気の変化を敏感に感じ取った。


「戻ってきた」

「ん?なになに?お爺ちゃんきたの?」


物色を切り上げこちらへきたカイナと共に奥へ向かう扉を見つめているとその扉がガチャリと動いた。


「…何じゃ」

「いや、「何じゃ」じゃないが?」


冗談なく微妙にキレ気味なサツキを見てお爺さんは「フンッ」と鼻を鳴らすと手にあるものをサツキに渡した。


「5000ミムじゃ」

「はい?」


サツキが受け取ったものはサツキがここで買い、幼竜との戦いでも使用した二本の短剣であり間違いなくお爺さんによって奪われていた代物だった。

そして5000ミムといったお爺さんの手のひらはサツキの方へ向いており、金を請求していることは誰の目にも明らかだった。


「え?メンテナンス代ってこと?」


それぐらいしか思いつかないサツキは手渡された短剣を見つめながら言った。


「それもある」


否定と肯定の折混じった返答、それを返されたサツキは他に思いつかなく困惑した。


「…?」

「…竜の血を塗ってある、これでたとえ幼竜と戦ったとしてもあそこまで酷い状態にはならん」

「血?血って大丈夫?錆びない?」

「問題はない、刀身を見てみい。仄かに赤いじゃろう、錆ではない。もう乾いておるし定着しとる、竜の血はそこらの魔物の最も硬い部位よりよっぽど丈夫じゃ」


確かにその刀身は以前より仄かに赤く、なぜか丈夫そうな印象を与えた。


「だから5000ミム?」

「う、うむ…」


少し歯切れの悪かったお爺さんを不思議に思いつつサツキは5000ミムを取り出した。


「ちなみにメンテナンスだけだといくら?」

「場合によりけり…じゃ」

「ふーん」


自分で聞いておきながら別にそこまで興味のなかったサツキはそのまま話を流すと5000ミムを手渡しした。


「ありがとうねお爺さん、できれば次は何をするか教えてね」

「……」

「じゃあ今度こそ化けてからくるね、バイバイ。いくよカイナ」


返事を待たず入口まで歩いていくサツキ。出るときにカイナがなぜかついてきていないのを見て問いかけた。


「どうしたの?カイナ」

「ん?いや大丈夫だよ。だけど僕、少しだけお爺さんに用があるからちょっと待っててね」

「ん、分かった。外でなんか買って待ってるね」


サツキが離れていくのを確認したカイナはお爺さんに向き合った。

そして…


「一体どう言うつもりなの?お爺さん」


まるで詰問するかのようにそう問いかけた。


波乱の予感が…する?


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次回も本編です。

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