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バケモノに至し暗殺者  作者: ヤヒド
冒険者編
82/115

怒りとズレ

いつも読んで頂きありがとうございます

サツキの考える勝利条件と、バルドル達の考える勝利条件の差。

それは竜を殺して脅威を排除するという条件と、それを含め竜を撤退させるという条件の入れ違いによってサツキは意図せずバルドル達の勝利条件の一つを潰そうと動いてしまっていた。


それ即ち…


「ハアアア!」


逃走手段、翼、その皮膜の破壊である。


竜の翼は竜にとって逆鱗の次に弱い場所であり、狙われ、壊される、破られると()()()()()()()()、とても大切な場所だ。


そしてその中でも一番壊しやすい皮膜を狙ったサツキの短剣による突きは、未だ苦しむ竜に反応の余地すら与えず、刺し貫いた。


「ギャオオオオオオン!」


痛みにより苦しんでいたところへの追加の一発、それは竜をさらに苦しめると同時に、良い気つけの薬となってしまった。


「guroooooooo!」


痛みによって矮小なる者の存在を再び知覚し、怒りを燃やした竜は、「身体強化」における重要な要因の一つである魔力のロスや精密性、そしてその力の思考性を一切定めることのないまま「身体強化」…「魔力波」を撒き散らした。


「ちっ、余計なことを!ハアアア!」

「嬢ちゃん!やってくれたな!」


バルドル達はそれに対抗すべく、自身の魔力をぶつけ中和するも竜の底知れぬ魔力量とその出力にゴリ押しされ、ものの見事に吹き飛ばされた。

幸い指向性がなかったことにより全方位に撒き散らされた魔力には、サツキの「魔力砲」と違いはっきりとした攻撃の意思がなく、怒りのみだったことが()()()()()()()()()で済んだ最大の理由であろう。

またその怒りの矛先が主にサツキに向いていたからだとも言える。


そんなモノを翼に短剣を刺した状態のまま密着するサツキが受けたとすると…


竜が再びサツキの存在を捕捉


短剣、竜の翼の皮膜を貫通後 7.0秒


サツキ、竜の体内で湧き上がる魔力を感知


短剣、竜の翼の皮膜を貫通後 7.1秒


荒れ狂う魔力が竜の全身を廻る


短剣、竜の翼の皮膜を貫通後 7.2秒


サツキ、対処しようと魔力を練り上げ…竜、「魔力波」を放出


短剣、竜の翼の皮膜を貫通後 7.3秒


サツキ、至近距離で魔力波をくらう


短剣、竜の翼の皮膜を貫通後 7.301秒


体を魔力波が通り抜け、体が、細胞が揺れる


短剣、竜の翼の皮膜を貫通後 7.305秒


サツキの全てが、竜の体に近い方から揺らされ、そちらの方から体が世界と少しずれる


短剣、竜の翼の皮膜を貫通後 7.305秒



竜の体から離れている方は魔力波が通り抜けていないため世界と一致しているが、魔力波がすでに通り過ぎて揺れた方は世界とずれ、それによって竜と反対の方向へ力が溜まり…


「あれ?」


サツキは凄まじい勢いで平行に吹き飛び…木にも何にもぶつかることなく、トスッ!っと受け止められた。


サツキの吹き飛ぶ線上に走ってきたバルドルによって。


「あ、おじさん。久しぶりだね」


先ほど挨拶に行かせたカイナの事は接触とは思ってもいないのか、そんなことを抜かしたサツキは、壊れた左腕を心配の目で見るおじさんを一瞥した。


「おい、じょうちゃ…」

「いいから、これ。今はいい」


心配する声も何のその、バルドルに受け止められた状態のまま、サツキは先程の現象の考察を始めた。


こちらに向かってくる竜を横目に見ながら…。



これ説明難しいんですよね


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次回も本編です

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