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バケモノに至し暗殺者  作者: ヤヒド
冒険者編
79/115

弱点と弱点の克服者

いつも読んで頂きありがとうございます

(この技…「舌先現象(バグ)」の弱点はこんなところかな)


サツキは意図せず生まれた、相手の認識と未だ完全に消すことのできぬ自分の気配を利用したこの技の弱点を洗い出した。


(まず単純に「身体強化」を使用できないから弱点をつかないと一撃で敵を排除できない、しかもその弱点を私の素の力で破れなきゃ殺せない)


人ならば腕や足の部分であろうがやり方によっては殺害まで持っていくことが可能だが、この世界では凄まじい再生能力を持つあの竜のような存在や、人でありながら「身体強化」によって凄まじい体を手に入れた戦士もいるため、それを破れる身体能力が必要であった。


(まあこれはオマケみたいなもんだけど…異世界人…私と同郷の奴らには使えない)


サツキは用心深かった。自分がこうして呼ばれた以上、いつかは分からないが他の地球人がよばれないとも限らない。そんな万が一を考えてサツキは対策を練ろうとしていた。


(魔力がない生物はいないと言う認識を利用してるんだからもちろん通用しないし、他にも柔軟な奴らにも通用しないな)


そんな事を考えながらサツキはいつの間にやら竜の近くまで来ていた。



< バルドル、スカイ、ルーニー、ボルダー>


「あぶねえぞ!避けろ!」


バルドル達の足元を竜の尾による薙ぎ払いが襲う。

それを跳んで避けたボルダーはすぐさま地上に降り立つと、その隙を狙って押し潰さんと迫ってくる竜の掌を受け止めた。


バキッ!


鈍い音を立てて一瞬竜の掌の進行を食い止めた剣は無惨に折られ、その一瞬をついて横に転がったボルダーは窮地から逃れた。

次の瞬間、ドオオン!と凄まじい音が鳴り響いた。

折れた剣の先もろともに、竜の掌が地面に衝突すると地面にヒビが走り凹んだ。


「おい、大丈夫か!」

「はい!死にそうでしたが生きてます!団長!」


スカイの問いにそう返したボルダーは、折れた剣の持ち手を捨て背中に背負ったもう一本の剣を抜いた。


「これが竜、これが竜か」

「流石だ、前に見た子竜より強大、だが頭の方が足りていないな」

「ん?バルドル殿?何か?」

「前に相手をした子竜、それでさえ魔法を使い戦闘に織り交ぜていたんだがな。成竜にしては頭が悪い」


バルドルは前に子竜を相手にした経験から、スカイは書物にて学んだ経験からこの竜の違和感を感じ取っていた。


「まあどちらにせよ倒す、または追い返さねばなるまい」


そう言うとスカイは呪文を唱え始めた。


「『鉱物よ我が武装と成りて我と結合し我が前に立つ一切を貫く力を我に与えん』<鉱装>」


土魔法の進化属性である中位魔法、鉱物魔法。そのl()e()v()e()l()1()に存在する鉱物を操作し鉱物を意のままに操る<鉱装>が発動した。


「集結」


スカイがそういうと先程折れた剣や持ち手の部分、その他地上付近にある僅かな鉱物そして、血液に鉄分が含まれるバルドル達や竜も僅かに引き寄せ始めた。


「おとっと、なあスカイ殿。これは俺たちを対象外にできないのか?」


魔力に対する抵抗、魔力抵抗を「身体強化」をすることによって高めているバルドルは、これが与える影響を嫌って聞いた。


「無理だ、これは無差別。だからこそ「身体強化」がお粗末な奴らがいる場所では使えんし、かと言って実力者の前で使おうが抵抗される…これはそういったものだ」


何より鉱物魔法は無から鉱物を生成することができなかった。魔力を消費して鉱物を生み出そうが、戦闘後その場に残り、半ば神の御技と認識されてもおかしくはない事はすることができなかった。

また<鉱装>は中位属性の<装>系統では最も弱いとされていて、他の<炎装>や<氷装>、<雷装>などとは違いパッとせず、その効果などは身体能力を強化する、鉱物を集め身に纏う、そしてその鉱物の形を変えるというものなのだが…それは使い手の熟練度、演算能力などに左右される。


スカイは集めた鉱石の形を細長い針のような形に変化させた。

そしてあくまで<鉱装>は前提だというように語り出した。


「鉱物魔法はlevel 1に<装>系統である<鉱装>が存在しているんだ。また無からは鉱物は生み出せず、あるモノを使うしかない。そんな私は()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。生きるために集めた鉱石を売り、加工して、また集め、売り、加工して…そんな事をしていたらいつの間にか…私の鉱石魔法のlevelは10にまで達していた。だから、こんなことが出来る」


スカイは呪文を唱え始めた。


「『鉱物よ鉱物の支配域を作り我が力の源とならん』<鉱域>」


地面が盛り上がり鉄や銅、銀や金など様々な鉱物が壁を創ると世界が隔離され閉ざされた。


「この場では私の残弾、鉱物は魔力が尽きぬ限りなくならない」


スカイは弱点を克服した。


そしてその領域内にスカイの魔力が充満し竜は混乱する。

魔力がありすぎて魔力感知では何も分からぬことに。


またここまでして魔法を使う気配を見せぬ竜にスカイも困惑する。


「領域の押し合いでは私は勝てないがどうやらお前はそれすらも出来ないらしいな。やはり何かおかしいが、何もないのならば、お前を殺す」


領域内の魔力が膨れ上がり、目に見える形で鉱物達の形が鋭く変化する。


「う、うおおお」


先ほどより強くなった引き寄せに「身体強化」を高めて抵抗するバルドル達、味方の影響を受けながらも魔力抵抗を高め準備を整えた3人はスカイの横に並ぶと未だ混乱する竜に向かい突撃していった。




この魔法欲しい


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次回も本編です



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