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バケモノに至し暗殺者  作者: ヤヒド
冒険者編
7/115

ベテラン受付嬢の独白

お願いします

<冒険者組合受付嬢アニカ視点>

私の名前はアニカ。この冒険者組合で18歳の頃から6年間働いているベテラン受付嬢だ。

2年間は雑用などを頑張ってやって3年目から受付に立ち働き始めた。

その4年間で私はさまざまな冒険者を見てきた、そして口説かれたりしてきた。

まあ男が多い冒険者界隈だからそれもしょうがないんだけど…

そうしてさまざまな冒険者たちをこの目で見てきた私には、いつの間にかその人も気づかない心の奥底に秘められた性質も見抜くことができるスキルが芽生えていた。

そのスキルの名前は「聖邪判定」。能力はその人が秘めている性質が聖だと黄色、邪だと紫になり、性質が大きいと色が深くオーラが大きくなるというものだ。

どんな人でも必ずどちらかの色のオーラを纏っており、この能力のこともギルドマスターに話し、大きい邪のオーラを持つ人を監視してもらったりしている。

ギルドマスター以外にはこの能力は私の安全のために話していない。

今までの経験則から、そのオーラの色が深く大きい人たちは、さまざまな分野で色々な偉業を残している。

例えば2年前に一目見た「勇者候補」は、黄色が深く大きくなり金色になったとても大きいオーラを纏っていた。

また半年前に別の町からこの町にやってきて実績を積み上げ、将来Sランクも間違いないと言われるAランク冒険者のバルドルさんも「勇者候補」ほどではないにせよ、濃黄の大きいオーラを纏っていた。

そんな感じで6年間(実質4年間)受付嬢をやってきた私の経験で計り知れないことが起きた。

その日も冒険者組合でいつも通り受付をしていると、ドアを開け、まるで夜のような黒い綺麗な髪と黒い瞳を持った少女が入ってきた。

少し周りを見て、昼から酔っている冒険者を見ると、すぐに視線をこちらに戻して私のいるカウンターに歩いてきた。

まだ登録できるような年齢ではないので、「依頼ならこちらですよ」と声をかけようとしたが、とてもできなかった。

彼女は「冒険者登録をお願いします」なんて言っていたようだが、とてもそれに応えられる余裕はなかった。

彼女は一見そこら辺にもいるような普通の黄色で平凡な大きさのオーラを纏っていた。

しかしどこか違和感を感じたので、もう少し注視すると凄まじいオーラが秘められていた。

理解できなかった。リカイデキナカッタ。クルイソウダッタ。そこにあったモノを完全にリカイデキナカッタ。

こんなことは初めてだった。

ただただクライ漆黒が凄まじい密度と無限とも思えるような大きさでそこに存在していた。

その時は確実に呑まれていたと思う。

きっと私がモドルコトができたのはその本人が「冒険者登録をお願いします」と声をかけてくれたことと、常日頃から色々な人なオーラを見てきたからだと思う。

あのままでは確実に廃人になっていたと分かった。

こんなモノが解放された時、世界は一体ドウナッテしまうのかという、そう遠くないと感じる未来に思いを馳せながら私は受付を続けた。

私はもう既に彼女の邪の本性が目覚めつつあることに気付いていたのだろう。

彼女が先程の冒険者を見る目に、嗜虐心と嘲笑が含まれていたのだから。

次回も別視点です

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― 新着の感想 ―
[一言] 急なカタカナ…痛いなぁ
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