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バケモノに至し暗殺者  作者: ヤヒド
冒険者編
74/115

転移石と損傷

いつも読んでいただきありがとうございます!

<カイナ>


「すごい圧だね、ガイさん、メリリャさん」


カイナは「炎装」を解除し後ろから近づいてくる二つの気配に向かって話しかけた。


「これが本物の竜なのね…」

「こんなの初めてだな、やっぱり亜竜とも亜龍とも比べ物にならないな」


二つの気配はカイナの横に並ぶと静かに肯定した。


「で、カイナはどうしたいの?」

「え!?」

「え!?ってなんだよ…別に逃げたっていいだろう?だけどよ、お前はほら、顔が…」


カイナの顔は「炎装」を使用した影響を微塵も感じさせないほど輝き、強くあそこに行きたい!と言う気持ちが溢れ出すのが見てとれた。


「メリリャさんとガイさんは逃げるべきだって言うでしょ?」

「まあ、そりゃあな…あれを感じちまうとな〜」

「もちろん逃げるべきだわ、こんなところで死んでられないし、別に指名手配されてもなんとかなるもの」


ガイとメリリャはそう()()を述べつつも既に理解していた。


「でも納得しないでしょ?カイナは、だって…」

「だってなあ…」

『サツキって子がそこにいるから』


2人は合わせたように一字一句間違えず言った。


「まあ私にはなんでカイナがサツキって子に執着してるのか知らないけれど…まあいってみればいいんじゃない?」

「そうだな、なるべく団長にはカイナの意志を尊重しろって言われてるしな。行っていいぞ」

「いいの?」

「ああ、まあ死にそうになったら逃げろよ?団長に殺されちまうからな」

「それはそうね。一応これ持っておきなさい?」


そう言ってメリリャはカイナに一つの石を渡した。


「ああ、緊急用の転移石ね…ってこれ前の戦争の報酬でもらった古代遺物(アーティファクト)じゃ!?」


転移石とは今では製造法も仕組みも全くわかっておらず古代の遺跡などからごく稀に出土することがあるものの、滅多に手に入れられず売れば数億ミムは下らないという一品である。

しかしそんな転移石には欠点があり…


「でもどこに飛ぶかわからないよね?」


そうこれは転移する位置を設定できず、完全ランダムでこの世界のどこかに飛ばされると言う運が必要にもなる恐ろしい遺物なのである。


「でも死ぬよりはマシでしょ?」

「確かに」


別にランダムで飛ばされると言うことは海底や宇宙、地の底などに飛ばされる可能性もあるわけで、死ぬ可能性もあるのだが…それでも確実に死ぬよりはと求めるものは後を絶たないのである。


「じゃあ行ってくるね」

「おう、戻ってこいよ」

「一緒に来てもいいんだよ?」

「いや、俺は遠慮する」

「私もきついわ」

「そう…じゃあバイバイ」


カイナは「身体強化」を発動させると竜とサツキの方向へ走って行った。


「団長は甘いわよね〜、愛娘みたいに思っているのはわかっているけど転移石まで持たせてあげるなんて…羨ましいわ」



<サツキ>


(これは凄い、凄いスピードでこっちに…こっちに?なんでこっちに?)


サツキは今までで一番圧があり、凄まじい魔力の塊が()()()こっちに飛んで来るのを感じ、疑問に思っていた。


(うわーなんてファンタジーなんだ。竜…本当にいるんだー)


サツキはしっかりその目に竜の巨体を捉えるとソレがグングンと近づいてくるのを見て改めて自分の元に来ていることを自覚した。


もちろんサツキはあれほどの巨体がこのスピードでここに衝突した時にどれだけの衝撃が来てこのままでは自分が死んでしまうことなどはわかっている。

よってサツキは、魔力を両腕に集めると、


(5、4、3、2、1、着弾)


のタイミングで両腕から高速で飛来する竜に向かって「魔力砲」で真っ向から向かい撃った。


「ウギギギギ…」


サツキの「魔力砲」と竜の体当たり(ミサイル)は数秒拮抗を生み出したかと思うと、急激にサツキの「魔力砲」の出力が下がっていき、サツキ直撃コースだった竜の体当たり(ミサイル)は僅かにその身を後退させるとサツキの手前の地面にめり込んだ。


「うわーっと、と、と、と…グヘ」


その衝撃により吹き飛ばされたサツキは地面をゴロゴロと転がり倒れた木に衝突した。


「いたたたた、うわ、これはまずいな」


なんとか起き上がったサツキは自分の両腕に違和感を感じ、確認してみると、腕が真っ赤に染まり動かすたびにチリッとした刺すような痛みを感じていた。


「すっごいなこれ、どうなってるんだ?」


サツキは数回自分の腕を揉んでみた。結果サツキは状況を理解した。


「ああ、これ毛細血管破裂してるなあ」


幸い動脈や静脈を切れていなかったものの毛細血管が破裂することによって肌全てに赤いミミズがのたうち回っているような模様が浮かび上がり事あるごとに動きを阻害するように痛みが走った。


「若干腕も重いかな?まあ重症じゃあないけれど…アレ(魔力砲)後数回やったら太い血管もダメになるかもなあ」


魔力という豕募鴨に最も近くそれをただの人の肉体で乱暴に使用するという荒技、それに加えてサツキの螟匁ウ募鴨による**…その結果がこれである。

もちろんその代償がこれだけで済むはずもなく…


「なんか魔力の通りも悪いなあ、これ結構まずいかもな」


魔力線?…の損傷…ソレはサツキの…。


そんな確認をしているうちに、魔力によって地面を吹き飛ばし飛び出してきた竜は獲物を見つけると吠えた。


「Gurooooooooooooo!!」






なんか文字化け久しぶり


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