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バケモノに至し暗殺者  作者: ヤヒド
冒険者編
9/115

冒険者登録と試験

お願いします

やっと冒険者登録を始めることができた。

受付嬢さんに何故か恐れられているようだが、続けてもらおう。


「さっきも言いましたが年齢は16歳です」

「あっはい!わかりました。それでは確認のためにステータスの確認をさせてもらおうと思いますがいいですか」


どうやらステータスで年齢の確認と名前の記入をするらしい。

この間ステータスの確認をしてから結構戦闘もしたから、何か変わっているかな?


「それではここに血を一滴垂らしてください」


これって冒険者組合とかに情報が残っちゃたりするのかな?


「あんまりスキルとかを人に見せたくないんですが…」

「その場合はステータスを表示するときに、名前と年齢のみを開くように意識してくだされば大丈夫ですよ」

「分かりました」


そう言うと私は簡易武器創造で「粗悪な鉄の針」を創り出し指の腹に突き刺した。


「ええ!?そんなに強く刺さなくてもほんのちょっとでよかったんですが!?」


受付嬢さんに驚きながらドン引きされた。

どうやら私は刺しすぎたらしい。針が指を貫通してしまっている。


「どうすればいいですかね」

「え、いや、あの…はい。説明不足な私の落ち度なのでこれを使ってください…」


そう言うと受付嬢さんは緑色の液体が入ったビンを渡してきた。


「これは?」

「ポーションです。傷口にかけると治ります。等級によって効力が違うんですけど、その程度なら問題なく治ると思います」


どうやらまるで魔法みたいな薬があるらしい。さすがファンタジー!!

かけてみると輝きまるで傷がなかったかのように綺麗になった。


「はい!治りましたね。それではステータスを確認していきます」

そうして表示されたステータスがこちらだ。



<ステータス>

名前・サツキ シカイ(隠蔽中・死飼 殺来)

年齢・16


<非表示>


<スキル>

短剣術level 9・走術level 8

歩行術level 9・体術level 7

簡易武器創造level 2

(隠蔽中・暗殺術level 5・隠蔽level 2)


<魔法>

闇魔法適性

風魔法適性

(隠蔽中・禁忌-古代魔法適性)


<固有魔法>

(隠蔽中・「??」魔法)


<称号>

九死に一生

(隠蔽中・未経験の暗殺者・異世界転移者)


<加護>

(隠蔽中・厄災神の加護・混沌神の加護・邪神の加護)


