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バケモノに至し暗殺者  作者: ヤヒド
冒険者編
69/115

脳筋団長と魔獣ーモリノケンジャ

いつも読んでいただきありがとうございます

「そら、そらそらそら!そんなもんかあ!」


そんな挑発とも取れる掛け声を上げながら騎士団長スカイは子牛(インフェリア)頭ノ人(ミノタウロス)に対し攻勢を仕掛けていた。そんな騎士団長の獲物は先ほど持っていたランスとは打って変わって腰に刺してあった長剣と、背中に背負っていた小盾だった。

対する子牛(インフェリア)頭ノ人(ミノタウロス)は、何かの魔物の骨を加工したような無骨な斧を持ち、それを技術など感じないただの力でぶん回していた。


「力任せもなかなか良いがそれで私を破れると思っているのかあ!」


子牛(インフェリア)頭ノ人(ミノタウロス)が武骨の斧を振ると、団長は大振りのそれを掻い潜り懐に入り、筋密度の高い肉体に長剣を刺しても抜くのが大変だということを瞬時に考えると、アゴに向かって下からアッパーのように小盾で殴りつけた。


「グモオ…」

「まだまだ行くぞ!」


アゴに一撃を喰らいよろけた子牛(インフェリア)頭ノ人(ミノタウロス)の頭についている柔らかい眼球に向かって長剣を突き刺すと、混乱している時に更なる痛みに襲われた子牛(インフェリア)頭ノ人(ミノタウロス)は悲鳴をあげた。


「ふん!貴様は訓練が足りんな。親に教わらなかったのか?」


スカイの魔力を感じ取り、その危険性を理解しているはずなのにこの低落…団長は少しがっかりしていた。


「ブモオオオオオ!」


しかし言葉はわからずとも、その雰囲気やあえて距離を取るなどの行動から馬鹿にされていると理解した子牛(インフェリア)頭ノ人(ミノタウロス)は魔力をたぎらせ殺意のこもった目でスカイを見た。


「ふん、やっとか…最初からそれをやっていれば或いは片目を失わずに済んだかもしれないな…まあ良い、部下を待たせているんだ。さっさとお前を殺して次に行こう!」


いつの間にか周りの魔物は殺し尽くされ、ここは危険だと理解した魔物が近づくことも無くなっていた。


「ブルルルル… ブオオオオ!」

「ハハハハハ!来い!」



<少し遡り冒険者サイド>


「さあぶっぱなすわよ!」


魔法使いの中で一番実力が高いが故に、そのグループのリーダに任命された女魔法使いは、メンバーの魔法使いに発射許可を与えた。


「火砲!」

「風砲!」

「炎砲!」


威力を上げるため、火魔法と風魔法のlevel6で習得する魔法が使われ、一部の上位者達が中位属性の炎魔法level6の魔法を使用した。


相乗効果を消す、水魔法や土魔法の使い手達は若干不満そうにしていたが、それでもその効果は凄まじく迫っていた下級の魔物たちは炎に焼かれほとんどが死に絶えた。

しかし下級の魔物は殺せても範囲技として指定した影響もあり、中位以上の魔物たちには軽い火傷を負わせる程度であった。


「よし!こっからは前衛の仕事だ!全部ぶっ殺すぞ!」


しかしここにいるのは魔法使いだけでなく多種多様な前衛がおり、いつものパーティを組むと連携して魔物達を狩り始めた。


「やっぱりうろちょろする小物達がいないとやり易いな!」

「ああ!あの数は流石に鬱陶しいしな!」

「さすが魔法だぜ!殲滅戦にはピッタリだ!」


そんな会話を聞いた魔法使い達は…


「アイツら私達のこと扱い易い何かだと思ってない?」

「別に私たちも戦える…」

「露払いみたいな言い方だな…」

「後でお仕置き決定だね!」


……


「ウワッ!」

「ん?どうした!?」

「い、いや…なんか嫌な予感がしただけだ…」

「お、おうそうか」


そんなことを言えるほど余裕だった戦況はそう続くはずもなく、すぐに全員が()()()()身構えた。


「で、出たぞ〜!!ま、魔獣だ!」


魔獣…ソレは魔物とは違い長く生きた動物が魔の力を手に入れ変異した生物のことであり、魔物のように突然生まれたものでなく、古くから存在する生物がなるため魔人のように魔力への親和性が非常に高く、他の魔物とは一線を貸す強さを持っている。

ある意味魔物の祖であり、また新たな魔物の祖になりうる存在である。


「ま、魔獣!?」

「無理だろ!?魔獣って言ったら最低でもBランク中位だぞ!?」

「勝てねえ、でも逃げれねえ…」

「い、いや、ば、バルドルさんなら!」

「ば、バルドルさん!魔獣が出ました!」


困った時のバルドル…竜殺し(ドラゴンスレイヤー)の名は伊達ではなく、最低でもAランク下位はあるドラゴンを幼竜とはいえ討伐したバルドルは…跳んできた。


「おうおう、なんか聞こえたと思ったら…大物じゃねえか」

「ギルルルル」


その魔獣は元になったものが鷹だったようで、巨大化した鷹が空を舞いながらバルドルを…芳醇な魔力を見ていた。


「魔獣っていうんならしゃべってもおかしくないが…どうやって魔獣って判断したんだ?」

「え?そりゃあ…こんな魔物見たことないですし…なんか違うなって…」

「まあ確かにな…」

「ギルルルル…ナカナカミルメガアルナ」

「お、喋れるのか」

「アタリマエダ、ナンネンイキテイルトオモッテオル」

「何年だ?」

「500ネンダ」

「そいつは…」


バルドルは何気なくしゃべっているが、魔獣が一口喋るだけで大気が震え、魔力が震え、周りに多大なる影響を与えていた…実際に…


「ウシロノモノハドウシタ?ナゼタオレテオル?」

「ああ〜ソレは…」


バルドルは本当のことを言うか迷い…めんどくさくなり誤魔化した。


「怪我してんだよ」

「ソウカ…」

「で良いか?聞いても」

「イイゾ、オマエハツヨイカラナ」

「じゃあ遠慮なく…帰ってくれないか?」

「フム?」

「争う意味がないだろう?」

()()()()()()()

「どう言うことだ?」

「ワシハモリノケンジャ。ドウホウヲマモルタメ、「??」ニハサカラワン。アノマリョクノモトガヒツヨウジャ。イナケレバ、タクサンノホウフナマリョクモナ」


それを聞きバルドルは頭が痛くなった。


(嬢ちゃん…絶対嬢ちゃんだろ…というか「??」てなんだよ、こいつが従わなければいけないほどの…)


「ヨイカ?シタイハハヤクカイシュウセントマリョクガヌケルカラ、ハヤクトドケタインジャ。オヌシ…ワシトヤルノカ?」


思考を中断して入ってくる、死体を持っていきますよという堂々とした宣言…流石に看過できない申し出に一時思考を中断したバルドルは、言葉ではなく態度で…大剣を抜いてそれを示した。


「マアイイ、ドチラニセヨサケラレヌミチジャ」

「っ…行くぞ魔獣!」

「モリノケンジャジャ」

「行くぞ!森の賢者!」


魔獣改め森の賢者は満足そうに頷くと空高く舞い上がった…。

カタカナって読みづらいよね


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次回も本編です



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