Aランク冒険者の誓い
お願いします
俺の名前はバルドル。Sランク冒険者を除けば最高位のAランク冒険者だ。
Sランク冒険者っていうのは、Aランクからさらに実績を積み上げて、なおかつ一人で一国と同じかそれ以上の影響力(武力)を持つものがなれるんだ。
だからSランク冒険者ってんのはこの人大陸の中では、今も生きているモノはたったの3人しかいねえんだ。
俺もまだ実力は足りないがいつかSランクになれるよう今は実力を上げながら実績を積んでいる。
そんな俺は今日も高難易度依頼を受けようと、人大陸に間違ってきてしまった幼竜を討伐し、その皮と鱗から作った防具と、そいつの爪からできた進化する大剣「幼竜剛爪」を装備し冒険者組合へ向かった。
冒険者ギルドの近くまで行くと、濃密な殺気が冒険者組合から漂ってきた。
この様子だと両者歯止めが効かず、死者が出ると感じたためすぐさま走り出しちょうどぶつかる寸前で割り込むことができた。
俺は場を収めるために先ほど感じたさっきよりも強い殺気をこめて言った。
「おいおいこんなところで殺し合いなんてよしてくれや」
自分は軽く殺気をこめたつもりだったが、場が凍りついてしまった。
強くなってきてからだんだん常識がなくなってきたな、と自分でも考えて心の中で苦笑いしつつ争っていた2人を確認した。
1人は、よく組合で問題行動を起こすとある意味で話題になっている冒険者で、もう1人は夜のような真っ黒な髪と黒い瞳を持つ13歳ぐらいにしか見えない少女だった。
きっとこの冒険者が冒険者登録しにきた嬢ちゃんに絡んだんだろうなとか嬢ちゃんも度胸があるな考えていると、不意に嬢ちゃんの全てが希薄になった。
まだ一人前とはいかないが、半人前くらいの実力はあるんだなと感心していると、嬢ちゃんがナイフを捨てた。
このままここから出ていくのかなと思い傍観していると一瞬のうちに手にハンマーが現れ、冒険者の後ろに回り始めた。
この殺気の中こいつまだやる気か!?と思い急いで嬢ちゃんを止めた。
「おい嬢ちゃん、一体何をしようとしてるんだ?」
すると何言ってんだこいつ?みたいな目で俺を見た後、しょうがないみたいな顔して話し出した。
「あの冒険者は何故か萎縮してしまったようなので、殺すのはやめて気絶だけでおさめてやろうかと…」
この嬢ちゃんのことをすごい大物だと思った。
自分でも思ってもいなかったが、
「あのなぁ、今俺のおかげでいい感じになってただろう?」
と言うと、本当に何言ってんだ?って顔をした後、今までの人生で最も衝撃的なことを言われた。
「隻眼のおじさん」だ。
聞き返してみてもやはりおじさんで割と本気で凹んだ。
その後もお前の助けなんて要らなかったなんて言われ、俺が凹んでいる間に冒険者を気絶てるし、嬢ちゃんは騎士達の事情聴取も拒否して逆に言いくるめていた。
俺は子供にとってはもうおじさんのようで、これからは精神もしっかりと鍛えていこうと導神に誓った。
次回登録と試験です