おー、「簡易武器創造」に「隠蔽」のレベルが上がってる。

結構使ってたしまだlevelも低いからなぁ、なんて考えていると受付嬢さんに話しかけられた。


「名前がサツキで年齢が16歳。苗字を持っているなんて珍しいですね。ステータスが非表示で犯罪歴はなしっと。はい!問題ありません!」


苗字持ちは珍しいようだがなんとかクリアできた。


「それでは冒険者ランクと報酬、ルールについて説明させていただきます」


そう言うと受付嬢さんは説明を始めた。

冒険者ランクはI→H→G→F→E→D→C→B→A→Sの順でSが最も高くIが最も低いらしい。

ランクが上がると受けられる仕事が増え、権力も持てるらしい。

大体Aで貴族、Sで王族という感じだそうだ。

G以上になるためには戦闘技能が必要で、D以上になるには人を殺せることが必須条件なようだ。

Cランクでは団体での行動についての試験、BランクではAランクとの模擬戦と貴族の相手をすることも増えるため、礼儀作法の試験をするそうだ。

Aランクは一年に一回、Aランクになる資格を持つBランク冒険者を集めトーナメント式の大会をし、優勝者がAランク冒険者になれるらしい。

Sランクは一国以上の影響力(戦力)とギルドへの貢献値が必要らしい。

すべての試験を受けるにも、それぞれAならAのBならBで定められたギルドへの貢献値が定められている最大点数必要なそうだ。

礼儀作法とかはめんどくさそうなので、まずはCランクを目指そうと思った。

報酬については、基本依頼用紙に書かれている金額だが失敗したり途中でやめたりすると、失敗で半額、途中でやめるとゼロになるそうだ。

冒険者組合のルールについては、

・冒険者同士の争いは自由だが、組合内でのケンカは御法度

・魔物の横取りは禁止、助けを求められた場合のみ助太刀して良い

の2つだけだそうだ。

ちなみに私と争った冒険者(チンピラ)は、明確に「組合内でのケンカは御法度」を破ったため、冒険者ランクの降格となったようだ。

説明が終わると私は受付嬢さんに質問した。


「戦闘技能があればすぐにGランクになれますか?」

「今から説明しようと思ってたんですが可能です。そのためには今から試験が必要ですが」


ランクも舐められないぐらいには上げたいしお願いしようかな。


「お願いします」

「それでは私についてきてください」


ついていくと冒険者組合の後ろにあった練習場のようなところに案内された。


「それでは今から試験官の方を呼んでくるので少し待っていてくださいね」


そう言うと受付嬢さんは組合の中に戻っていった。

ちょっと準備運動しようかな、と考えしばらく体を動かしていると受付嬢さんとでかい筋肉の塊のような男性がやってきた。


「この方が元Cランク冒険者で今教官兼試験官をしているアルガさんです」

「お前が今回の挑戦者か!よろしく頼むぜ」


すごい筋肉だ。これでは動きが鈍くなりそうだな。


「よろしくお願いします」

「おう!それじゃあやろうか!」

「それではそこに模擬戦用の武器があるのでそれを使ってください」

「この模擬戦用の短剣は木ですか?」

「?、そうですけど」

「こんなので彼を倒せと?」

「おいおい嬢ちゃん、本当に俺を倒す気かよ?」

「ええそうですが…」


アルガさんはしばらく考えて言った。


「よし分かった。じゃあ俺も鉄製の剣と盾を使うからいいぞ!」

「ほっ、本気ですか!?」

「ああ、男に二言はねぇ。流石に鉄製武器に木の武器だときついから俺も鉄製の武器を使うけどな」

「でもそれだと怪我をする可能性が…」

「問題ありません、そうでないと殺してしまうので」


やべえこいつみたいな顔やめましょう。私もそんな顔で見られると傷つくので…


「はっはっは、面白いな嬢ちゃん。そういうことだ。持ってきてくれ」

「はぁ、分かりましたよ。アルガさんは剣と盾でサツキさんはどうしますか?」

「それには及びません」


そう言うと私は「簡易武器創造」のlevel 2で手に入れた新しい能力である、魔力を多く消費して良質な武器を生成できる、で「良質な鉄の短剣」を創った。

ちなみに「簡易武器創造」で武器を作る際の消費魔力は大体私の魔力総量の100分の1ぐらいで、良質な武器は50分の1ぐらいだった。結構いいコスパである。

それを見ていた2人はとても驚いていた。


「一体どうやって出したんだ?手品か?」

「先ほどのケンカでも出していましたけど…」


私は少し茶化して言った。


「メシの種は企業秘密ですっ!」

「キギョウが何かは分かりませんが、冒険者のスキルはメシの種ですからね。失礼しました」


そんなこんなしていると、アルガさんの剣と盾が運ばれてきた。


「それではGランク試験を始めます。ルールは相手が降参したら終了。サツキさんの合格条件は、試験官に勝利か健闘することです。殺害は禁止とします。それではいいですか?」

「大丈夫です」

「俺もだ」

「それでは、開始!」


開始と聞こえた瞬間私はこの世界に来てからメキメキ練度が上がっている「暗殺術」と「隠蔽」、「歩行術」の合わせ技である、「暗殺歩行」をおこない気配と足音を消した。

先ほどの組合での騒動の時、隻眼のおじさんには気づかれたが他の者には気づかれなかったし、この人からは隻眼のおじさんほどの強さは感じないため、ここで罠を仕掛けた。



私の短剣術は、日本にいた頃から二刀流だった。

私の家にいた家族からも胡散臭いと思われていた占い師のおばあちゃんに昔前世を占ってもらったことがある。

胡散臭いと思われるかもしれないが、これでも家族だったから私も話を合わせてあげていた。

私の前世は「莠コ-繝舌こ繝「繝」なのだと言う。何故か発音すると他人には聞き取れなくなってしまうらしいが、本質は…ザッザザザーピー「雉?コを喰い荒らすモノ」らしい。ん?そんなこと言われたっけ?

…まあいいや。でそれを聞いた爺ちゃんがそれなら、獣の顎をいめーじすればいいんじゃろ、とか言い出して私は7歳にして二刀流の鍛錬を行うようになった。

そのおかげか私の二刀流の練度はとても高くなった。まあこの世界じゃあ半人前だったけどね…


私は瞬時に二本めの短剣を生み出すと、逆手に構え守りが厚くなっている首を避け、低身長を生かした攻撃で足に向かって短剣で…()()()にいった。

いける!強くそう思ったが筋肉量に似合わぬ跳躍力と直感で上によけられ、体勢がよろけたところに盾が上から降ってきた。

体制の崩れた状態から素早く転がり離脱すると落ち着くために深呼吸した。

これは腕の一本ぐらいを犠牲にしないと勝てないな、と考えているとアルガさんから声がかかった。


「嬢ちゃん、嬢ちゃんの気配は俺には感じ取れないんだがな、嬢ちゃんの攻撃にはなんつーか生存本能が反応するんだよ、喰われるって感じのな」


続けて彼は言った。


「このまま続けたところでどちらかが負傷して最悪死ぬだけだ。嬢ちゃんの実力はよく分かったし、合格基準も十分だ。ここでやめとかないか?」


私は悩んでいた。

こういう命懸けの鍛錬とかもやりたいんだよな。思わぬ二刀流の弱点も発見したし…


「また模擬戦をやってくれるって言うのならいいですよ?」


アルガさんは苦笑いしながら


「模擬戦ってレベルじゃあないが、まあ暇な時ならいいぞ」


と言ってくれた。


「アニカちゃん、合格でいいよなぁ?」


分かっているよな?って感じでアルガさんは言うと受付嬢さんは頬をピクピクさせながら、問題ありませんと告げた。

そうして私のこの世界初めての対人戦が終了した。

私は喜びながら考えた、受付嬢さん名前あったんだ、と。






遅くなってすみません

次回はカード発行と鍛冶屋です

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